2019年06月26日
言葉に表れる気遣い
言葉の細かいところにその人の“気遣い”が表れます。
「ここでその言葉、使うのかい?」
というところにその人の知識や教養、品格が出るのだと思います。
そういっている私だって、この年齢に達してもまだ中途半端にしか言えないことでもあります。
いま私は“息子さん”と呼ばれることが多くあります。
それは母が入所している老人ホームや病院と連絡を取るときです。
入所している母は下の名前で〇〇さんと呼ばれます。
それに対して私は“息子さん”です。
そう呼ばれるたび、私は良い気がしません。
間違いなく私は息子なのですから当たり前のことかも知れません。
でも、それでは少し足りないでしょ?というのが私の意見。
息子、娘というのは親、入居者から見た続柄であって、子は子。
立場は下であるといえます。
でも職員からそう呼ばれると、
「あんたよりは上だぞ。」
そう思ってしまいます。
入所者が下の名前で呼ばれている以上、私にだって下の名前はある。
もし私が下の名前で呼ばれたら悪い気はしないと思います。
郵便物だって私のフルネームで来るし、直接ないし電話で話すようになってからもう何年も経っている。今さら私の下の名前を知らないはずはない。
職員の中には知らない人だっているでしょう。でもその前に憶えようともしないのでしょうね。
きっと入所者の子を息子さん、娘さんと呼ぶことについて、老人ホームでは慣れたシチュエーションでしょうから業務上、当たり前になっているのでしょう。それで済ませてしまう。
でも、もう少し気遣いできないものかと思ってしまいます。
私なら自分より年上の人を“息子さん”、“娘さん”なんて、失礼で呼べません。
フルネームが丁寧で、次に下の名前、それが無理でもせめて“ご子息”、“ご息女”です。
ところで“ご子息”、“ご息女”ともに敬称ですから、“ご子息さま”、“ご息女さま”は誤りです。
それでもまだ、敢えて職員を考えるなら、自分がまだ10歳も20歳も年下の人間に
“息子さん”、“娘さん”と呼ばれたことがないから、自分で経験のないことは想像できないのでしょう。
そして、もうひとつ付け加えるなら、私が不快に思っているこのことを今、職員さんに伝えたら角が立つでしょう。今後も連絡を取り合う中で、介護のプロに対して斜め上のことを“改めなさい”というのですから。
角が立たないよう言い方に気をつけることはできると思います。でもそれには時間がかかります。
ではどうしたらいいのか。
タイミングとしたら母が亡くなり、老人ホームとつながりが切れるとき、
「実は“息子さん”と呼ばれたのに、あまり良い気がしなかった。それは私だけではないはず。今後は気をつけて下さい。」
といって老人ホームとさよならするのが良いと思います。
でも、実際にはそこで切れてしまう老人ホームに対して、母に対する今までの感謝の気持ちから、
「言うまでもない。余計なお世話になってしまう。」
と、何も言わないで終わってしまうのではないかと思います。
そんなことから皮肉にも正しい日本語の伝承というのは難しいと思います。
ともあれ結局、これですね。
〜 敬語はつかうけど、それで本当に敬っているの? 〜
また普段何気なく使っている言葉にも実は“失礼”ってあると思います。
LINEなんかでよく交わす、“了解”。
“了解”は目下の人にいう言葉です。
理由は“了解”という言葉に尊敬の意味が含まれないから。
言い換えると「わかったぜ!」という感じでしょうか。
目上の人に対しては“承知”が適切といわれているようです。
あと、年賀状の“賀正”もそうです。
これは「おめでとうな!」でしょうか。
今なら年賀状はパソコンで作る場合、文面を目上用、目下用とか何種類も用意しないでしょう。
そういった中にもつい、失礼にあたってしまうことがある。これら覚えるのは面倒なようですが、それが“教養”だと思います。
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