2011年07月27日
保坂和志の本 1
さて、今回は待ってました。純文学作品の紹介です。
某サイト掲示板への私による大量の書き込みにより、
世の中には、純文学系統の小説のみに限って読み、集め、コレクションする新種のオタクの存在が明らかになったわけですが(実際にですね、長距離の電車の中でお洒落したまま、『文學界』とか読んでいたら、顔も知らない女子高生たちがキャーキャー笑っていました)、たかが、あんな書き込みだけに呆れてしまっては勿体ない。
新種のオタクには、新種の倫理や掟があります。
その掟を遵守する為に、今回は21世紀初頭を代表する文豪、保坂和志氏の著書をラインナップします(^^)
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
言わずと知れた1980年代の名作です(^^)
日本のニューアカデミズムはここから再生した! といっても過言ではない。
哲学と信仰と芸術という三つのテーマを主軸にして、80年代の若者たちの奇妙な同居生活が描かれる畢生の名作。
これから現代アートをやりたいという方は、是非、読むようにして下さい。
内容面から言いますと、先の記事に貼っておいたゴダールの『映画史T・U』という講義録の方から先に踏まえておかないと、物語の終盤で示される作者の意図が一体どこから出て来たものなのか、理解しかねる場面に遭遇すると思います。
見方を変えると、読む人を選ぶ本なのかもしれません。
私は仏教徒なんですが、保坂氏の著作は、小説論のみならず、小説もかなり好きなんですね。
特に、生前のドストエフスキイがルーレットの必勝法を考案するのに没頭するのと全く同じように、主人公の友人である競馬マニアがひたすら、競馬の必勝法を編み出そうとしている、この設定は面白いでしょ。
で、何気ない競馬マニアと主人公との対話にも、思想的なニュアンスが意味深に含まれていて、読者の方は思わず、ページを捲るのを止めて、フッと考え込んでしまうような、そういう瞬間があるんですね。
こういうタイプの小説は、日本の純文学の歴史においても、ほとんど存在しなかったのでは? と、思います(^^)
僕は秘かに、このブログのタイトルに掲げている鹿島茂氏と、この保坂和志氏は、村上春樹よりもずっと天才なのではないか? と、思う瞬間があるのですね(^^)
特に、ジャン・ルノワール監督『草の上の昼食』からタイトルをもじった『草の上の朝食』という続篇。
物語の後半から、工藤さんという卑猥な笑みを浮かべる魅惑的な女性が登場し、主人公が彼女を口説き始めるシーンから、その工藤さんを同居人のいる彼の自宅まで連れて来てしまう場面まで、
ストーリーがないといわれている作家なのに、この辺りのプロットは、どのストーリー小説よりも遥かに面白かったです(^^)
この人はきっと、カトリック的な教養を母胎にした精神的なエリートに違いない、などと天を仰ぐようにして、感心してしまったのを思い出します(^ー^)v
同じく、1980年代から現在に至る文学シーンを疾駆する保坂氏の『季節の記憶』もどうぞ!
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
某サイト掲示板への私による大量の書き込みにより、
世の中には、純文学系統の小説のみに限って読み、集め、コレクションする新種のオタクの存在が明らかになったわけですが(実際にですね、長距離の電車の中でお洒落したまま、『文學界』とか読んでいたら、顔も知らない女子高生たちがキャーキャー笑っていました)、たかが、あんな書き込みだけに呆れてしまっては勿体ない。
新種のオタクには、新種の倫理や掟があります。
その掟を遵守する為に、今回は21世紀初頭を代表する文豪、保坂和志氏の著書をラインナップします(^^)
新品価格 |
新品価格 |
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
言わずと知れた1980年代の名作です(^^)
日本のニューアカデミズムはここから再生した! といっても過言ではない。
哲学と信仰と芸術という三つのテーマを主軸にして、80年代の若者たちの奇妙な同居生活が描かれる畢生の名作。
これから現代アートをやりたいという方は、是非、読むようにして下さい。
内容面から言いますと、先の記事に貼っておいたゴダールの『映画史T・U』という講義録の方から先に踏まえておかないと、物語の終盤で示される作者の意図が一体どこから出て来たものなのか、理解しかねる場面に遭遇すると思います。
見方を変えると、読む人を選ぶ本なのかもしれません。
私は仏教徒なんですが、保坂氏の著作は、小説論のみならず、小説もかなり好きなんですね。
特に、生前のドストエフスキイがルーレットの必勝法を考案するのに没頭するのと全く同じように、主人公の友人である競馬マニアがひたすら、競馬の必勝法を編み出そうとしている、この設定は面白いでしょ。
で、何気ない競馬マニアと主人公との対話にも、思想的なニュアンスが意味深に含まれていて、読者の方は思わず、ページを捲るのを止めて、フッと考え込んでしまうような、そういう瞬間があるんですね。
こういうタイプの小説は、日本の純文学の歴史においても、ほとんど存在しなかったのでは? と、思います(^^)
僕は秘かに、このブログのタイトルに掲げている鹿島茂氏と、この保坂和志氏は、村上春樹よりもずっと天才なのではないか? と、思う瞬間があるのですね(^^)
特に、ジャン・ルノワール監督『草の上の昼食』からタイトルをもじった『草の上の朝食』という続篇。
物語の後半から、工藤さんという卑猥な笑みを浮かべる魅惑的な女性が登場し、主人公が彼女を口説き始めるシーンから、その工藤さんを同居人のいる彼の自宅まで連れて来てしまう場面まで、
ストーリーがないといわれている作家なのに、この辺りのプロットは、どのストーリー小説よりも遥かに面白かったです(^^)
この人はきっと、カトリック的な教養を母胎にした精神的なエリートに違いない、などと天を仰ぐようにして、感心してしまったのを思い出します(^ー^)v
同じく、1980年代から現在に至る文学シーンを疾駆する保坂氏の『季節の記憶』もどうぞ!
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
新品価格 |