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posted by fanblog

2017年06月30日

診療放射線技師さんによる大腸CT(CT colonography)検査の読影支援は可能か!? システマティックレビューを読んでみよう!!

PubMedから、今日のつぶやき − 20 −

Meertens R, et al. Diagnostic accuracy of radiographer reporting of computed tomography colonography examinations: a systematic review. Clin Radiol 2013;68:e177-90.


質問を頂きました。
つぶやきは書き溜めているのですか?
今のところ、毎日、その都度書いていますよ〜
でも、今後、学会や夏休みなどの際は書き溜めて
お送りさせていただくこともあるかもしれません。
あしからず・・。

それでは、昨日の続きです。
昨日ご紹介した論文では、
診療放射線技師さんによる大腸CT検査の
読影支援は可能で有用であるということでした。

でも、
「100例の少ない症例検討の結論を、そのまま臨床現場に導入して本当に大丈夫?」
という疑問が生じませんか?

そうですね。
同様に検討した研究論文は複数あり、
実はその結果にばらつきがあります。

「診療放射線技師さんによる大腸CT検査の読影支援は可能か?」
というリサーチクエスチョンを解決するのに最適な方法は
システマティックレビュー(系統的レビュー)を参照することです。
皆さんも聞いたことがありますよね?
でも、単なるレビュー(総説)とは何が異なるかご存知ですか?

日本の学会誌の最初のほうに総説が掲載されていることがありますね。
日本の雑誌のレビューは、
ある領域のエキスパートが執筆されることが多いと思います。
でも、引用文献のピックアップ方法が偏っていたり、
曖昧だったりすることがあります。
つまり、主観的な印象を受ける総説もないとも言えません。

システマティックレビューとは、現存する文献を網羅的に検索し、
それらを批判的に吟味し、質の低い研究を除外し、
統計的に統合(Meta-analysis)して結論を導き出すものです。

とくに、質の高いシステマティックレビューは、
国際的団体のコクラン共同計画が推進する手法に基づいて実施される
コクラン・レビューが世界標準なんです。

コクラン・レビューであれば、
著名なジャーナルにも採用してもらえますよ。

日々の臨床で疑問が生じたら、過去の文献を探します。
でも、適当に探した研究論文だけで結論付けるのは、
都合の良い結果を持ってくるリスクがあることに注意しなければなりません。

そして、レビューを参照する際は、単なるレビューなのか、
コクラン・レビューの方法に基づいたシステマティックレビュー/メタアナリシスなのか
確認するといいと思います。

基本、Methodのあたりに書いてありますよ。

エビデンスレベルが一番高いシステマティックレビュー/メタアナリシスを
参照すれば、リサーチクエスチョンを解決できます。

ということで、今回取り上げるのはシステマティックレビューの論文です。
長くなってしまったので、肝心の内容はまた明日に続きます〜〜


原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=ct+colonography+Diagnostic+accuracy+of+radiographer+reporting+systematic+review



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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。

<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。

<前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。

<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。

<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当

<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。

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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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