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2018年02月16日
【ルームチューニング】家や部屋をオーディオ用に整えることを考える(その2)
記事一覧TOP > その他記事リスト > 【ルームチューニング】家や部屋をオーディオ用に整えることを考える(その2)
前回までは、管理人の考える家や部屋をオーディオ用に整える考え方について記載してきました。
家や部屋だけでなく、吸音や防音などの対策は程度の差もあり、一概に言いにくいのですが、まとめてみたわけです。
そのため、実際に実行する場合は、出来るだけ専門家と相談することをおすすめします。
オーディオの世界と同じで、そのハウスメーカーやリフォーム業者などとのお話しは敷居が高いかもしれませんが、お話しをしてみることが一番です。
人によって、また家によって、状況は全く違うわけですから。
さて、今回は管理人が具体的にどういうことを考えてどういうことをしてきたのか、お話ししたいと思います。
失敗談のほうが多いのですが、良かったこともそこそこあります。
全く参考にならないかもしれませんが、そこはご容赦下さい。
簡単ですが管理人が良かったと思える部屋のルームチューニングをいくつかご紹介したいと思います。
なお、管理人は、リフォームで部屋の構造を変えました。
部屋に手を入れられない方の参考にはならないと思います。
手を入れられないケースはまた別途記事にしたいと思います。
まず対策を大きく2つに分けます。
本当は3つめのデッドな部屋での対策が必要ですが、ここでは割愛します。
管理人がどうすれば良いかよく分かっていないためです。
(響きのある洋室にするしかないと短絡的に考えてしまいます・・・。)
ここでは完全防音の手法ではありません。
音をある程度遮音するというレベル感です。
なお、結果として、自宅の下のお宅と両隣のお宅に確認を取りましたが、視聴するボリュームでの音漏れはないところまでは持って行けたようです。
音を出しながら、確認をする協力をしてもらいました。
またどのお宅も犬を飼っていて、お互い様だと言ってくれたこともある気がします。
元々、遮音性能がよいマンションだったこともあります。
さて、話を戻しますが、既存の石膏ボードを全て剥がし、構造壁(コンクリート)に木材の梁をあてがい鉛のシートやダイケン社の遮音シートなどいくつかの防音系の材料で隣のお宅と接する部分を覆いました。
床と天井も同様です。
基本的には、ダイケン社の建築音響製品を使っています。
ダイケンの建築音響製品についてはこちら
ここに隙間や未施工部分があると良くないようです。
鉛のシートの厚みは忘れましたが、0.3mmとか0.2mmとかだった気がします。
なお、この厚みですと、簡易的な防音効果というレベルです。
家の中(自身の世帯内)の部屋(オーディオルーム)と部屋(隣接する洋室)の間には構造壁がない場所もあります。
そもそも開口部の多い間取りで部屋と部屋は壁がなく繋がっています。
結果的にこれが平行面が少なく音には良い状態になっています。
いっぽうで、音を出している時は、家の中はオーディオルーム以外もかなりうるさいです。
家族がいる時は、一緒に視聴しない限り、NGとなります。
一方で、家全体に音が行く関係で、減衰効果もあります。
防音の世界は難しいです。
ダイケン社の吸音ウールを梁の間に詰めていきます。
それをダイケン社の有孔ボードでふたをするイメージです。
有孔ボードの穴から音が吸音層に通過していく形です。
有孔ボードの反対側は、厚手の防音壁合板を貼っています。
さらに外側には、ダイケン社の遮音パネルと防音パネルなどをそれぞれ貼っていきます。
細かい施工方法は不明です。
このセットを3重にしました。
厚みははっきり覚えていませんが、全体の厚み(ふかしと呼んでいたと思います)は確か400mm〜600mmくらいだったと思います。
以前の壁に比べてどの程度、部屋に飛び出してきたか覚えていませんが、確実に部屋は狭くなります。
そこは我慢しました。
使っているうちに慣れるしかありませんが、現在では慣れました。
表面は当然、壁紙で仕上げています。
壁紙は、吸音と見た目を考えて、布も使った輸入壁紙を選びました。
・・・輸入壁紙って、結構なお値段です。
生地もオーディオに良いもの、良くないものなどのお話しがありますが、管理人は見た目を重視しました。
シルクが良いとかいやいや音を通過させやすいサランネットのようなものが良い、など様々な意見があります。
そしてプロの仕事なので、壁紙の仕上げは有孔ボードの穴などがあるようには全く見えません。
大型TVとかを壁掛けする予定でお願いしましたので、壁掛け予定の場所を中心に将来性も考えて広い面積を強化壁にしてもらっています。
強化部分は確か100kg程度のものでしたら、余裕で耐えられるというお話しでした。
このように良くある石膏ボードの壁から吸音層のある壁に変更したわけです。
管理人のように3重とかにせず、もっと簡単にできますので、そこは各自でアレンジしてください。
これまでは壁の構造に対する施工でした。
そして床ですが、ちょっと苦労しました。
まず30畳分の床下暖房があったのですが、それを取り外し、床下のスラブ壁の上は浮き床にしました。
基本的にはコンクリートは流し込まず(マンションなので当然NG)、壁と同じような構造がベースで他には防振材やクッションなどを2重で使っています。
そこに床下暖房を再び施工(買い直し)し、フローリングの防振床を表面に仕上げました。
フローリングの防振床とは、フローリングの底にクッション材があり、床がフワフワになる作りのものです。
オーディオ機材やスピーカーが乗る部分を考慮して、フローリングを向かって左右に敷いたため、アイソレート構造にしています。
スピーカー下のフローリングは支持脚で強化してフワフワにならないようにしていますし、他のフローリングと分かれていて(隙間が空いていて)、共振を避ける構造です。
最終的には床もかなりの面積をはがすことになり、床下暖房を新たに入れましたので、結構大がかりでした。
オーディオルームだけではなく、隣接する部屋や廊下まで全部の床をはがすことになりました・・・。
家全体がバリアフリーで床が全て繋がっていたためです。
天井ですが、配管などの関係で空間が結構空いているため、太鼓現象とブーミングが生じていました。
壁や床はグラスウールなどで隙間をなくしたので良いのですが、天井は隙間を埋めるのは困難です。
元々、天井裏は点検をしたり配管をしたりするので、空間を空けるものです。
管理人の部屋の構造上の一番の問題はこの太鼓現象とブーミングでした。
そこで、ニードルフェルトを使い、天井裏に敷き詰めてもらいました。
かなり吸音効果があり、太鼓現象が感じにくくなり、重みで天井の共振も減りました。
ここからは、部屋の表面(壁や天井など)の見える部分での調整になります。
いずれにしても部屋に手を入れるため、今回も限られた人だけのお話しになります。
チューニンググッズなどのオーディオ・アクセサリーに相当するものは、また別途レビューしたいと思います。
定在波はその道の詳しい人がたくさんいますので、ここでは割愛します。
諸説あるようですが、主に低域に作用しているものを定在波と呼ぶようです。
中高域に作用してるものをフラッターエコーと呼ぶケースが多いようです。
管理人は詳しくはないので、ネットで調べてみて下さい。
この対策は、部屋の構造対策とほぼイコールです。
機材やスピーカーのセッティングなどでも対応出来ますが、まずは部屋からです。
部屋によって定在波が生じるポイントは計算で割り出すことが可能です。
ネットにたくさんありますので、探してみて下さい。
波長の腹と節の部分を割り出し、節の部分の壁や天井に対策をするわけです。
なお、腹の部分は、音が小さくなり、節の部分は音が大きくなるようです。
それから、定在波の一種だと思いますが、部屋のコーナー部分も音が増強されやすいです。
「音だまり」とか言われたりします。
ここは低音がだぶつき、低音が大きくなり、他の音域をマスクしてぼんやりした音に聴こえてしまうくらい強い音になったりします。
このコーナー部分の壁素材がコンクリートなどで硬いと高域も強調されます。
管理人の以前の家は、天井のコーナーはコンクリートで、窓の外の音がよく反射していました。
雨の日に窓を開けていると、雨音が背面の部屋の天井コーナーからやたらと生々しく聴こえて気持ち悪かったです。
ピチョンという雨音が、窓の外からではなく、向かいの壁のコーナー(天井側)から結構リアルに聴こえるのです。
窓の外からの直接音よりも、その天井コーナーからの音の方が大きいくらいなのです。
そしてその部屋は色々と家具を置いていたにも関わらずです。
もうその部屋には住んでいませんが、後から考えるとその部屋は、オーディオの音が一番悪かった部屋でした。
天井コーナーには、吸音パネル(表面が凸凹のスタジオなどによくあるタイプのもの)などを貼っていましたが、その部屋では効果なしでした。
ちなみに、オーディオの直接音の方をよく吸ってしまっていました・・・。
話をもとに戻しますが、現在の家のオーディオルームでは開口部以外の壁全体に吸音層を作ったことでかなり解消されました。
定在波を全てなくすことは難しいようですが、施工後は気になったことはあまりありません。
実際は、施工前もあまり気になってはいませんでしたが・・・。
当然、コーナーにも吸音層や有孔ボードがあります。
天井は、あまり重く出来なかったので、壁ほど吸音が出来ていません。
天井を全面、ダイケン社のオトテンというものにしたかったのですが、床が大掛かりになりすぎて、ちょっと予算オーバーしていたため、断念しました・・・。
そこで、定在波が発生するポイントに拡散材を打ち付けています。
これは拡散させるため、天井の表面にピンネイルで打ち付けてもらっています。
拡散材と言っても専用のものではなく、インテリアの飾り材です。
一般的には、モールディングと呼ばれる飾りが施されたものです。
【モールディング参考】
これをスピーカーのある壁に向かって、並行に付けていきます。
間隔は、定在波が発生する位置が何か所かあると思いますので、そこに付けたら、出来ればその間にも付けていきます。
これで多少定在波の発生位置がずれても対応出来るかと思っています。
なお、安上がりにするにはホームセンターなどで木材を買ってきて釘などで打ち付ける方法もありますが、塗装の手間や見た目、施工の丈夫さなどを考えると、プロに任せたほうが無難です。
また木材だけですと、表面は平らなので反射しやすいため、幅の違う木材を重ねて段差を付けても良いとは思います。
ちなみに管理人の天井は、梁が出ていたり、下り天井になっていたり、隣の部屋と壁がなく繋がっているためコーナーがほとんどなく、元々定在波はあまり感じられません。
いや、厳密にはそういうものは定在波は音波波形の問題なので、天井の形状は関係ないのだと思いますが・・・。
スピーカーもフロント2ch以外は、スピーカーをコーナーには置いてませんので、あまり気にならない環境です。
とりあえず対策はしましたので、結局気になることはありませんでした。
対策が効いたのか、どうなのか判り難いです。
定在波の一種で中高域に作用する不要な響きを指すようです。
ただ、定在波とは言え、発生する場所は計算では求められないと思います。
また並行面がある部屋では必ず発生するようです。
一番判りやすいのは、物が出来るだけない部屋で、一丁締め(一回の拍手)をしてみると、ビーンとこだまのように鳴ったりします。
これがフラッターエコーです。
並行面で音が行ったり来たりするためです。
日光東照宮にある「鳴き竜」もこのフラッターエコーであることは有名ですね。
あとは引っ越してきたばかりの部屋で会話をすると、やたらと声が響くのも、このフラッターエコーです。
なお、現在のオーディオルームでは、四方の壁は全て違う素材で出来ているので、偶然ですが、ほぼフラッターエコーは気になりません。
また並行面がほとんどないことも好条件でした。
引越してきて物がなにも置いていない状態で、念のため、拍手をしてみましたが、響くことはありませんでした。
必ず並行面にはフラッターエコーは発生するとネットにいっぱい書いてあったので、家族が変な顔をするまで5分くらい手を叩いていました。
当時幼稚園児だったこどもも面白がって、一緒に叩いていました。
うーん、理論と現実は違うものなのか、耳がおかしいのか良く分かりませんが、そういうことです。
実際には、壁は事実上2つしかなく、あとは別の部屋と続いていたりします。
念のため並行面が出来る壁面には、カーテンボックスを用意していて、普段は隠しているのですが、必要があればカーテンが降りてくるようにしています。
カーテンの厚みは、部屋により違いますが、管理人の部屋は基本的にフラッターエコー対策だけで吸音は不要ですので、かなり薄手のものを仕込んでいます。
生地はシルク製で、音への影響を極力排除した形です。
実際、使ったことはありません。
無駄な投資でした。
ただ、部屋のリフォームが完成しないとどういう音になるかわからないため、考えられる対策はしていたわけです。
何もない部屋で響きが少ない場合は、あまり気にしないで良いのかもしれませんね。
ブーミングそのものについては、その道の詳しい人がたくさんいますので、ここでは割愛します。
ブーミングが起こる原因はいくつかありますが、基本的には音によって物が共振して起こります。
そのため、対策の一番は、共振しそうなものを何も部屋に置かないことです。
シンプルイズベストです。
これは調音という観点からも、まずは何も置かないことです。
ただし、膝を抱えて視聴するわけにもいきませんから、椅子やソファーは必要ですね。
出来れば、調音に入る時期だけでも、それ以外のものは何もない方が良いです。
部屋の特性を把握しておいたほうが、後から対策しやすいので。
最初から物がたくさんあると、音が気になった場合、何が原因か特定するのが困難になります。
物を置く場合は、徐々に置いていくと、音の変化が判ります。
手間でも最初は徐々に置いてみて下さい。
悪さをするものがここで判ります。
ちなみに管理人は、ほぼ物を置いていません。
ソフトなどは別の部屋に置いています。
オーディオ機材は、壁の中に専用の棚を作ってもらい、そこに入れています。
それから、日本の多くの家で採用されている壁や天井の石膏ボードが、音によって共振してしまうことでブーミングが生じるケースが多いと思います。
大抵の場合は、低域がブーミーに膨らみ、音像がはっきりしない音になります。
管理人の場合は、音楽などの音で100hz以下の重低域が強いと、壁の石膏ボードが共振して150hz〜200hzの低域を出していました。
ブーンとかいう感じの音です。
他の音よりも大きく鳴るのですぐに判ります。
一応、スマホで無料の周波数測定アプリをダウンロードして測定してみました。
グラフィックイコライザーのように表示されるやつです。
150hz〜200hzの山が、ものすごく飛び出しています。
なお、スマホ本体の関係もあり、ハイカット、ローカットして測定周波数を制限しているケースもありますので、あくまでも大雑把に把握するためとお考え下さい。
厳密に測定するには、やはり専用のものが必要です。
この対策は、前回の記事で取り上げましたが、壁を変えました。
石膏ボードを取り外し、吸音壁を作りました。
これだけでそもそもかなりなくなるのですが、天井の石膏ボードは残っていました。
そこで、対策としては前述の定在波対策と同じになりますが、石膏ボードの天井にモールディングを打ち付けるというものです。
モールディングの形状や模様で拡散効果もありますが、石膏ボードの共振を抑える役目も出来ますので、これで大幅にブーミングが減ります。
業者と打ち合わせをして天井裏の石膏ボードには、防振テープ(鉛のシート)を適宜貼ってもらいました。
シール状になっているもので、家電量販店のオーディオコーナーには大体売っていると思います。
ただし、あまり重くすると石膏ボードが壊れるかもしれないので、あまり施工出来ていませんがかなりブーミングはなくなったと思います。
それでも音量を上げると、ちょっと気になりますが・・・。
石を貼りつけたりするような記述がネットにありますが、管理人は見栄えや固定方法が今一つわからなかったので、モールディングと防振シートで対応しました。
他にも共振対策グッズはたくさんありますので、ここは1つのアイデアだと考えて下さい。
ちなみにブーミングがなくなる(少なくなる)と、音がすっきり晴れやかになります。
まさに霧が晴れたというべき音になります。
今までは、車のエンジン音が聞こえている中で音を聴いていたような感覚すらあるほどです。
音像がクッキリしてきて、低音が適正に鳴るので締まって聞こえます。
低音がなくなりすぎる心配は無用です。
これが本来の低音です。
低音が必要な場合は、壁面反射を利用して、スピーカーを壁面に近づけるセッティングで追い込めば良いかと思います。
ブーミングの低音は、壁などが鳴っているので、本来の音ではありません。
防音上も良くないです。
外向きにも振動しているわけですから、音は出ていっているはずです。
次回は、オーディオ関連設備を整えることについて考えてみたいと思います。
設備と言っても電源とかアースとかですが・・・。
2016 Sony Corporation, Sony Marketing Inc. All rights reserved.
2015 Sony Corporation, Sony Marketing Inc. All rights reserved.
【ハイレゾ音源を探すなら】
【ハイレゾ音源をレコード会社直営で探すなら】
【eBay:日本発送可能な安い輸入盤を探すなら】
【セカイモン:eBayの日本語仲介サイト】
【JBL公式通販サイト】
【プリメインアンプ】
【パワーアンプ】
前回までは、管理人の考える家や部屋をオーディオ用に整える考え方について記載してきました。
家や部屋だけでなく、吸音や防音などの対策は程度の差もあり、一概に言いにくいのですが、まとめてみたわけです。
そのため、実際に実行する場合は、出来るだけ専門家と相談することをおすすめします。
オーディオの世界と同じで、そのハウスメーカーやリフォーム業者などとのお話しは敷居が高いかもしれませんが、お話しをしてみることが一番です。
人によって、また家によって、状況は全く違うわけですから。
さて、今回は管理人が具体的にどういうことを考えてどういうことをしてきたのか、お話ししたいと思います。
失敗談のほうが多いのですが、良かったこともそこそこあります。
全く参考にならないかもしれませんが、そこはご容赦下さい。
ルームチューニング【部屋の構造編】
簡単ですが管理人が良かったと思える部屋のルームチューニングをいくつかご紹介したいと思います。
なお、管理人は、リフォームで部屋の構造を変えました。
部屋に手を入れられない方の参考にはならないと思います。
手を入れられないケースはまた別途記事にしたいと思います。
まず対策を大きく2つに分けます。
本当は3つめのデッドな部屋での対策が必要ですが、ここでは割愛します。
管理人がどうすれば良いかよく分かっていないためです。
(響きのある洋室にするしかないと短絡的に考えてしまいます・・・。)
・防音層を作る
・吸音層を作る
【防音層】
ここでは完全防音の手法ではありません。
音をある程度遮音するというレベル感です。
なお、結果として、自宅の下のお宅と両隣のお宅に確認を取りましたが、視聴するボリュームでの音漏れはないところまでは持って行けたようです。
音を出しながら、確認をする協力をしてもらいました。
またどのお宅も犬を飼っていて、お互い様だと言ってくれたこともある気がします。
元々、遮音性能がよいマンションだったこともあります。
さて、話を戻しますが、既存の石膏ボードを全て剥がし、構造壁(コンクリート)に木材の梁をあてがい鉛のシートやダイケン社の遮音シートなどいくつかの防音系の材料で隣のお宅と接する部分を覆いました。
床と天井も同様です。
基本的には、ダイケン社の建築音響製品を使っています。
ダイケンの建築音響製品についてはこちら
ここに隙間や未施工部分があると良くないようです。
鉛のシートの厚みは忘れましたが、0.3mmとか0.2mmとかだった気がします。
なお、この厚みですと、簡易的な防音効果というレベルです。
家の中(自身の世帯内)の部屋(オーディオルーム)と部屋(隣接する洋室)の間には構造壁がない場所もあります。
そもそも開口部の多い間取りで部屋と部屋は壁がなく繋がっています。
結果的にこれが平行面が少なく音には良い状態になっています。
いっぽうで、音を出している時は、家の中はオーディオルーム以外もかなりうるさいです。
家族がいる時は、一緒に視聴しない限り、NGとなります。
一方で、家全体に音が行く関係で、減衰効果もあります。
防音の世界は難しいです。
【吸音層】
ダイケン社の吸音ウールを梁の間に詰めていきます。
それをダイケン社の有孔ボードでふたをするイメージです。
有孔ボードの穴から音が吸音層に通過していく形です。
有孔ボードの反対側は、厚手の防音壁合板を貼っています。
さらに外側には、ダイケン社の遮音パネルと防音パネルなどをそれぞれ貼っていきます。
細かい施工方法は不明です。
このセットを3重にしました。
厚みははっきり覚えていませんが、全体の厚み(ふかしと呼んでいたと思います)は確か400mm〜600mmくらいだったと思います。
以前の壁に比べてどの程度、部屋に飛び出してきたか覚えていませんが、確実に部屋は狭くなります。
そこは我慢しました。
使っているうちに慣れるしかありませんが、現在では慣れました。
表面は当然、壁紙で仕上げています。
壁紙は、吸音と見た目を考えて、布も使った輸入壁紙を選びました。
・・・輸入壁紙って、結構なお値段です。
生地もオーディオに良いもの、良くないものなどのお話しがありますが、管理人は見た目を重視しました。
シルクが良いとかいやいや音を通過させやすいサランネットのようなものが良い、など様々な意見があります。
そしてプロの仕事なので、壁紙の仕上げは有孔ボードの穴などがあるようには全く見えません。
大型TVとかを壁掛けする予定でお願いしましたので、壁掛け予定の場所を中心に将来性も考えて広い面積を強化壁にしてもらっています。
強化部分は確か100kg程度のものでしたら、余裕で耐えられるというお話しでした。
このように良くある石膏ボードの壁から吸音層のある壁に変更したわけです。
管理人のように3重とかにせず、もっと簡単にできますので、そこは各自でアレンジしてください。
これまでは壁の構造に対する施工でした。
【床】
そして床ですが、ちょっと苦労しました。
まず30畳分の床下暖房があったのですが、それを取り外し、床下のスラブ壁の上は浮き床にしました。
基本的にはコンクリートは流し込まず(マンションなので当然NG)、壁と同じような構造がベースで他には防振材やクッションなどを2重で使っています。
そこに床下暖房を再び施工(買い直し)し、フローリングの防振床を表面に仕上げました。
フローリングの防振床とは、フローリングの底にクッション材があり、床がフワフワになる作りのものです。
オーディオ機材やスピーカーが乗る部分を考慮して、フローリングを向かって左右に敷いたため、アイソレート構造にしています。
スピーカー下のフローリングは支持脚で強化してフワフワにならないようにしていますし、他のフローリングと分かれていて(隙間が空いていて)、共振を避ける構造です。
最終的には床もかなりの面積をはがすことになり、床下暖房を新たに入れましたので、結構大がかりでした。
オーディオルームだけではなく、隣接する部屋や廊下まで全部の床をはがすことになりました・・・。
家全体がバリアフリーで床が全て繋がっていたためです。
【天井】
天井ですが、配管などの関係で空間が結構空いているため、太鼓現象とブーミングが生じていました。
壁や床はグラスウールなどで隙間をなくしたので良いのですが、天井は隙間を埋めるのは困難です。
元々、天井裏は点検をしたり配管をしたりするので、空間を空けるものです。
管理人の部屋の構造上の一番の問題はこの太鼓現象とブーミングでした。
そこで、ニードルフェルトを使い、天井裏に敷き詰めてもらいました。
かなり吸音効果があり、太鼓現象が感じにくくなり、重みで天井の共振も減りました。
【N-spec】ニードルフェルト 10m巻き | ||||
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【部屋のチューニング編】
ここからは、部屋の表面(壁や天井など)の見える部分での調整になります。
いずれにしても部屋に手を入れるため、今回も限られた人だけのお話しになります。
チューニンググッズなどのオーディオ・アクセサリーに相当するものは、また別途レビューしたいと思います。
・定在波を減らす
・フラッターエコーを減らす
・ブーミングを減らす
【定在波を減らす】
定在波はその道の詳しい人がたくさんいますので、ここでは割愛します。
諸説あるようですが、主に低域に作用しているものを定在波と呼ぶようです。
中高域に作用してるものをフラッターエコーと呼ぶケースが多いようです。
管理人は詳しくはないので、ネットで調べてみて下さい。
この対策は、部屋の構造対策とほぼイコールです。
機材やスピーカーのセッティングなどでも対応出来ますが、まずは部屋からです。
部屋によって定在波が生じるポイントは計算で割り出すことが可能です。
ネットにたくさんありますので、探してみて下さい。
波長の腹と節の部分を割り出し、節の部分の壁や天井に対策をするわけです。
なお、腹の部分は、音が小さくなり、節の部分は音が大きくなるようです。
それから、定在波の一種だと思いますが、部屋のコーナー部分も音が増強されやすいです。
「音だまり」とか言われたりします。
ここは低音がだぶつき、低音が大きくなり、他の音域をマスクしてぼんやりした音に聴こえてしまうくらい強い音になったりします。
このコーナー部分の壁素材がコンクリートなどで硬いと高域も強調されます。
管理人の以前の家は、天井のコーナーはコンクリートで、窓の外の音がよく反射していました。
雨の日に窓を開けていると、雨音が背面の部屋の天井コーナーからやたらと生々しく聴こえて気持ち悪かったです。
ピチョンという雨音が、窓の外からではなく、向かいの壁のコーナー(天井側)から結構リアルに聴こえるのです。
窓の外からの直接音よりも、その天井コーナーからの音の方が大きいくらいなのです。
そしてその部屋は色々と家具を置いていたにも関わらずです。
もうその部屋には住んでいませんが、後から考えるとその部屋は、オーディオの音が一番悪かった部屋でした。
天井コーナーには、吸音パネル(表面が凸凹のスタジオなどによくあるタイプのもの)などを貼っていましたが、その部屋では効果なしでした。
ちなみに、オーディオの直接音の方をよく吸ってしまっていました・・・。
話をもとに戻しますが、現在の家のオーディオルームでは開口部以外の壁全体に吸音層を作ったことでかなり解消されました。
定在波を全てなくすことは難しいようですが、施工後は気になったことはあまりありません。
実際は、施工前もあまり気になってはいませんでしたが・・・。
当然、コーナーにも吸音層や有孔ボードがあります。
天井は、あまり重く出来なかったので、壁ほど吸音が出来ていません。
天井を全面、ダイケン社のオトテンというものにしたかったのですが、床が大掛かりになりすぎて、ちょっと予算オーバーしていたため、断念しました・・・。
そこで、定在波が発生するポイントに拡散材を打ち付けています。
これは拡散させるため、天井の表面にピンネイルで打ち付けてもらっています。
拡散材と言っても専用のものではなく、インテリアの飾り材です。
一般的には、モールディングと呼ばれる飾りが施されたものです。
【モールディング参考】
【みはし】 モールディング(チェアレール) ゴールデンモールNMG064 (ポリウレタン製) | ||||
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これをスピーカーのある壁に向かって、並行に付けていきます。
間隔は、定在波が発生する位置が何か所かあると思いますので、そこに付けたら、出来ればその間にも付けていきます。
これで多少定在波の発生位置がずれても対応出来るかと思っています。
なお、安上がりにするにはホームセンターなどで木材を買ってきて釘などで打ち付ける方法もありますが、塗装の手間や見た目、施工の丈夫さなどを考えると、プロに任せたほうが無難です。
また木材だけですと、表面は平らなので反射しやすいため、幅の違う木材を重ねて段差を付けても良いとは思います。
ちなみに管理人の天井は、梁が出ていたり、下り天井になっていたり、隣の部屋と壁がなく繋がっているためコーナーがほとんどなく、元々定在波はあまり感じられません。
いや、厳密にはそういうものは定在波は音波波形の問題なので、天井の形状は関係ないのだと思いますが・・・。
スピーカーもフロント2ch以外は、スピーカーをコーナーには置いてませんので、あまり気にならない環境です。
とりあえず対策はしましたので、結局気になることはありませんでした。
対策が効いたのか、どうなのか判り難いです。
【フラッターエコーを減らす】
定在波の一種で中高域に作用する不要な響きを指すようです。
ただ、定在波とは言え、発生する場所は計算では求められないと思います。
また並行面がある部屋では必ず発生するようです。
一番判りやすいのは、物が出来るだけない部屋で、一丁締め(一回の拍手)をしてみると、ビーンとこだまのように鳴ったりします。
これがフラッターエコーです。
並行面で音が行ったり来たりするためです。
日光東照宮にある「鳴き竜」もこのフラッターエコーであることは有名ですね。
あとは引っ越してきたばかりの部屋で会話をすると、やたらと声が響くのも、このフラッターエコーです。
なお、現在のオーディオルームでは、四方の壁は全て違う素材で出来ているので、偶然ですが、ほぼフラッターエコーは気になりません。
また並行面がほとんどないことも好条件でした。
引越してきて物がなにも置いていない状態で、念のため、拍手をしてみましたが、響くことはありませんでした。
必ず並行面にはフラッターエコーは発生するとネットにいっぱい書いてあったので、家族が変な顔をするまで5分くらい手を叩いていました。
当時幼稚園児だったこどもも面白がって、一緒に叩いていました。
うーん、理論と現実は違うものなのか、耳がおかしいのか良く分かりませんが、そういうことです。
実際には、壁は事実上2つしかなく、あとは別の部屋と続いていたりします。
念のため並行面が出来る壁面には、カーテンボックスを用意していて、普段は隠しているのですが、必要があればカーテンが降りてくるようにしています。
カーテンの厚みは、部屋により違いますが、管理人の部屋は基本的にフラッターエコー対策だけで吸音は不要ですので、かなり薄手のものを仕込んでいます。
生地はシルク製で、音への影響を極力排除した形です。
実際、使ったことはありません。
無駄な投資でした。
ただ、部屋のリフォームが完成しないとどういう音になるかわからないため、考えられる対策はしていたわけです。
何もない部屋で響きが少ない場合は、あまり気にしないで良いのかもしれませんね。
【ブーミングを減らす】
ブーミングそのものについては、その道の詳しい人がたくさんいますので、ここでは割愛します。
ブーミングが起こる原因はいくつかありますが、基本的には音によって物が共振して起こります。
そのため、対策の一番は、共振しそうなものを何も部屋に置かないことです。
シンプルイズベストです。
これは調音という観点からも、まずは何も置かないことです。
ただし、膝を抱えて視聴するわけにもいきませんから、椅子やソファーは必要ですね。
出来れば、調音に入る時期だけでも、それ以外のものは何もない方が良いです。
部屋の特性を把握しておいたほうが、後から対策しやすいので。
最初から物がたくさんあると、音が気になった場合、何が原因か特定するのが困難になります。
物を置く場合は、徐々に置いていくと、音の変化が判ります。
手間でも最初は徐々に置いてみて下さい。
悪さをするものがここで判ります。
ちなみに管理人は、ほぼ物を置いていません。
ソフトなどは別の部屋に置いています。
オーディオ機材は、壁の中に専用の棚を作ってもらい、そこに入れています。
それから、日本の多くの家で採用されている壁や天井の石膏ボードが、音によって共振してしまうことでブーミングが生じるケースが多いと思います。
大抵の場合は、低域がブーミーに膨らみ、音像がはっきりしない音になります。
管理人の場合は、音楽などの音で100hz以下の重低域が強いと、壁の石膏ボードが共振して150hz〜200hzの低域を出していました。
ブーンとかいう感じの音です。
他の音よりも大きく鳴るのですぐに判ります。
一応、スマホで無料の周波数測定アプリをダウンロードして測定してみました。
グラフィックイコライザーのように表示されるやつです。
150hz〜200hzの山が、ものすごく飛び出しています。
なお、スマホ本体の関係もあり、ハイカット、ローカットして測定周波数を制限しているケースもありますので、あくまでも大雑把に把握するためとお考え下さい。
厳密に測定するには、やはり専用のものが必要です。
この対策は、前回の記事で取り上げましたが、壁を変えました。
石膏ボードを取り外し、吸音壁を作りました。
これだけでそもそもかなりなくなるのですが、天井の石膏ボードは残っていました。
そこで、対策としては前述の定在波対策と同じになりますが、石膏ボードの天井にモールディングを打ち付けるというものです。
モールディングの形状や模様で拡散効果もありますが、石膏ボードの共振を抑える役目も出来ますので、これで大幅にブーミングが減ります。
業者と打ち合わせをして天井裏の石膏ボードには、防振テープ(鉛のシート)を適宜貼ってもらいました。
シール状になっているもので、家電量販店のオーディオコーナーには大体売っていると思います。
ただし、あまり重くすると石膏ボードが壊れるかもしれないので、あまり施工出来ていませんがかなりブーミングはなくなったと思います。
それでも音量を上げると、ちょっと気になりますが・・・。
石を貼りつけたりするような記述がネットにありますが、管理人は見栄えや固定方法が今一つわからなかったので、モールディングと防振シートで対応しました。
他にも共振対策グッズはたくさんありますので、ここは1つのアイデアだと考えて下さい。
ちなみにブーミングがなくなる(少なくなる)と、音がすっきり晴れやかになります。
まさに霧が晴れたというべき音になります。
今までは、車のエンジン音が聞こえている中で音を聴いていたような感覚すらあるほどです。
音像がクッキリしてきて、低音が適正に鳴るので締まって聞こえます。
低音がなくなりすぎる心配は無用です。
これが本来の低音です。
低音が必要な場合は、壁面反射を利用して、スピーカーを壁面に近づけるセッティングで追い込めば良いかと思います。
ブーミングの低音は、壁などが鳴っているので、本来の音ではありません。
防音上も良くないです。
外向きにも振動しているわけですから、音は出ていっているはずです。
次回は、オーディオ関連設備を整えることについて考えてみたいと思います。
設備と言っても電源とかアースとかですが・・・。
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