2020年04月29日
敬意
「了解です」「なるほど」を用いる誤り。
もう常識的に使われている言葉だから、皮肉にも正しい使い方がされなくなっていると思います。
今日聞こえてきたのは、、、
電話で話している若い管理者。
「了解です。失礼します。」
電話の相手は誰だか知りません。でも失礼しますといっているのだから、相手は目上だと考えられます。
でも「了解」という言葉は立場が同じか目下に使う言葉というのを知らないようです。
なぜ「了解」が目上に対して失礼になるのか。
まず「りょうかい」は「理解して承る」という意味です。
これに「です」を付けて、無理やり丁寧語にしている感があります。
しかし目上に対して使う言葉は、へりくだって敬意を示すことから丁寧語でなく謙譲語が良いとされます。
「了解」を謙譲語にするのは「了解しました」を「了解いたしました」にする方法もあります。
「わかしました」の謙譲語は「承知しました」なので「承知しました」が良いです。
他にも言い換えとして、
・かしこまりました
・承りました
があります。
また今日、後ろからお客様と応対する管理者の声が聞こえてきました。
が、「なるほど」を連発していました。
「なるほど」は上から目線の代表的なものといっていいでしょう。
なぜ上から目線なのか。
まず「なるほど」は敬語ではありません。
また
「なるほど」を調べると、「評価」という言葉が出てきます。
相手の言葉に対して、「そのとおりだね」といった評価を下しています。
目下の人から評価は下されたくないですね。
たとえば自分の子供から
「たいしたもんだ!」
なんて言われて快く思う親はいないと思います。
まだコールセンターに勤め始めた昔、同僚と「なるほど」について話し合ったことがありました。
最終的に「なるほど」は上から目線だからやめた方が良い。「さようでございますか」が適当だと。
「なるほど」の言い換えは
・わかりました
・承知しました
・かしこまりました
・おっしゃる通りです
・さようでございますか
があります。
「なるほど」に近い、上から目線の言葉は
「確かに」もそうです。
これにも「評価」のニュアンスがあります。
「私もあなたの考えに同調できるよ!」
といった感じに。
ただ、つい口走ってしまった「なるほど」「確かに」には
「なるほど、承知しました。」
「確かに、仰る通りです。」
と付け加えることによって、回避できるようです。
仕事中、今日もスクリプト通りに読む案内が聞こえてきて、あっちからもこっちからも
「ご案内がございましてご連絡いたしました。」
と。
この
「ご」「ご」「ご」
は喋っていて気にならないのでしょうか。
日本語では、いけないとされる使い方だというのに。
気にならないのだとしたら、きっと
「お気軽にお電話下さい。」
だって気にならないんでしょうね。
私には不協和音のように聞こえて、気になって仕方がありません。
これが気にならないのなら、「ご」「ご」「ご」だって違和感を感じないのでしょう。
間違いが間違いであることを知らずに正しいものを理解できるはずがありません。
悲しいことですが、正しいものを知らずにいるのでは、正しいものの美しささえ、知らずにいるのです。
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