新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2017年06月19日
「感染症」に関するリスクの把握と対策
業務に関係なく、災害や事故などによるリスクのマネジメントについて理解を深めていきましょう。
職場で新型インフルエンザが発生!
新型インフルエンザの定義としては「新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザ」とされています。新型インフルエンザは、その免疫を持っている人がほとんどいない為、簡単にかつ急速に人から人へ爆発的感染拡大(パンデミック)を引き起こす危険性があります。記憶にも新しいと思いますが、エボラ出血熱についても感染拡大が発生しています。
では、パンデミックにより社会への影響が懸念されることは・・・。
また、企業活動に関しては、パンデミック時に次のようなリスクが想定されます。
インフルエンザウイルスは、人から人への感染力が強く、組織内に感染者が一人でもいれば、免疫を持たない人に瞬く間に感染が拡大する為、早急な対応が求められます。従業員やその家族に新型インフルエンザの感染が認められた場合の組織として取るべき対応策を予め定めておき、すべての役員及び従業員に周知徹底させておくことが大切です。
マネジャーは、部下が新型インフルエンザに感染した場合、その人を別室に移動させる必要があります。基本的に医師からの診断があった時点で、その部下は会社へ連絡をしておくべきです。しかし、業務中に症状が出できた場合、他の従業員や顧客への二次感染防止の為に、他者との接触を防がなければならず、保健所などに発症した日付と現在の症状を連絡し、患者の搬送先や搬送方法についての指示をうけます。
また、部下が頭痛などの症状を訴えていたとしても、自分が医師から処方箋に基づいて処方された薬などを与えることは違法行為です。
従業員が新型インフルエンザに感染した場合、組織は法律上、そのものの就業を禁止しなければなりません(労働安全衛生法68条、労働安全衛生規則61条)。なお、発生している新型インフルエンザが、労働安全衛生法による就業禁止措置の対象となるかについては、その時の厚労省が出している情報に基づく必要があります。
新型インフルエンザに感染した従業員を医師の指導などに基づき休業させる場合は、一般的に、会社指示による休業、すなわち「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たらないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。
部下が、発熱、頭痛、関節痛など、新型インフルエンザ感染に似た症状を訴えており、その状態から感染の疑われる時は、その対応を保健所に連絡を取り対応の指示を確認しなければなりません。これは、保健所の指示によらずに勝手な判断に基づき医療機関で受診する事による二次感染の発生を防止するためです。
なお、新型インフルエンザの感染が疑われる段階で、部下が仕事を休む場合も、通常の病欠と同様に、組織に賃金の支払い義務は生じません。
部下が同居している家族に新型インフルエンザの発症が確認された時は、その部下自身または、組織が保健所に連絡して指示を受けます。
濃厚接触の可能性が高いと判断され、保健所から外出の自粛を指示された場合は、その部下を出社させる事はできません。自宅待機等の期間が経過した後も発症しなかった場合、保健所の意見を踏まえ、出社の可否を検討します。
インフルエンザを発症した部下が使用した机や触れた場所、滞在した場所の周辺については、消毒剤を用いてふき取り清掃が必要です。そのほか周囲への接触感染防止の観点から、特に人が多く触れる場所(机やドアノブ、スイッチ、手すり、トイレのレバーや便座など)のふき取り清掃を念入りに行なう必要があります。
感染者が発生した場合、その後の職場における感染防止策として次のような事例があります。
感染症の特徴をとらえることで、職種・職場によって感染拡大の防止策は様々考えられます。自社の活動にあった防止策は、予め策定されている事が望まれます。
インフルエンザ発症の収束後であっても、インフルエンザウイルスは常に変異を繰り返しており、収束したインフルエンザとは異なる型のインフルエンザがパンデミックを引き起こす例は過去にもあります。
そうした危険性に備え、感染予防策に万全を期するほか、新型インフルエンザが発症する事により部下が休まざるを得なくなった場合の事を考えておく必要があります。残ったもので業務を継続できる体制を整えることと、不要不急の事業については、縮小・休止などの判断により、感染拡大防止などを図ることが望ましいとされます。
新型インフルエンザ発生時においては、複数の部下が出社できない状況が想定されます。さらに、物品の輸出入が制約されることで、原材料や物資の不足という事態も考えられます。
感染拡大の初期段階(国内発生早期)においては、新型インフルエンザの患者者が発生した場合、その濃厚接触者(主に、患者の同居者や直接面接触者が該当)は、最大で10日間の自宅待機を要請される場合があります。また、感染拡大の第二段階以降においては、感染の疑いがあるものについては、保健所による外出自粛要請がなされる可能性があります。このため、新型インフルエンザが発生した際には、複数名の部下が一定の期間出社不能になります。事業継続に必要な資源としての「人」の確保が困難になる事が想定されます。
このような非常事態下において、業務の継続に必要な人員を確保するためには、平時から準備・訓練をしておくことが重要です。そのための具体策として、事例をあげると、在宅勤務の採用、複数班による交替勤務、クロストレーニング、意思決定者が感染した場合に備えた代行者の指名などがあります。
「在宅勤務」
部下が自宅で業務を行う在宅勤務は、他の部下との接触が少ない為、組織内での感染拡大を防止できます。
この場合、機密情報が漏洩しないような十分なセキュリティ対策を講じる必要があります。また、労務管理上は、労働時間の把握と人事考課をどのように運用するかも問題となります。在宅勤務の採用をする前に、事前に規定を整備しておく必要があります。
平時に在宅勤務を試行しておく事により、システムの稼動状態、通信トラブルや機器操作上の問題点などが見えてきます。リスク発生時に在宅勤務体制へスムーズに移行する事ができます。
「複数班による交替勤務」
部下を複数の班に分け、拡販を一定期間ごとに勤務班と自宅待機班で交替勤務を行う事により、従業員の大量感染を回避する目的となります。
少数の部下の場合は、個人への負荷が大きくなりすぎる部分も配慮して考えなければなりません。
「クロストレーニング」
一人の従業員が複数の重要業務を遂行できるように日頃から訓練しておく事です。万が一、重要業務の遂行を担当する部下が新型インフルエンザに感染した場合でも、代替要因として、その重要業務を遂行できます。
「意思決定者が感染した場合に備えた代行者の指名」
マネジャーは、自らが新型インフルエンザに感染し、就労が不能となった場合を想定し、自分の変わりにチームとしての意思決定を行う事ができるものを選定し、普段から訓練・コミュニケーションを行なっておくことが大切です。
職場で新型インフルエンザが発生!
新型インフルエンザの定義としては「新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザ」とされています。新型インフルエンザは、その免疫を持っている人がほとんどいない為、簡単にかつ急速に人から人へ爆発的感染拡大(パンデミック)を引き起こす危険性があります。記憶にも新しいと思いますが、エボラ出血熱についても感染拡大が発生しています。
では、パンデミックにより社会への影響が懸念されることは・・・。
◆膨大な数の患者に医療機関が対応しきれなくなる(医療サービス供給停止)
◆生活や社会機能(ライフライン)の維持に必要な人材確保の困難
◆社会不安による精神的苦痛、治安悪化
など
◆生活や社会機能(ライフライン)の維持に必要な人材確保の困難
◆社会不安による精神的苦痛、治安悪化
など
また、企業活動に関しては、パンデミック時に次のようなリスクが想定されます。
◆取引先との契約に基づく業務の遂行不能による損害賠償責任
◆自社業務の継続により取引先や顧客への新型インフルエンザ感染
◆パンデミック時においての業務遂行による従業員が新型インフルエンザに感染
◆医療品医療機器等法違反(自分が処方された鎮痛薬などの譲渡)
など
◆自社業務の継続により取引先や顧客への新型インフルエンザ感染
◆パンデミック時においての業務遂行による従業員が新型インフルエンザに感染
◆医療品医療機器等法違反(自分が処方された鎮痛薬などの譲渡)
など
インフルエンザウイルスは、人から人への感染力が強く、組織内に感染者が一人でもいれば、免疫を持たない人に瞬く間に感染が拡大する為、早急な対応が求められます。従業員やその家族に新型インフルエンザの感染が認められた場合の組織として取るべき対応策を予め定めておき、すべての役員及び従業員に周知徹底させておくことが大切です。
インフルエンザを発症した従業員の休業について
マネジャーは、部下が新型インフルエンザに感染した場合、その人を別室に移動させる必要があります。基本的に医師からの診断があった時点で、その部下は会社へ連絡をしておくべきです。しかし、業務中に症状が出できた場合、他の従業員や顧客への二次感染防止の為に、他者との接触を防がなければならず、保健所などに発症した日付と現在の症状を連絡し、患者の搬送先や搬送方法についての指示をうけます。
また、部下が頭痛などの症状を訴えていたとしても、自分が医師から処方箋に基づいて処方された薬などを与えることは違法行為です。
従業員が新型インフルエンザに感染した場合、組織は法律上、そのものの就業を禁止しなければなりません(労働安全衛生法68条、労働安全衛生規則61条)。なお、発生している新型インフルエンザが、労働安全衛生法による就業禁止措置の対象となるかについては、その時の厚労省が出している情報に基づく必要があります。
新型インフルエンザに感染した従業員を医師の指導などに基づき休業させる場合は、一般的に、会社指示による休業、すなわち「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たらないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。
感染が疑わしい部下がいる場合・・・
部下が、発熱、頭痛、関節痛など、新型インフルエンザ感染に似た症状を訴えており、その状態から感染の疑われる時は、その対応を保健所に連絡を取り対応の指示を確認しなければなりません。これは、保健所の指示によらずに勝手な判断に基づき医療機関で受診する事による二次感染の発生を防止するためです。
なお、新型インフルエンザの感染が疑われる段階で、部下が仕事を休む場合も、通常の病欠と同様に、組織に賃金の支払い義務は生じません。
同居の家族が新型インフルエンザに感染した部下がいる場合・・・
部下が同居している家族に新型インフルエンザの発症が確認された時は、その部下自身または、組織が保健所に連絡して指示を受けます。
濃厚接触の可能性が高いと判断され、保健所から外出の自粛を指示された場合は、その部下を出社させる事はできません。自宅待機等の期間が経過した後も発症しなかった場合、保健所の意見を踏まえ、出社の可否を検討します。
二次感染を防止するために
インフルエンザを発症した部下が使用した机や触れた場所、滞在した場所の周辺については、消毒剤を用いてふき取り清掃が必要です。そのほか周囲への接触感染防止の観点から、特に人が多く触れる場所(机やドアノブ、スイッチ、手すり、トイレのレバーや便座など)のふき取り清掃を念入りに行なう必要があります。
感染防止策の事例
感染者が発生した場合、その後の職場における感染防止策として次のような事例があります。
◆来訪者による職場への入場制限
◆通勤ラッシュ時の混雑回避の時差出勤や自家用車・自転車による出勤推進
◆出勤時の対応測定
◆勤務スペースのレイアウト変更(対人距離2メートル以上の確保・・)
◆在宅勤務 など
◆通勤ラッシュ時の混雑回避の時差出勤や自家用車・自転車による出勤推進
◆出勤時の対応測定
◆勤務スペースのレイアウト変更(対人距離2メートル以上の確保・・)
◆在宅勤務 など
感染症の特徴をとらえることで、職種・職場によって感染拡大の防止策は様々考えられます。自社の活動にあった防止策は、予め策定されている事が望まれます。
職場内でのインフルエンザ発症の収束後・・・
インフルエンザ発症の収束後であっても、インフルエンザウイルスは常に変異を繰り返しており、収束したインフルエンザとは異なる型のインフルエンザがパンデミックを引き起こす例は過去にもあります。
そうした危険性に備え、感染予防策に万全を期するほか、新型インフルエンザが発症する事により部下が休まざるを得なくなった場合の事を考えておく必要があります。残ったもので業務を継続できる体制を整えることと、不要不急の事業については、縮小・休止などの判断により、感染拡大防止などを図ることが望ましいとされます。
一般的にパンデミックが想定される感染症への判断基準は、損得であってはならず善悪での判断で行い、また、保健所への相談をする事が大切です。
業務の継続に必要な人材の確保
新型インフルエンザ発生時においては、複数の部下が出社できない状況が想定されます。さらに、物品の輸出入が制約されることで、原材料や物資の不足という事態も考えられます。
感染拡大の初期段階(国内発生早期)においては、新型インフルエンザの患者者が発生した場合、その濃厚接触者(主に、患者の同居者や直接面接触者が該当)は、最大で10日間の自宅待機を要請される場合があります。また、感染拡大の第二段階以降においては、感染の疑いがあるものについては、保健所による外出自粛要請がなされる可能性があります。このため、新型インフルエンザが発生した際には、複数名の部下が一定の期間出社不能になります。事業継続に必要な資源としての「人」の確保が困難になる事が想定されます。
このような非常事態下において、業務の継続に必要な人員を確保するためには、平時から準備・訓練をしておくことが重要です。そのための具体策として、事例をあげると、在宅勤務の採用、複数班による交替勤務、クロストレーニング、意思決定者が感染した場合に備えた代行者の指名などがあります。
「在宅勤務」
部下が自宅で業務を行う在宅勤務は、他の部下との接触が少ない為、組織内での感染拡大を防止できます。
この場合、機密情報が漏洩しないような十分なセキュリティ対策を講じる必要があります。また、労務管理上は、労働時間の把握と人事考課をどのように運用するかも問題となります。在宅勤務の採用をする前に、事前に規定を整備しておく必要があります。
平時に在宅勤務を試行しておく事により、システムの稼動状態、通信トラブルや機器操作上の問題点などが見えてきます。リスク発生時に在宅勤務体制へスムーズに移行する事ができます。
「複数班による交替勤務」
部下を複数の班に分け、拡販を一定期間ごとに勤務班と自宅待機班で交替勤務を行う事により、従業員の大量感染を回避する目的となります。
少数の部下の場合は、個人への負荷が大きくなりすぎる部分も配慮して考えなければなりません。
「クロストレーニング」
一人の従業員が複数の重要業務を遂行できるように日頃から訓練しておく事です。万が一、重要業務の遂行を担当する部下が新型インフルエンザに感染した場合でも、代替要因として、その重要業務を遂行できます。
「意思決定者が感染した場合に備えた代行者の指名」
マネジャーは、自らが新型インフルエンザに感染し、就労が不能となった場合を想定し、自分の変わりにチームとしての意思決定を行う事ができるものを選定し、普段から訓練・コミュニケーションを行なっておくことが大切です。
タグ:感染症
2016年10月13日
ほんのちょっとしたことが・・・ヒューマンエラーの実例
ヒューマンエラーの防止はその業種によって独自の進化をしています。特に、航空機業界、鉄道・バス業界、医療業界など人の命に関わる業種においては、「人は本来エラーをするもの」という前提がありながらも日々分析、予防、改善を続けています。
しかしながら、実際に事故が起きてしまうもので、私たちはその事例から学びを繰り返して進化しなければなりません。
今回、横浜にある国立大学医学部付属病院で発生した、患者を取り違えて施術を執刀してしまう事故を例にとり、小さなエラーの積み重ねであった事を見てみたいと思います。
平成11年1月
主な登場人物
被害者 74歳男性Aさん 心臓の僧帽弁形成術を受ける予定
84歳男性Bさん 肺の嚢胞切除の予定
病棟看護師Cさん
手術室看護師Dさん
AさんがBさんだと思われて執刀されてしまうものです。
手術の当日、病棟看護師CさんはAさん、Bさんをそれぞれのストレッチャーで手術室交換ホールに移送。二人を手術室看護師Dさんへ引き渡ししました。
その際、明確な区別をしておらずDさんの思いちがいが発生していました。
その為、先に手術を受けるAさんに対して
「Bさん、おはようございます。昨日はよく眠れましたか?」
と、声を掛けました。名前を間違って呼んでしまっていました。しかし、
「はい」とAさんは返答をしました。Bさんと呼ばれていたものの、おそらく老齢だった事や、手術の事で頭がいっぱいだった為「はい」と返答してしまったものと思われます。
それでも、手術交換ホールに移送された時点では、それぞれのカルテはストレッチャーのかごに入っていました。しかし、二人を引き渡し、カルテを渡す際は、カルテ受け渡し台で行われ、二人のカルテは台上で一緒になっていました。
麻酔処置の段階。Aさんの歯が手術前の所見より1本少ない事に気付きました。しかし、特に問題視されずに進みます。
一方、Bさんは手術室で身体的特徴や肺動脈圧などの数値が術前所見と異なっていた事なっていた為、病棟に問い合わせをしました。しかし、
「確かにAさんは手術室に降りている」
という返答があり、取り違えに気付く事が出来ませんでした。二人とも降りていた為に。
こうして、それぞれの「ほんのちょっとしたこと」の積み重ねによりミスが気付かれることなく手術に至ってしまったのです。
身近に起きている事故(問題)のほとんどが、のこ患者取り違え事故のように小さな問題行動の連鎖により発生したものです。
小さな改善活動の積み重ねが必要なのです。
しかしながら、実際に事故が起きてしまうもので、私たちはその事例から学びを繰り返して進化しなければなりません。
今回、横浜にある国立大学医学部付属病院で発生した、患者を取り違えて施術を執刀してしまう事故を例にとり、小さなエラーの積み重ねであった事を見てみたいと思います。
平成11年1月
主な登場人物
被害者 74歳男性Aさん 心臓の僧帽弁形成術を受ける予定
84歳男性Bさん 肺の嚢胞切除の予定
病棟看護師Cさん
手術室看護師Dさん
AさんがBさんだと思われて執刀されてしまうものです。
手術の当日、病棟看護師CさんはAさん、Bさんをそれぞれのストレッチャーで手術室交換ホールに移送。二人を手術室看護師Dさんへ引き渡ししました。
その際、明確な区別をしておらずDさんの思いちがいが発生していました。
その為、先に手術を受けるAさんに対して
「Bさん、おはようございます。昨日はよく眠れましたか?」
と、声を掛けました。名前を間違って呼んでしまっていました。しかし、
「はい」とAさんは返答をしました。Bさんと呼ばれていたものの、おそらく老齢だった事や、手術の事で頭がいっぱいだった為「はい」と返答してしまったものと思われます。
それでも、手術交換ホールに移送された時点では、それぞれのカルテはストレッチャーのかごに入っていました。しかし、二人を引き渡し、カルテを渡す際は、カルテ受け渡し台で行われ、二人のカルテは台上で一緒になっていました。
麻酔処置の段階。Aさんの歯が手術前の所見より1本少ない事に気付きました。しかし、特に問題視されずに進みます。
一方、Bさんは手術室で身体的特徴や肺動脈圧などの数値が術前所見と異なっていた事なっていた為、病棟に問い合わせをしました。しかし、
「確かにAさんは手術室に降りている」
という返答があり、取り違えに気付く事が出来ませんでした。二人とも降りていた為に。
こうして、それぞれの「ほんのちょっとしたこと」の積み重ねによりミスが気付かれることなく手術に至ってしまったのです。
身近に起きている事故(問題)のほとんどが、のこ患者取り違え事故のように小さな問題行動の連鎖により発生したものです。
小さな改善活動の積み重ねが必要なのです。