2020年02月16日
日本消化器がん検診学会で大腸CT検査技師認定制度が発足するまでの道のり その2
本年2020年より日本消化器がん検診学会で
大腸CT検査技師認定制度が発足いたしました。
大腸CT検査の認定制度ができるその礎は
まず
エビデンスの構築です。
大腸CT検査の精度評価研究として
2009年から実施され世界に発信された日本のエビデンスがあります。
大腸CT検査の精密検査としての日本初の精度検証
Am J Gastroenterol 2017;112:163-71.
2019年のインパクトファクターは 10.241です。
オープンアクセスなので全文読むことができます。
日本の消化器内視鏡専門医による内視鏡診断に対する
大腸CT検査の非劣勢を証明した前向き多施設共同臨床試験です。
これにより日本でも大腸CT検査の精度が担保されたといえます。
ただ、この臨床試験に携わった一人としてとても重要なことと考えていることは
検査方法も読影方法もエビデンスがある方法で実施したということです。
大腸CT検査を行えばこの論文と同程度の精度が出るというのは大きな誤りです。
科学的エビデンスを軽んじることなく正しい方法を行っていくことが必須であり
それはつまり検査の標準化が必要であるということの認識の始まりでもありました。
臨床試験JANCTの成功を受けて、どこの施設でも精度高い検査の実現性を目指す
認定制度の必要性が生じた瞬間でもあります。
近年になっても日本では科学的エビデンスを軽んじた方法で行われていることが少なくありません。
標準化というのは米国ではかなり浸透していますが
日本はまだまだ遅れていると言わざるを得ません。
行動経済学のサンクコストってご存じでしょうか?
時間やお金をかけて開発したために
それにこだわってしまい
むしろ損してしまうことです。
飛行機のコンコルドや日本のガラケーなどがいい例ですね。
コンコルドは商業的には赤字、騒音も大きい、客室スペースも狭い
でも膨大な開発費をかけていたため、墜落するまで運行が続いてしまいました。
ガラケーは日本で開発したiモードなど独自の技術にこだわり続けてしまい
気づいた時には日本の携帯はガラパゴス状態
後はご存じのようにスマホはアップルや中国・韓国に席巻されてしまいました。
大腸CT検査でも日本独自の技術に固執してしまっています。
もし日本で開発された方法が本当に良いものであれば世界に真を問うべきです。
ただ残念ながらすでに小規模の臨床試験でその有用性は否定されています。
世界を納得させるものでなければ長続きしませんし、
その間に受ける患者さんに迷惑をかけることになってしまいます。
こうした事例は悪意がないだけに
むしろ患者さんによいはずと考えて行われるだけに問題の解消に時間がかかります。
主観や感情を交えず、科学的に裏打ちされた方法を標準的方法として認定していくことが大切なのです。
#大腸CT検査 #認定技師 #日本消化器がん検診学会 #専門技師 #認定制度
大腸CT検査技師認定制度が発足いたしました。
大腸CT検査の認定制度ができるその礎は
まず
エビデンスの構築です。
大腸CT検査の精度評価研究として
2009年から実施され世界に発信された日本のエビデンスがあります。
大腸CT検査の精密検査としての日本初の精度検証
Am J Gastroenterol 2017;112:163-71.
2019年のインパクトファクターは 10.241です。
オープンアクセスなので全文読むことができます。
日本の消化器内視鏡専門医による内視鏡診断に対する
大腸CT検査の非劣勢を証明した前向き多施設共同臨床試験です。
これにより日本でも大腸CT検査の精度が担保されたといえます。
ただ、この臨床試験に携わった一人としてとても重要なことと考えていることは
検査方法も読影方法もエビデンスがある方法で実施したということです。
大腸CT検査を行えばこの論文と同程度の精度が出るというのは大きな誤りです。
科学的エビデンスを軽んじることなく正しい方法を行っていくことが必須であり
それはつまり検査の標準化が必要であるということの認識の始まりでもありました。
臨床試験JANCTの成功を受けて、どこの施設でも精度高い検査の実現性を目指す
認定制度の必要性が生じた瞬間でもあります。
近年になっても日本では科学的エビデンスを軽んじた方法で行われていることが少なくありません。
標準化というのは米国ではかなり浸透していますが
日本はまだまだ遅れていると言わざるを得ません。
行動経済学のサンクコストってご存じでしょうか?
時間やお金をかけて開発したために
それにこだわってしまい
むしろ損してしまうことです。
飛行機のコンコルドや日本のガラケーなどがいい例ですね。
コンコルドは商業的には赤字、騒音も大きい、客室スペースも狭い
でも膨大な開発費をかけていたため、墜落するまで運行が続いてしまいました。
ガラケーは日本で開発したiモードなど独自の技術にこだわり続けてしまい
気づいた時には日本の携帯はガラパゴス状態
後はご存じのようにスマホはアップルや中国・韓国に席巻されてしまいました。
大腸CT検査でも日本独自の技術に固執してしまっています。
もし日本で開発された方法が本当に良いものであれば世界に真を問うべきです。
ただ残念ながらすでに小規模の臨床試験でその有用性は否定されています。
世界を納得させるものでなければ長続きしませんし、
その間に受ける患者さんに迷惑をかけることになってしまいます。
こうした事例は悪意がないだけに
むしろ患者さんによいはずと考えて行われるだけに問題の解消に時間がかかります。
主観や感情を交えず、科学的に裏打ちされた方法を標準的方法として認定していくことが大切なのです。
#大腸CT検査 #認定技師 #日本消化器がん検診学会 #専門技師 #認定制度
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