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2016年09月25日

アンガーマネジメントの始まりと実践

以前、アンガーマネジメントに少しだけ触れましたが、また少しだけご紹介します。


その前に、少し前からうちの会社での準備を進めている「ストレスチェック」についてですが、平成27年12月から常勤従業員が50名以上の事業所ではストレスチェックが義務化しますね。専門医の指導を受けながら、従業員の心身の健康を保ちながら就労できる環境をつくっていきます。


ストレスとどう付き合っていくのか?という部分については、当ブログでも「ビジネスマネジメント検定」の内容に含まれていたため、学習しました。「ストレスとの共存」「こころの病気の初期サイン」。関連する事として、アンガーマネジメントに触れてみます。


これは、話によるとアメリカの介護業界から始まったもののようです。痴呆とかが進んできた方々との生活の中では、私たちの理解しにくい行動や思考があり、ついカッ!となって悲劇に繋がる事などよくよく聞きます。そうした環境下でどのようにアンガー(怒り)をコントロールして介護をしていくか、というような考え方から始まったんです。


これは、介護の現場だけでなく、普段の社会生活の中でも大いに応用できる事ですし、家庭でもそうですね。価値観の違う人と生活をしていく上で、重要なスキルなんだと感じました。


ある実例をお聞きする事ができました。これは、うちの会社の社長の娘さんの話ですが、介護施設で働いている30代の方です。
理不尽な事へ耐える現場

ある、介護施設で働いているのA子さんの、いつもお世話しているおばあちゃんとの出来事。ほぼ毎日身の回りの事をお手伝いしてあげていて、おばあちゃんも相当信頼を寄せている女性がいました。


「嫁と姑みたいだ」と周りからも言われるような「あうんの関係」が出来ていました。ある日、おばあちゃんが広間で休憩をしている時、部屋を片付けようと向かうと、いつもより散らかっていました。


お財布なんかもその辺の棚に開きっぱなしにしてあったのです。いくら施設内といってもそのままにしておくわけにはいけないと思い、お部屋の片付けと、お財布は戸棚にキチンとしまってあげました。


しばらくすると、おばあちゃんの部屋の方が騒がしくなっていました。A子さんがおばあちゃんの部屋に向かうと、聞こえてきました。


「私の財布がない、どこにいったの!孫にお小遣いをあげるの!何処いったの!」


すっかり盗まれたと思っているようで、一番の信頼を置いているA子さんが対応に近づき、戸棚にしまった事を伝えようと声をかけた時、おばあちゃんはギリッと睨み


「あなたが盗んだベっ!早く返しないさいよ!この人が盗んだの!」


そう言い放ったそうです。心情的には怒りとショックで複雑な気持ちから、戸棚にしまってあげたことを説明し、手渡すと「ごめんなさい」を言うのも精一杯でその場を立ち去ってしまったのです。


悔しさのような感情から涙してしまったという事です。


現場ではよくある事なのかもしれませんが、信頼関係が気付かれていると思っても、痴呆症などでその関係も分からなくなる事もあります。このような現場から「アンガーマネジメント」の考えは生まれました。


しかし、「怒り」とは正常な感情です。その「怒り」でも「良い怒り」と「悪い怒り」があるのです。


「良い怒り」とはモチベーションを高める怒り。つまり、スポーツなどの試合で負けた時、「ちくしょう!次こそ負けないぞ!」というような、自らを奮い立たせる怒り。


一方「悪い怒り」とは、うらい・つらみや瞬間的な激高のようなものです。人が不幸になる事を考えるような怒りは良くないものです。激高とは、瞬間的に起こる怒りで、例えば、ドライブをしていて順調に車を走らせていましたが、急に割り込みなどをしてきた時、「なんだよ!コノヤロー」なんて瞬時に口走ったりしていませんか?


このような「怒り」をコントロールする手段として3つの手法をご紹介します。


「怒り」をコントロールする3つの手法

・6秒間待つ

・許容範囲を広げる

・分かれ道をつくる



この3つで「怒り」をコントロールする事ができるとの事です。詳細を解説します。





6秒間待つ


これは、人間の生理的な脳の仕組みとして、瞬間的な怒りは「6秒間」続くのだそうです。それ以降は、徐々に収まっていくということ。だから、この6秒間をどうやり過ごすか?がポイントとなります。


やり過ごす方法として「カウントバック」「グラウンディング」「タイムアウト」の3種類があります。


「カウントバック」とは、怒りを感じた時「100から3ずつ引いた数をこころで唱える」というものです。100・・・97・・・94・・・91・・・というようにすると、すぐに6秒経ってしまう、という魂胆。瞬時に思い出せるかが問題ですが・・・。


「グラウンディング」とは、「関係ないものに気をそらす」という事。例えば、面と向かって話し合っているところで、口論となった場合、フッと肩越しのカレンダーに意識を向け、週末のスケジュールを思い出したりする。とにかく意識をそらす事で、話に戻った時「なんで怒っていたっけ?」となり冷静に話を聞き続けられるというもの。


「タイムアウト」とは、その場を立ち去る事。夫婦喧嘩のとき、往々にしてタイムアウトをしますね。お互いに冷静になるチャンスともいえます。


許容範囲を広げる


これは、怒りの素になるものへの働きともいえます。簡単に言うと、「価値観の違いを認める」というものです。


例えば、「目玉焼きに何をかけて食べますか?」僕は、ソースですが、しょうゆの人もいるでしょう。または、塩、ケチャップ、マヨネーズやタルタルソース・・・そんな会話の中「そのまま食べちゃダメなのかよ!」と怒り出す人は、許容範囲が狭い人、つまり怒りの素をつくりやすい人です。


いろんな人がいて、いろいろな考え方がある事をなるべく理解できるように考えるのです。ジェネレーションギャップなどがいい例だと思います。さらにもう一つ例として、「非常に重要な会議への集合時間」というものです。


あなたはその重要な会議の開催者だとして、参加者へは何分前に集まってきてほしいのか?5分、10分、15分・・・30分という方もいるでしょう。「5分じゃ遅いだろう!」と30分を答えた方、許容範囲が狭いのではないかと思います。


その間にどれだけの仕事が出来たかと考えると、30分前に集まれよ!って怒る人はちょっとね。


もう一つ「中学の女性教師」の例です。今週の水曜日に自分のお子さんの中学の卒業式があります。実は、同じ日に自分の勤める学校の卒業式があります。どちらに出席すべきでしょう?


これは、大人数で意見を聞くと、だいたい半分半分になるのだそうです。もちろん正解はなく、間違いもありません。自分の子供の卒業式より仕事が大事か!!っと怒り出す人は許容範囲が狭いのかもしれません。


価値観というものは、人それぞれです。明らかに「悪」のもの以外は、広く許容できるような寛大さを持つことも「怒り」をコントロールする為には必要なのです。


では、許容範囲を広げる為にはどうすればよいのか?それには2つの手段があります。


「スケールテクニック」というものは、今怒っている自分の「怒り度」を10段階に表してみるのです。例えば、カレーにマヨネーズを入れる子供に対して、怒りを覚えたとき「その怒りは10段階でどの段階か?」を表します。「3・・・か4・・かな?」たいした事ないですね。などと、ムダにカッ!とならないトレーニングです。例としたカレーマヨネーズは実際どうかは別ですが・・・。


もう一つが「グレイクパターン」。これは、行動パターンを変えてみるというもの。往々にして、ビジネスマンは日々の行動パターンが決まっており、朝起きてから帰宅まで、さらには寝るまでの行動が同じかと思います。これだと、視野も狭くなり、新しい事などへの拒否反応が起こりやすくなります。


朝散歩をされる方は、たまには、ちょっと道を変えてみるとかすると新しい発見もあるものです。あのおばあちゃんも散歩しているのか、この道は車が通らず安全だな、など新鮮な気持ちにもなります。経験できるうちは、いろいろと自分で感じることが大切なのは、こうした許容範囲を広げる事にも繋がります。


分かれ道をつくる


これは、コントロールできる事なのか、コントロールできない事かを分類分けをし、「怒り」を振り分けてしまうこと。要するに整理・整頓であり、要る、要らないを判断し、要らないものを捨てる、考えないようにするという事。


コントロールできる事としては、過去(反省)、今(現在)、将来(計画・夢)など自責。逆にコントロールできない事として、過去(後悔)、未来(心配)など他責な事です。


過去について反省をする事はよいのですが、後悔ばかりしても何も変わりません。そのような感情は捨ててしまうのです。また、将来のことを心配することも意味がなく、計画を立てて、それに向かって今を過ごすようにする事が大切なはずです。そのように徹底的に、こころに「不」を取り込まないようにしていく事で、自らに「不満」や「不足」「不幸」など生み出さなければ、ちょっとした事で「怒り」が爆発せず、消化し相手の怒りも静められるようになります。





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