2020年06月19日
最近の若者について気になる言葉づかい五つ
なにも若者だけに限ったことではありません。しかし最近、聞いていて気になる言葉があります。
1. おっしゃりました。下さりました。
どちらも昔は聞いたことない言葉ですね。
「おっしゃりました」は、もとが「仰る」という動詞だから、“る”→“り”になったのではないかと思いますが、おっしゃいましたが正しいです。
「下さりました」も「下さる」がもとだからだと思います。正しくは、下さいましたですね。
2. 形
「なります」とセットで使われることが多いと思います。
「なりますとセットという形になります。」といった感じ。
これがコールセンターでお客様との応対のとき使う言葉であれば、「なりますとセットです。」または「なりますとセットでございます。」とシンプルにまとめた方が良いですね。
でもこれ、意味は通じるんですが、果たして「形」という表現は適切なんでしょうか。
もしそれが「セット商品はひとつの箱に同梱して発送という形になります。」だったら、なんとなく「ああ、形なんだ。」と通じるのですが。
もちろん、「なりますとセットという形になります。」という会話自体、出てくることは考えられませんが、とにかく文節の終わりは「という形になります。」で締めるのが丁寧そうだし、ビジネスライクに聞こえると勘違いしてるんじゃないかと思いますね。必要のない言葉だから蛇足です。
3. 折り返し
折り返しというのは今さらですが、Aさんいますか?と架かってきた電話。Aさんが席を外しているので電話に出ることはできない場合、戻り次第Aさんから架け返す場合に使いますね。
よくあるのは
「ではAが戻り次第、折り返しお電話いたします。」
といった感じです。
電車が折り返すとか方向が反転するわけですね。もとは一枚の紙や布などを折り返すと、向きが逆転するから使われたのだと思います。
それを、
「いま席を外しているので、折り返していただけませんか?」
って。いや、どうやっても折り返せませんけど。
これは折り返すでなく、改めてです。
私が「折り返し」というのを電話で聞いた、使うようになったのは、実はそんなに昔ではありません。
営業をしていた頃はそれほど言葉づかいも厳しくなかったのだと思います。あまり丁寧すぎると返って固すぎると誤解されがちです。
私が初めて「折り返す」を聞いたときには頭の中に紙を折りたたむイメージが浮かび、なるほどと思ったものです。しかし誤った使い方をしている人はきっと何も考えていないんだと思います。
ちなみに、折り返すというのは時間を空けないでという意味合いがあります。だから「折り返していただけませんか?」というのは先方さんに対して失礼に当たります。
4. 普通に
気持ちはわかるんです。
会話の進行上、私だって「フツーに」を使いたくなるシーンはありますから。
でもオッサンの悪いクセで新しい言葉は拒否したがります。
私がまだ中・高生の頃には
「フツー、そんなことはしないだろう。」
といった感じで使っていました。
今は、
「フツーにあるよ。」
とか
「そんなのフツーじゃん。」
といったように、物事を肯定しながら会話を否定するように使われていると思います。
会話の流れ的に使いたくなる言葉というのはよーくわかるのですが、「普通」なんだったら言わなくていいじゃん!という考えがどうしても出てきてしまいます。
5. ヤバい
これ、私の世代は悩みます。どっち?って。
今でもまず、悪い言葉として解釈します。それが今では良くてビックリにしたことにも使われるようになってしまいましたね。だから、いったいどっち?って考えてしまいます。
先日、YouTubeを見ていたら関連動画に鉄道模型の紹介がありました。
鉄道模型といっても、オプションで売っている補助的な部品を紹介する動画でした。
鉄道模型の多くは2本のレールを使い片方のレールを“プラス”、もう片方を“マイナス”の電極につないでモーターで走らせます。長く使っているとだんだんレールが汚れ(車輪もそうですが)、接触が悪くなり集電できずに止まってしまうこともあります。
そこで模型の床下部分に別売の部品を装着します。部品にはコットン状のものが付いていて常にレールを撫でるようになっています。恐らくコットンにアルコールなどを浸透させておけば、走行するたびにレールを拭きとることになり、簡単にレール清掃ができるという部品でしょう。
そのサムネイル画像に大きく「ヤバい」と書いてあるのです。
私からすればヤバいものなら使わない方が良いだろうと思ってしまうのですが。その動画は見てません。
そのように言葉は簡単に反対の意味に使われるようになってしまいますね。
「ハッカー」だって、元は悪人でなく、“コンピュータのハードにもソフトにも精通している人”でした。
「Hacker」の「Hack」は「叩く」で、プログラムを書くのに無心でキーボードを叩いているところから付けられたのです。悪者の「ハッカー」、正しくは「クラッカー」です。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9919145
この記事へのトラックバック