2017年10月16日
検診大腸CT検査の将来について メディケアとメディケイドでなぜカバーされていない?
PubMedから、今日のつぶやき − 92 −
The Future of CT Colonography Screening
前回の続きです。
【保険収載への道のり】
大腸CT検査が保険でカバーされなければ、
受診者は1,000ドル(約11万円)以上の
自己負担が必要である。
現状、米国では33の州とワシントンDCでは
大腸がん検診の実施を義務付けている。
The U.S. Preventive Services Task Force
(USPSTFはもっとも信頼がある検診の推奨機関のひとつ)は
50-75歳の住民に対する大腸がん検診をグレードA(最高ランク)で推奨している。
Affordable Care Act (平たく言うとオバマケア)のもとでは、グレードAについては
保険会社がすべてカバーする(受診者負担ゼロ)ことを課している。
USPSTFが昨年6月に大腸CT検査を推奨したことは
放射線関係者から賞賛されたものの
公的医療保障制度メディケアおよびメディケイドの運営主体であるCMSは、
大腸CT検査を検診でカバーするには
なおエビデンス不足と昨年の6月に決定しました。
USPSTFが推奨したのにですよ!
でも、CMSの主張には理解できる部分もあり、その問題点については
USPSTF自身も触れているわけです。
このあたり、重要なのでまた後日解説しますね。
ただ、大腸CT検査をカバーする向きの動きも出ています。
会合H.R.1298 - CT Colonography Screening for Colorectal Cancer Act of 2017
https://www.congress.gov/bill/115th-congress/house-bill/1298
では、メディケアに周囲された場合の適応について提案を出しています。
ほぼUSPSTの推奨内容に側しています。
また、会合H.R.1298ではアメリカ合衆国保健福祉長官に
大腸CT検査の適応と大腸がん検診に関する定期的な会合
を開くようにも求め提案しています。
長くなってきたので、今回はこのあたりにしますね。
それでは、また〜
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.itnonline.com/article/future-ct-colonography-screening
★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
新しい精検結果報告書雛型が国立がん研究センター
研究班ホームページにアップされました。
精密検査に大腸CT検査が明記されるようになりましたよ!
http://canscreen.ncc.go.jp/pdf/3/yoshiki4_daicho.pdf
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<検診>
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
大腸CT検査による検診受診率は735%増加した。
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
大腸内視鏡検査による検診受診率は38%増加した。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。
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メルマガタイトル:大腸CT検査アカデミー
http://www.mag2.com/m/0001679515.html
日本の大腸CT検査の知識のボトムアップを狙っています。
最新の世界の知識を身につけることで、患者さんに還元するのはもちろんですが、きっと新しい研究の芽も生まれると信じています。
皆でパワーアップしていきたいですね!!
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応援いただけると嬉しいです。
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ご質問もお待ちしています。
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・最新の情報を入手できる。
・仲間と意見を交換できる。
・待ち時間に気軽にみられる。
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ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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