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2015年06月14日
さいち
秋保温泉。仙台の奥座敷と呼ばれる古い温泉地。
仙台市からR286号を西へ向かい、山間に向かって行くと30〜40分で秋保温泉に到着します。
自動車で30〜40分だと結構遠いと思われるかもしれませんが、R286は山形への観光ルートで、
またみちのく湖畔公園も人気があるスポットですので、いつも混雑しているため、こういう時間距離を
設定しました。
この温泉街の中に「さいち」という地元御用達のスーパーマーケットがあります。
何でもないスーパーです。野菜、魚介、お肉など生鮮食品、日用品、惣菜、弁当などちいさな店内にぎっしり
並べられています。飽くまで地元秋保のみなさまの毎日のお買い物場所ですが、
地元よりも首都圏方面で人気のお店なのです。
理由は、名物「おはぎ」。これがまた懐かしい仙台地方のでっかいおはぎなのです。
おはぎについては、お盆も近い頃にもういちどしっかり書きますので今回は割愛させてください。
さいちが人気なのは、もう一つ惣菜と弁当が充実しているから。
これは多くの方々がテレビを見てご存知でしょう。朝、2時からさいちの奥さんが起きて惣菜、弁当、おはぎ作りを開始。地元のおばちゃんなど従業員も集まってきて、毎日毎日作り、毎日毎日それを売り切ります。
手作りです。
そして、驚いたのはレシピなしなのだそうです。
さいちの奥さんは「昔はあったけどやめたのね。レシピにこだわって味がおぢるんであれば、
みんなそれぞれこういう味にしようと、思ってる味にしたほがいいがら。
んだがら、レシピはなぐしたの」と。そう、味は自分の舌で。
砂糖、醤油、みりん、味噌など調味料の加減もすべて作り手の舌で確かめて、その日ベストを料理。
これが、結果として「うまい」と評判になっています。
それにしても、相当な量のお惣菜も弁当もほとんど売りつくすとのこと。
お弁当は昼前であらかた完売。
古くて新しいと思います。いま、全部工場生産でライン上を流れるのがお惣菜ですが、
こういう手作りが大変評価されるのは、日本の近未来的な姿だと断言します。
自分の舌、自分の手で、お客さんの顔を思いながら責任もって、つくる食。
食文化の本来が近い将来をたぐり寄せることを期待します。
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2015年06月12日
蕎麦屋の粋
以前、東京で仕事を終え、さて仙台に帰るかという時に
新幹線の時間もあり、なんとなく小腹もすいたので上野駅界隈をあるいて、
なにかちょうどいい店はないかと探した。
御徒町で、蕎麦屋をみつけて暖簾をくぐった。
昼時はとっくにすぎ、夕方にはまだ間がある時間帯。
いきなりそばを頼んで、さっさとでてくるのも惜しい気がしたのでお酒をたのんだ。
冷やを1本。
すると四角い塗盆に1合徳利(正確には7勺ほど)と
小さな塗りの器には、漬け物そして塩が盛られて、出て来た。
お酒を頼んだだけなのに、しっかりと酒のみをとらえる心憎いセットだった。
冷や酒といってもキンキンに冷えたお酒ではなく、常温よりは冷たいかなという程度の
灘系の日本酒である。江戸時代なら「下りもの」だ。
塩をなめ、ちょっと漬け物をあてに酒を飲みながら味わう午後。何とも粋な時間だった。
池波正太郎も良く同じようなことを書いている。
本格的に飲むのではなくちょっと時間が空いている時、一人なら必ず蕎麦屋に入って飲む。
海苔か卵くらいでさっとやるのがいいのだ、と。
日本酒が終わる前に蕎麦を1枚頼み、あたりを見回すと、同じように酒を静かに飲んでいる親爺さんが
幾人かいた。みなそれぞれお店を持っており、夕方の忙しい時間帯の前の休息なのか。
もしくは、引退し店は息子に任せて自分は楽隠居の身となり、この後は銭湯に行って汗を流したら、
落語にでも行くかという風情だった。
江戸の蕎麦と蕎麦屋の粋。
そういう店だった。
2015年06月10日
かき揚げの郷愁
天ぷらと来たらかき揚げをとりあげなければことはすまない。
何がすまないのかほとんどわからないがとにかくすまない。
これはおそらくかき揚げに対してすみませんという気持ちと、天ぷらだけ書いておいてかき揚げはおきざりかよという「ただではすまねぇ」という自分の気持ちがごっちゃになった意味なのだと思う。
で、かき揚げの話をするまえにカルチャーショックを1席。
以前、四国九州に仕事で行った先々で(主に駅構内や空港近くの土産物売店など)「天ぷら」と大書きされた看板や幟がやたら目立つので、売店や売場や店先を覗くと天ぷらは無いんであります。
あるのは薩摩揚げまたはそれに似た物がぎょうさん並んではる。
何これ。それにしても色々な薩摩揚げがあると感心したけど、天ぷらではない。
それで、お店の人に聞くと満面の蔑視笑顔でこれが天ぷらと言うのだと。
おどろいた。我が身の無教養にもだけども、なんと西日本以西で天ぷらというのは、
魚のすり身を油で揚げたもののこと。で、日本全国で流通しているいわゆる「天ぷら」は何というのと聞くと
「天ぷら」だそうだ。何がちがうのですかというと微妙にアクセントが違う程度だった。
西日本地元民は、ふだん生活のなかで「今夜は天ぷら」と言えば、薩摩揚げみたいな天ぷらとなる。
四国で天ぷらと書いてあったので、こちらもついでに覗くとじゃこ天。
これはうまいですよというから買って食べたら、ほんとにうまかった。
さてそろそろ本題のかき揚げについて。
かき揚げで思い出すのは、東京有楽町駅前の立ち食い天丼屋さん。
東北の仙台の人間としては、生まれて始めて立ち食いで天丼を食った。しかもかき揚げの天丼である。
色もなにやら全身茶色のかき揚げ。威勢が良くて粋とはいかないが、イナセでばっと食ってばっと払って、
ばっとカウンターを離れるという潔さがあった。
安くてうまくて味は濃くて、ああ、これが江戸前ってことか、と感じ入った記憶がある。
江戸で大発展をとげたいわゆる「天ぷら」の原点はまったくこの感覚だったのだと思う。
出店、屋台のファストフード。ひと串、ふた串をさっと食って、え〜い釣りは要らねぇぜなんて言って、
出て行く。出て行く時に店の暖簾で指をふいて行くのは忘れない。
この有楽町の立ち食い天丼屋はまだあるんだろうか。うまかったな。なつかしいなぁ。
2015年06月09日
魅惑の天ぷら
天ぷら。これほどB級と上級にはっきり分かれる食べ物はないと思います。
昔、といってもバブルの前まで町中には、小さな惣菜屋さんがあり天ぷら、煮物、煮豆、コロッケなどぎっしり並べられていました。
昼飯どき、弁当箱にご飯だけ入れて来れば、惣菜屋さんでおかずを買って、おいしいランチを実現できました。天ぷらは惣菜屋の花形でエビ天、野菜天、魚天ぷら、かき揚げなど勢揃い。
その日の予算に合わせて種類、数を決めます。
さすがにエビ天は高いので、大概かき揚げと何か煮物で済ますのですが。
こういう惣菜屋さんがぐっと減ってしまったのは残念です。
同じようなお店はデパ地下にあり、デリバリーコーナーとなっています。
見た目も美しく、種類も豊富で思わずあれとこれと欲しくなるのですが、
なにしろ高い。当たり前ですが高級なんですね、町場の惣菜屋さんに比べると。
天ぷらだけで比べても惣菜屋さんの2〜3倍の値段。気合いを入れないと買えないので、毎日のお昼にちょっとおかずをデパ地下で揃えるというのは、厳しいんです。
また、お店も昔は惣菜屋とおなじように天ぷらを店先で揚げ、売っていたものですが今はそうは行きません。
天ぷら専門店しかなく、専門店は美味しいし、満足度が高いのは分かるのですが、さっと行ってぱっと食べて出て来るという雰囲気ではありません。
東京の戸越銀座とか下町の商店街が残る街は、今もこういう店が大活躍しています。
仙台は残念ながらそういう場所が次々に消えています。
都市計画で古い町並みがなくなった後は、マンションと広い道路が占めます。
界隈や横丁がすっかり姿を消して、白く四角い建物だけが出現するという都市が仙台です。
残念です。人が暮らすということをもう一度よく考え町づくりをお願いしたいものですね。
宅配・デリバリーの総合サイト【出前館】
2015年06月07日
JR仙石線復旧全線開通の日
2012年晩秋の東松島東名浜
この5月30日にJR仙石線が復旧し、全線開通しました。
2011年3月11日の東日本大震災で被災してから4年と2ヶ月を要した長い期間です。
仙石線は仙台から石巻まで32駅、49.0kmのローカル線です。
仙台圏への通勤通学が主流ですが多賀城、塩竈、松島、東松島、石巻の観光にもとても便利で楽な乗り物。
この線路が戻りました。
3.11大震災で東松島市は石巻市に次いで、大変な被害を受けました。
市街地の約6割が津波冠水。家屋全壊、倒壊、死者、行方不明者多数。
沿岸部は海苔、牡蠣、ワカメなど養殖漁業にも甚大な被害が出ました。
この東松島市をふくめて太平洋沿岸部被災地の復興は、まだまだ。町そのものが流されたところもあります。
町がきれいに消失した自治体では、住民も町外に避難して人口が減少し町そのものの存続も厳しく、資金も人手もなにもかも足りないというのが現状です。
東松島は、JR仙石線復旧全線開通を迎え、ようやくステップを1つ登ったのだと思います。
がんばれなどという言葉は使いたくありません。
なんとなく、希望が沸いてきたというところでしかありません。
でも、農業なら農業で。養殖なら養殖でみんなそれぞれ出来ることから、
仕事を町を立て直すために精を出しています。
素朴ですが、美味しいものもありますし、嵯峨渓など奥松島観光も復活しました。
ちょっとだけ足を延ばして、こちらに遊びに来てみませんか。
高速情報協同組合
喜多方ラーメン
喜多方醤油ラーメン。
ラーメン。たかがラーメン。されどラーメンなのです。
喜多方はご存知のとおり、福島県会津若松市から車で北西に30分ほどのところ。
蔵の町であり、ラーメンの有名な町。味噌も酒もいいものが揃っております。
以前、古い駄菓子屋の名物菓子を取材しに行ったのですが、そのお菓子の素朴な味と落ち着いた町の佇まいがとても印象に残りました。
さて、喜多方ラーメンですが、店によっては朝からやっているのだそうです。
実際に、朝一で訪れたことはないので残念ですが、地元の方々は朝メシにラーメンをざっと啜り込んで、仕事に出かけるとのこと。
人口5000人ほどの町でラーメン店が100軒を越すという賑わいぶり。
有名店はいつも長い行列ができ、滅多に入ることはできません。
でも、有名店ではなくても大丈夫。どこの店も美味しいラーメンを出してくれるので、気にせずここぞと思ったお店に入って食べましょう。店毎にちょっとづつ味が違うので、出来ればいくつか自分のお気に入りの店を密かに決めておき、自慢できるようになりたいものです。
最近、喜多方の名のある店が仙台にも出店してきて、喜多方まで行かなくともあの縮れ麺とスープを楽しめます。それはそれで有り難いものですが、しばらく喜多方に行っていないので、出かけてあの店のラーメンを食べようと思います。
アイランド食品 箱入喜多方ラーメン大みなと味平4食入 640g
ごはんの魅力
丼ものの魅力はご飯と具の相互引力によります。
具がなければご飯だけでつまらない。ところが具だけでは、ぜんぜん満たされません。
そこで、一度ご飯だけに戻ってみると。これが、何ともイケルのです。
海苔ご飯でも書きましたが、ご飯は海苔があるだけでどんどん進みます。
卵かけご飯。これも卵1コだけでわしわしご飯が進みます。
ご飯だけというわけにはいかないのですが、ご飯にちょっと一品だけで素晴らしい食事になるんです。
男も料理で言えば「最悪、ご飯さえあればあとは卵1コで食事を作れる」ということに。
おとうさん、もし単身赴任で3食コンビニ生活なら、せめて1食くらい自分で作ってみましょ。
面倒はなく、ご飯だけレトルトパックで用意しておけば卵1コで食えるんです。
卵が古くて卵かけご飯が心配ならフライパンで焼く。焼くのも面倒ならば、溶き卵を熱したフライパンにかけ回し、塩こしょうして菜箸でひっかきまわせば炒り卵です。
もし、ちょっと味を加えるなら、熱したフライパンに少々油を足し、小口に切った長ネギを入れて炒める。
炒めて香りが出たら溶き卵をいれて、炒り卵にする。
これを丼めしに盛って、いただきま〜〜〜〜すで、完成。
ご飯があれば簡単なんです、コンビニエンス(簡易、簡便の意)なんです。日本のご飯はすごいなぁ〜。
2015年06月04日
豚丼の誘惑
東松島のスマイルダイニング 豚丼。うまかよ。
夏バテになったら豚丼は食べられない。食べられないのはイヤなので、いまのうちからスタミナをつけておいて来るべき夏に対抗しよう。北海道十勝の豚丼も含めて、丼ものは何故かおとうさんを誘うんです。
どこにその力が、魅力があるのでありましょう。先ず、ビジュアルです。
ストレートに「あ、これ」となり「食いたい」となる。このストレートさ。
次に、あれこれ考えたり検討する余地のない率直さ。
そして香りと味。香りはすきっぱらに真っ正直に訴えます。
味は、経験上すでに織り込みずみ。
値段も想定内の分かりやすさ。これらが全部そろうのが、丼であります。
その中で、豚丼は定食で言うなら豚肉生姜焼きをそのまま丼ご飯にど〜んと乗せるというイメージなので、分かりやすく脳には味の記憶が存分に格納されているので、後は食うだけとなる。
男も料理の場合でも、豚肉とタマネギと醤油、生姜、砂糖があればフライパン一つで出来る。
あとはご飯と丼があればOKでがす。
北海道の豚丼だと、酒・醤油・砂糖・みりんなど甘辛タレを用意し、
充分に焼いた豚肉をコーティングするパターンなんですが、別に生姜焼きの要領でも問題なし。
タレ多めで、ご飯にしみ込む分も考慮して作るという高度な作戦を練ることもありですので、単純明快な料理と言っても、なかなか甘くない一品かもしれません。
2015年06月03日
定食屋の魅力
かっちゃんの店 鮭のカマ焼き定食
定食屋というのが、ある時期からどんどん減って行きました。
昔、町場ではどこかに必ず定食屋がありまして、サラリーマンのおとうさんや学生で昼夜問わず満員でした。
定食屋の良さは、まず安いこと。そして何でも選べることが何より。
魚定食は焼き魚、煮魚にご飯、みそ汁、漬け物と何か小鉢がつきます。これに卵やコロッケを1コつける。
又は、焼き海苔を付ける。納豆を付ける。こういう風にバリエを増やせるところが強みです。
定食屋は和食が基本ですが、焼き肉定食もハンバーグ定食もあり、この場合にはてんこ盛り生野菜に必ずポテトサラダか、マカロニサラダが付きます。この量も半端ないのです。
こういう定食屋が次第に姿を消し、気がつくとお洒落なカフェでランチという風潮に。
カフェでランチはお姉様方、女性陣にお任せし、おとうさんはやはり定食屋が無いと困るんです。
一日の栄養バランスが取れないんです。
朝メシ抜いてコンビニで缶コーヒー1本。夜は、接待でビールと焼酎、ハイボール。家に帰っても食事は無いので、途中ラーメンをかっくらって終わり。
こういうパターンですので、どうしても昼にちゃんとしたものを食べておきたい。
そいうことで定食屋は必需品でした。
最近になって定食屋と名乗るお店が増えてきました。
なんだかやっぱりおしゃれなんです。ヘルシーなんです。お客様は女性が多く、おとうさんは入りづらい定食屋だから、往年の定食屋とはちと違うのですね。
写真は東松島市のかっちゃんの店。生野菜のボリューム、小鉢は筍の煮付け。お約束通り、ボリューム満点で小鉢だけでご飯1膳いけそうなほど。定食屋の復活を願います。
行った見た食った 男も料理
心機一転、イサバのカッチャのパワーにあやかりまっせ。
八戸陸奥湊駅のシンボル。朝市の真ん前。
さて、ブログタイトルを変えました。「行った見た食った 男も料理」です。
B級グルメ。東北の食・食文化。酒と肴。名物。旅。こういうエピソードに加えて「男も料理」を綴ります。
「男も料理」は面倒なことは言いません。
自分が出来る範囲で「こんなの食べられたらいいな、食ってみたな」といういい加減さでやって行きますので、くれぐれも厳格さは求めないでくださいね。
スタートした時、何をテーマにしようか迷いながら走り出したので、何でもいいかという曖昧さでタイトルを付けましたが、だんだん絞れてきましたので、このあたりでタイトルを変更。
内容としては、あまり変わらないのでどうぞこれからもご贔屓願います。