2024年02月20日
ミラーマンの筆箱
ふと思い出しましたので、久々に、私が昔持っていた怪獣系グッズを紹介いたします。
私が小学校で使っていた筆箱です。「ミラーマン」のキャラクター商品の筆箱です。
何せ、もう50年も前の話ですから、かなり記憶が曖昧なのですが、それでも、この写真のタイプの筆箱が、私の持っていたものだったみたいです。ネットで調べてみたら、「ミラーマン」の筆箱は、他にも何パターンか存在していました。
私が小学一年生になった頃は、「ウルトラマンタロウ」とか「流星人間ゾーン」「白獅子仮面」なんかが放送されていましたので、実際には、「ミラーマン」のキャラクター商品なんて、すでに型落ちだった訳ですが、それでも気にせずに使っていたあたりが、なんとも昭和らしいです。
キャラが「ミラーマン」って事で、筆箱の内側に鏡でも付いていたらシャレていると思うのですが、そんな作りだったかどうかは、ちょっと思い出せません。鉛筆を置く部分は、持ち上げて、立ち上げられるような仕組みになっていたとは記憶しています。
さて、こんな「ミラーマン」筆箱を持っていたにも関わらず、当時の私は「ミラーマン」の放送を見ていませんでした。見なかったのではなく、私の住んでいる地区のテレビでは「ミラーマン」は放送されていなかったのです。
当時の私にとっての「ミラーマン」とは、雑誌のマンガや特写情報でのみ知っている存在なのでした。
そのくせして、当時の私は、ミラーマンのソフビ人形とかも持っていました。ヒーローのソフビ人形と言えば、幼い頃の私は、帰ってきたウルトラマンとか超人バロム・1などのソフビ人形も持っていたのですが、それらは、関節部分が壊れて、手足が簡単にもげてしまい、すぐ使えなくなってしまいました。その点で、このミラーマンのソフビ人形はなかなか頑丈で長持ちしたものですから、私の怪獣オモチャごっこの世界においては、ミラーマンは、長きに渡って、ヒーロー(正義の味方)の地位を死守していたのでした。
2022年10月25日
「少年画報」の18大付録とは?
このブログでも、以前、紹介した事があるのですが、かなり昔の少年雑誌「少年画報」(少年画報社)の昭和42年新年号が、ヤフオクにて、売りに出されていた事がありました。私は、この本が、ずっと前から、気になって、気になって、仕方がなかったのでした。
と言いますのも、実は、我が家には、かつて、この「昭和42年新年号」より一つ前の「昭和41年12月号」の「少年画報」があったからです。私が買ったものではありません。多分、兄が買ったものです。それが、ずっと家に置かれたままで、やがて、私も、目にして、読む事になったのです。
この「昭和41年12月号」には、次号の付録の予告として、次のようなページがありました。
怪獣大好き人間にとっては、ヨダレが出そうな内容だと思いませんか?
怪獣のオモチャが、5個も6個もついています。しかも、「走る」とか「火をはく」とか、どれも、きちんと動くらしいのです。(1匹だけ元ネタ不明の「クモ怪獣ワシャリ」も、妙に気になります)
そんな訳で、この付録の広告を初めて見た時の子供時代の私は、ずっと、この本(「少年画報 昭和42年新年号」)が欲しい欲しい、と思っていたのでした。ただし、前述しましたように、この本は兄が子供だった頃に発売されたものだったので、すでに、私の世代では、買いたくても、普通の本屋では売っていなかったのです。
という事で、私は、この本の付録を気にかけて、半世紀もモヤモヤし続けていたのでした。
それが、冒頭で書きましたように、最近、ひょっこりと、この問題の雑誌が、なんと、付録も完備した状態で、ヤフオクに出品されているのを発見したのでありました。ただし、希少本なので、この本のオークションは、見る見るうちに、競り値が上がっていきます。たちまち、私のパッションでは手の届かないような値段になってしまい、またしても、私は、この本と付録を諦めざるを得なくなってしまったのでした。
しかし、世の中とは、分からないものです。
それから、さらに数年ほど経ち、電子書籍を読み漁るようになった私は、たまたまながら、電子書籍サイトの eBookJapan にて、掟破りの「少年画報」の過去の号も売りに出されているのを見つけたのでした。
そして、そうやって復刊された号の一つに、「昭和42年新年号」もあったのです。嬉しい事に、ついに、私は50年以上も恋い焦がれた雑誌を、ようやく、安価で手に入れる事ができたのでした。
もちろん、eBookJapan で売られていたのは、画像データのみの電子書籍ですから、付録まで付いていた訳ではありません。しかし、雑誌の付録と言うのは、その組み立て方が、たいがい、本誌の中に掲載されているものなのです。だから、この「少年画報」にしても、本誌さえ読めたら、付録の大まかな内容も確認できたのでした。
こうして、私は、長年の謎だった、「少年画報 昭和42年新年号」の18大付録の動く怪獣たちの実体を知る事ができたのでありました。全く、人間、長く生きていれば、いろんな望みが叶うみたいなのです。
(なお、eBookJapan での雑誌「少年画報」の販売は、すでに終了しております)
2022年08月21日
佐藤有文の児童書の系譜
2022年04月04日
「バスカービルの魔犬」
「バスカービルの魔犬(バスカヴィル家の犬)」と言えば、名探偵シャーロック・ホームズのエピソードの一つですが、私は、この魔犬に対して、あまり悪の印象を持っていません。
その原因は、この作品をはじめて読んだ際の訳本にとあったようです。
「バスカービルの魔犬」(ポプラ社・1982年)
ネットで探してみたところ、私が小学生の時に最初に読んだ「バスカービルの魔犬」とは、恐らく、この本で、見ての通り、表紙に描かれた犬は、さほど凶悪さが感じられません。それどころか、哀れな老犬のような雰囲気すら漂わせています。
その為、この本を読み始めた段階では、私は、魔犬の正体とは「魔犬と勘違いされた、ほんとは穏やかな老犬だったのではないか」と、勝手に想像してしまったぐらいでした。
まあ、そんな先入観を抱きながらも、実際に読んでみたストーリー自体はたいへん面白かったのですけどね。
その原因は、この作品をはじめて読んだ際の訳本にとあったようです。
「バスカービルの魔犬」(ポプラ社・1982年)
ネットで探してみたところ、私が小学生の時に最初に読んだ「バスカービルの魔犬」とは、恐らく、この本で、見ての通り、表紙に描かれた犬は、さほど凶悪さが感じられません。それどころか、哀れな老犬のような雰囲気すら漂わせています。
その為、この本を読み始めた段階では、私は、魔犬の正体とは「魔犬と勘違いされた、ほんとは穏やかな老犬だったのではないか」と、勝手に想像してしまったぐらいでした。
まあ、そんな先入観を抱きながらも、実際に読んでみたストーリー自体はたいへん面白かったのですけどね。
2020年08月30日
「驚異!なぞだらけの四次元」
私が、四次元に興味を持つようになった、きっかけの本が、このナンバーワン・ブックスの「驚異!なぞだらけの四次元」(フレーベル館・1974年)です。
多分、私が小学生中学年ぐらいの時に読んだような気がします。でも、その頃の私って、「マグマ大使」のテーマ曲とか、四次元怪獣とかで、すでに「四次元」って言葉は知ってたような気もするのですが。
にも関わらず、この「なぞだらけの四次元」は、石原豪人氏らの描いたリアルなイラストが、なんとも言えない不気味さを醸し出していて、当時の私に強い印象を与えたのでした。
まず、四次元の話題だけで、一冊の本を書き上げちゃっているところが凄いです。
次元を説明するにあたり、蟻を例えに使っているあたりから、なんか別世界の話をしているみたいで、子供心をグイッと掴まれてしまいました。そのあと、バミューダ海域やメビウスの輪などが紹介されており、さらには、「アキレスはカメに追いつけない!?」とか「消えてしまうふしぎな正方形」と言った、四次元とは関係ない、数学の奇妙なロジックの話まで掲載されています。
また、このナンバーワン・ブックスと言う児童書のシリーズは、ライセンス博士というオリジナルキャラをマスコットに使用しており、加えて、各章ごとのクイズや、長め(1話10ページほど)の読み切りマンガも何話か収録されていて、他の同傾向の児童書と比べてみても、内容がとても豊富です。
ちなみに、この「なぞだらけの四次元」には、ウェルズの「タイム・マシン」とハインラインの「歪んだ家」がマンガ化されて、収納されていました。「タイム・マシン」のモーロック人が、原作小説や映画版以上に、凶悪な姿に描かれていて、インパクト大なのです。
こうして、この本を読んで以来、私は「四次元」にとハマり、その後も、少年少女講談社文庫の「四次元の世界をさぐる」(1973年)とか、ユアコースシリーズの「SF入門 なぞの四次元」(学習研究社・1975年)を買ったり、それどころか、ブルーバックス(講談社)や物理学の入門書、ついには、学校の図書館から幾何学の本まで借りてきて、読んでみたのでした。
でも、若かった私には、レベルが高い本ほど、内容が難しくて、訳が分からないのであります。そのうち、私の四次元への熱も、普通のレベルにまで冷めてしまったのでした。
2020年08月28日
「怪奇大全科」
私が中学二年生の時(40年ほど前)、テレビで放送されたホラー映画「キャリー」(1976年)にえらい感銘を受けまして、この映画について解説された本がどうしても欲しいと思いました。
その結果、手に入れたのが秋田書店の大全科シリーズの一冊「怪奇大全科」(1979年)です。
当時の私は、この本を、わざわざ出版元(秋田書店)に直に注文して、取り寄せました。今ならamazonで簡単にできる商品の直接購入も、昔は、かなり購入の手続きが面倒くさく、実行するには、だいぶ決意が必要だったのです。
この本一冊だけを取り寄せたのでは勿体ないので、確か、少年チャンピオンコミックスの「やけっぱちのマリア」全2巻(手塚治虫)と、世界怪奇ミステリー全集の第6巻「S・Fスリラー」(中岡俊哉)も一緒に購入したはずだと思いました。
で、肝心の「怪奇大全科」なのですが、もちろん、「キャリー」も収録されてはいましたが、それ以外の部分でも、かなり気合の入った内容でした。
と言いますのも、日本未公開の怪奇映画もいっぱい掲載されていたのです。この大全科シリーズは、文庫サイズの児童向けの本であるのも関わらずです。つまり、ほんとにマニアックな内容だったのであります。
ホラー映画に詳しくなった、のちの私でさえ、なおも、よく正体の分からなかった作品も、いろいろと載っていました。例えば、フランケンシュタインの娘(1958年)だとか、フランケンシュタイン対狼男(1943年)など、佐藤有文の「世界妖怪図鑑」(1973年)でも紹介されているにも関わらず、日本では未公開だった作品群です。
当時の児童書のライターさんは、子供相手でも決して手を抜かず、洋書の資料もガンガン使ってましたので、このような通好みの本も、普通に、出来上がる事になったのでしょう。
1979年以前の新旧のホラー系映画が、ジャンルごとにまとめてドドーッと掲載されていますので、レトロな怪奇映画を愛好する方でしたら、今読んでも、楽しめるのではないかと思います。
「ドラキュラ血のしたたり」(1971年)を紹介したページでは、さりげなく、女吸血鬼の乳房が見えちゃっている写真も使われていました。児童向けの本なのに、女性のヌード写真とは、なんか照れくさいです。
当時、この本を読んだ男の子たちも、ひょっこり、このおっぱい丸見え写真に気が付いて、ひそかにドキドキしちゃったのでしょうか。
私自身も、こんな感じで、ホラー映画を見ていると、思いがけずに、エッチなヌードまで拝めたものだから、じょじょにホラー映画好きになっていったのかな、と言う気もするのでした。
「怪奇大全科」の姉妹本とも言える「ショック残酷大全科」(1982年)は、もっとトンデモナイ内容です。
もはや、ホラー映画目録ですらなくて、ドキュメント映画などの痛そうな名場面ばかりを並べた残酷シーン絵巻なのであります。とても子供向けの本とは思えません。幼い子が読んだら、トラウマになりそうな気もするのですが、よく企画が通って、発行にまで漕ぎ着けられたものです。
「怪奇大全科」の補強という意味もあったのか、後半の方のページは、1979年以後に公開された新作ホラー映画の紹介にも割かれています。
それで、私もこの本は購入していたのですが、こちらでも、「デビルスピーク」(1981年)のページでは、女性のヌード写真が使われていました。これが、「怪奇大全科」以上に、おっぱいがハッキリ見えた写真であり、恥ずかしくて、よけい私の記憶には深く残ったのでした。
その結果、手に入れたのが秋田書店の大全科シリーズの一冊「怪奇大全科」(1979年)です。
当時の私は、この本を、わざわざ出版元(秋田書店)に直に注文して、取り寄せました。今ならamazonで簡単にできる商品の直接購入も、昔は、かなり購入の手続きが面倒くさく、実行するには、だいぶ決意が必要だったのです。
この本一冊だけを取り寄せたのでは勿体ないので、確か、少年チャンピオンコミックスの「やけっぱちのマリア」全2巻(手塚治虫)と、世界怪奇ミステリー全集の第6巻「S・Fスリラー」(中岡俊哉)も一緒に購入したはずだと思いました。
で、肝心の「怪奇大全科」なのですが、もちろん、「キャリー」も収録されてはいましたが、それ以外の部分でも、かなり気合の入った内容でした。
と言いますのも、日本未公開の怪奇映画もいっぱい掲載されていたのです。この大全科シリーズは、文庫サイズの児童向けの本であるのも関わらずです。つまり、ほんとにマニアックな内容だったのであります。
ホラー映画に詳しくなった、のちの私でさえ、なおも、よく正体の分からなかった作品も、いろいろと載っていました。例えば、フランケンシュタインの娘(1958年)だとか、フランケンシュタイン対狼男(1943年)など、佐藤有文の「世界妖怪図鑑」(1973年)でも紹介されているにも関わらず、日本では未公開だった作品群です。
当時の児童書のライターさんは、子供相手でも決して手を抜かず、洋書の資料もガンガン使ってましたので、このような通好みの本も、普通に、出来上がる事になったのでしょう。
1979年以前の新旧のホラー系映画が、ジャンルごとにまとめてドドーッと掲載されていますので、レトロな怪奇映画を愛好する方でしたら、今読んでも、楽しめるのではないかと思います。
「ドラキュラ血のしたたり」(1971年)を紹介したページでは、さりげなく、女吸血鬼の乳房が見えちゃっている写真も使われていました。児童向けの本なのに、女性のヌード写真とは、なんか照れくさいです。
当時、この本を読んだ男の子たちも、ひょっこり、このおっぱい丸見え写真に気が付いて、ひそかにドキドキしちゃったのでしょうか。
私自身も、こんな感じで、ホラー映画を見ていると、思いがけずに、エッチなヌードまで拝めたものだから、じょじょにホラー映画好きになっていったのかな、と言う気もするのでした。
「怪奇大全科」の姉妹本とも言える「ショック残酷大全科」(1982年)は、もっとトンデモナイ内容です。
もはや、ホラー映画目録ですらなくて、ドキュメント映画などの痛そうな名場面ばかりを並べた残酷シーン絵巻なのであります。とても子供向けの本とは思えません。幼い子が読んだら、トラウマになりそうな気もするのですが、よく企画が通って、発行にまで漕ぎ着けられたものです。
「怪奇大全科」の補強という意味もあったのか、後半の方のページは、1979年以後に公開された新作ホラー映画の紹介にも割かれています。
それで、私もこの本は購入していたのですが、こちらでも、「デビルスピーク」(1981年)のページでは、女性のヌード写真が使われていました。これが、「怪奇大全科」以上に、おっぱいがハッキリ見えた写真であり、恥ずかしくて、よけい私の記憶には深く残ったのでした。
2020年08月24日
手塚治虫の特集本
これも、私が小学生高学年か中学一年生ごろのお話です。
ある日、私は、親に連れられて、近所の雑貨屋へ買い物に来ていました。
すると、その雑貨屋の店先に、前の方のページがだいぶ破られたマンガ雑誌が置かれていたのです。もしかすると、その雑貨屋では、その雑誌を新聞紙がわりに使っていたのかもしれません。
でも、私は、そのマンガ雑誌に目を奪われました。と言いますのも、その雑誌には、私が大好きだった手塚治虫先生の特集が載っていたからです。
と言っても、前の方のページがすでに破かれていて、無かったので、全部を読めた訳ではありません。しかし、残っていたページでは、手塚先生が過去に描いたマンガの一覧表が、10ページぐらいに渡って、ずらっと並んで、載っていたのです。
私が、この雑誌を勝手に手に取って、食い入るように読んでますと、この雑貨屋の主人も良い人で、私に、このマンガ雑誌をタダで譲ってくれました。で、私も、喜んで、この雑誌を自宅へと持ち帰り、貴重な手塚先生の特集本として、繰り返し読みまくったのでした。
今でこそ、手塚治虫氏の研究本は溢れるほど出回っていますが、40年以上前の昭和の時代では、手塚先生も、そこまで「マンガの神様」として神格化はされておらず、氏の特集本と言うのも僅かでした。何よりも、この雑誌の作品リストの部分が参考になって、私には、とてもタメになったのです。
さて、このブログで昔の思い出話を書いておりますと、急に、そんな事も思い出しまして、あらためて、この手塚先生の特集が載っていた雑誌の正体を探ってみる気になりました。
ところが、私は、この本の表紙ページを知らないのであります。破かれてて、すでに無かった訳ですから。てな事で、ネットで、雑誌の表紙ページを見ただけでは、十分な照合ができないのでした。
それでも、どうやら、この本じゃなかろうかと、怪しく思われた本が、「週刊少年マガジン」の昭和49年17号(講談社)です。この本には、確かに、「手塚治虫30年史」と言う巻頭大特集が組まれていたようなのであります。しかし、過去の私は、この表紙ページを見てませんので、何とも、断定できないのでした。ネットで、さらに、この昭和49年17号のことを調べてみたのですが、私が見た事のある手塚作品一覧表も掲載されていたのかどうかは、ついに分かりませんでした。
しかし、私には、別の手がかりが、もう一つ、ありました。この手塚治虫特集の雑誌には、永井豪氏の「バイオレンスジャック」が載っていたと記憶しているのです。それも、当時の私をドキドキした気持ちにさせてくれた、恵子先生が木に縛られて、服を脱がされてしまう回です。
「少年マガジン」の昭和49年17号を調べてますと、確かに「バイオレンスジャック」は載っています。それも、連載時期を照らし合わせますと、昭和49年17号の頃は、かの恵子先生が服を脱がされちゃうエピソードの時期と、ちょうど一致しているようなのです。
よって、私が読んだ手塚治虫特集のマンガ雑誌は、まず「少年マガジン」の昭和49年17号で、間違いなかったらしいのでした。
この雑誌のあとは、私は、コロタン文庫の「手塚治虫全百科」(小学館・1981年)を入手しまして、手塚マンガの大事な作品目録として、しばらく愛用する事になります。こちらの本の中身は、手塚先生の少年マンガだけに限定されていたのですが、氏の作品の過半数は少年マンガなので、ほとんど問題はなかったのです。
ある日、私は、親に連れられて、近所の雑貨屋へ買い物に来ていました。
すると、その雑貨屋の店先に、前の方のページがだいぶ破られたマンガ雑誌が置かれていたのです。もしかすると、その雑貨屋では、その雑誌を新聞紙がわりに使っていたのかもしれません。
でも、私は、そのマンガ雑誌に目を奪われました。と言いますのも、その雑誌には、私が大好きだった手塚治虫先生の特集が載っていたからです。
と言っても、前の方のページがすでに破かれていて、無かったので、全部を読めた訳ではありません。しかし、残っていたページでは、手塚先生が過去に描いたマンガの一覧表が、10ページぐらいに渡って、ずらっと並んで、載っていたのです。
私が、この雑誌を勝手に手に取って、食い入るように読んでますと、この雑貨屋の主人も良い人で、私に、このマンガ雑誌をタダで譲ってくれました。で、私も、喜んで、この雑誌を自宅へと持ち帰り、貴重な手塚先生の特集本として、繰り返し読みまくったのでした。
今でこそ、手塚治虫氏の研究本は溢れるほど出回っていますが、40年以上前の昭和の時代では、手塚先生も、そこまで「マンガの神様」として神格化はされておらず、氏の特集本と言うのも僅かでした。何よりも、この雑誌の作品リストの部分が参考になって、私には、とてもタメになったのです。
さて、このブログで昔の思い出話を書いておりますと、急に、そんな事も思い出しまして、あらためて、この手塚先生の特集が載っていた雑誌の正体を探ってみる気になりました。
ところが、私は、この本の表紙ページを知らないのであります。破かれてて、すでに無かった訳ですから。てな事で、ネットで、雑誌の表紙ページを見ただけでは、十分な照合ができないのでした。
それでも、どうやら、この本じゃなかろうかと、怪しく思われた本が、「週刊少年マガジン」の昭和49年17号(講談社)です。この本には、確かに、「手塚治虫30年史」と言う巻頭大特集が組まれていたようなのであります。しかし、過去の私は、この表紙ページを見てませんので、何とも、断定できないのでした。ネットで、さらに、この昭和49年17号のことを調べてみたのですが、私が見た事のある手塚作品一覧表も掲載されていたのかどうかは、ついに分かりませんでした。
しかし、私には、別の手がかりが、もう一つ、ありました。この手塚治虫特集の雑誌には、永井豪氏の「バイオレンスジャック」が載っていたと記憶しているのです。それも、当時の私をドキドキした気持ちにさせてくれた、恵子先生が木に縛られて、服を脱がされてしまう回です。
「少年マガジン」の昭和49年17号を調べてますと、確かに「バイオレンスジャック」は載っています。それも、連載時期を照らし合わせますと、昭和49年17号の頃は、かの恵子先生が服を脱がされちゃうエピソードの時期と、ちょうど一致しているようなのです。
よって、私が読んだ手塚治虫特集のマンガ雑誌は、まず「少年マガジン」の昭和49年17号で、間違いなかったらしいのでした。
この雑誌のあとは、私は、コロタン文庫の「手塚治虫全百科」(小学館・1981年)を入手しまして、手塚マンガの大事な作品目録として、しばらく愛用する事になります。こちらの本の中身は、手塚先生の少年マンガだけに限定されていたのですが、氏の作品の過半数は少年マンガなので、ほとんど問題はなかったのです。
2020年08月14日
「世界の名作怪奇館」
私が通っていた学校の図書室にあった本のうち、特に印象に残っているものとして、講談社から発売されていたシリーズ本の「世界の名作怪奇館」(1970年)がありました。全8巻のうち、6冊までが小学校ないし中学校の図書室に置かれていて、私は、小学生高学年から中学一年にかけて、これらを読み耽りました。
「世界の名作怪奇館」ラインナップ
第1巻 英米編I「ハルツ山の人おおかみ」
第2巻 英米編II「影を殺した男」
第3巻 ヨーロッパ編「魔女のひつぎ」
第4巻 東洋編「花園の怪少女」
第5巻 日本編「まぼろしの雪女」
第6巻 ミステリー編「恐怖の地下牢」
第7巻 SF編「壁の中のアフリカ」
第8巻 ノンフィクション編「海にしずんだ海賊都市」
第1巻 英米編I「ハルツ山の人おおかみ」
第2巻 英米編II「影を殺した男」
第3巻 ヨーロッパ編「魔女のひつぎ」
第4巻 東洋編「花園の怪少女」
第5巻 日本編「まぼろしの雪女」
第6巻 ミステリー編「恐怖の地下牢」
第7巻 SF編「壁の中のアフリカ」
第8巻 ノンフィクション編「海にしずんだ海賊都市」
このシリーズ本は、要するに、怪奇小説のアンソロジー集でして、私がホラー分野にハマっていった、最初のキッカケになった本でもあります。また、H・G・ウェルズやエドガー・アラン・ポーなどの作品が複数掲載されていて、自然と目につきまして、以降、私は、これらの作家の作品も集中的に読み漁るようにもなりました。
実は、原話を多少、いじってる部分もあり、この「世界の名作怪奇館」版の「影を殺した男」(「ウィリアム・ウィルソン」作・ポー)は、主人公が死ぬところまでキチンと書かれていますし、「奇蹟をおこす男」(作・ウェルズ)は、エンデイングで主人公の超能力は消えてはおらず、永遠に時間が無限ループしてしまうと言う、衝撃的な終わり方になっています。のちに、原話を読んで、その違いを知り、ムムと思ったものでした。
真っ先に読んだブラム・ストーカーの「恐怖の黒ねこ」(第2巻「英米編II」収録)をはじめ、深く心に刻まれた作品は多数ありましたが、中でも、第7巻「SF編」とか、江戸川乱歩の「かがみ地獄」(第5巻「日本編」収録)には、当時、かなり影響されました。第6巻は「ミステリー編」で、恐怖とは全く関係のない怪盗ルパンもの(「赤い絹の肩かけ」作・ルブラン)まで混ざっていたりもします。
総じて、とてもバラエティに富んだ内容の作品集でした。
オリジナル本は、今や、べらぼうな値段がついてますので、もし、文庫サイズででも復刻されるようでしたら、ぜひ買って、手元に置いておきたい一品であります。
復刊の際は、どうか、挿絵も忠実に再現してもらいたいです。と言いますのも、このブログでも以前に書きましたが、第5巻「日本編」には、女性のヌードの絵(佐伯俊男が描いたイラストだったらしい)が載っておりまして、何よりも、それが一番気になってて、再見したいからなのでありました。
2020年07月30日
ウェルズとの出会い
私が、SF作家のH・G・ウェルズの名をはじめて目にしたのは、多分、有紀書房の完全図解シリーズの一冊「図鑑 宇宙のふしぎとひみつ」(1975年)においてだと思います。
この本の最終章には、科学的未来予想が書かれていまして、その中で、食料飢饉の話を紹介するにあたって、ウェルズの「タイムマシン」も引用されていたのです。それは、次のように書かれてありました。
「地球の人間がふえすぎて、戦争がおこり、人間をたべるものと、たべられるものとにわかれてしまう・・・という、スゴイ小説だ!!」
この文面に、「黒人らしき人間のバラバラの体が、料理のように皿の上に置かれていて、それを白人らしき男が食べている」絵(今だとヤバイ、思いっきり人種差別!)が添えられてましたので、とっても怖くて、この頃から、私は「タイム・マシン」と言う小説のことを気にかけるようになっていったのでした。
これが、大体、私が小学生中学年ぐらいだった頃の話です。
その後、私が小学生高学年になると、急に読書家となり、次々に、長い小説も読むようになり始めます。
この時期には、私も選り好みして、本を読むようになり、特にSFだとか怪奇ものを愛好し、講談社の「世界の名作怪奇館」シリーズ(1970年)とか、学研のジュニアチャンピオンノベルス「怪奇・SF 恐怖のミステリーゾーン」(1977年)などを読んでいました。これらの本はオムニバスであり、古典名作として、ウェルズの数々の短編作品が、当たり前のように収録されていたのです。
そんな訳で、私も、よく目にする小説家の名前として、次第に、ウェルズに注目し始めたのでした。
兄が買っていた角川文庫版の「タイム・マシン」(1966年)を、我が家で見つけたのは、多分、この頃です。こうして、私も、ずっと気になっていた「タイム・マシン」を、ようやく読む事ができたのでした。
もっとも、読後の私は、「タイム・マシン」よりも、むしろ、同時収録されていた「深海潜航」や「新神経促進剤」「くぐり戸」などの方が、強く印象に残っていたようですが。
私が、本格的にウェルズのファンとなったのは、「宇宙戦争」を読んでからです。
その時、読んだ、はじめての「宇宙戦争」が、この旺文社ジュニア図書館の「宇宙戦争」(1967年)です。やはり、読んだのは、小学生高学年の頃でした。
それまでの私は、あまりにもタコ型火星人が有名すぎたものだから、つい「宇宙戦争」を読むのは避けていたのでした。
にも関わらず、この本を買ったのは、本屋に行った時、他に読みたい本が見つからなかったのと、もう一つ、この本の推奨文を、当時の私が大ファンだった手塚治虫氏が書かれていたと言うのも、理由の一つだったような気もします。
でも、いざ読んでみると、びっくりしました。めちゃくちゃ面白いのです。火星人の大暴れだけが面白いのではありません。戦争で追い詰められた作中人物たち(牧師や兵士など)の極限状態の描写も面白いのです。火星人がなぜタコの形をしているか、の科学的説明にも唸らされました。もしかすると、この本は、原作をより誇張していて、より面白く書かれていたのかもしれません。
かくて、私は、小学生を卒業する間際に、完全なるウェルズマニアになったのでした。
私の書く小説は、文明批判・人間批判的な側面が強いので、あまり好きになれない方たちもいる事でしょう。しかし、私の作品は、基本的に、ウェルズの作風を引きずっているのであり、さらには、手塚治虫氏や五島勉氏らの影響も受けているから、より厭世主義(ペシミズム)的なのであります。
この本の最終章には、科学的未来予想が書かれていまして、その中で、食料飢饉の話を紹介するにあたって、ウェルズの「タイムマシン」も引用されていたのです。それは、次のように書かれてありました。
「地球の人間がふえすぎて、戦争がおこり、人間をたべるものと、たべられるものとにわかれてしまう・・・という、スゴイ小説だ!!」
この文面に、「黒人らしき人間のバラバラの体が、料理のように皿の上に置かれていて、それを白人らしき男が食べている」絵(今だとヤバイ、思いっきり人種差別!)が添えられてましたので、とっても怖くて、この頃から、私は「タイム・マシン」と言う小説のことを気にかけるようになっていったのでした。
これが、大体、私が小学生中学年ぐらいだった頃の話です。
その後、私が小学生高学年になると、急に読書家となり、次々に、長い小説も読むようになり始めます。
この時期には、私も選り好みして、本を読むようになり、特にSFだとか怪奇ものを愛好し、講談社の「世界の名作怪奇館」シリーズ(1970年)とか、学研のジュニアチャンピオンノベルス「怪奇・SF 恐怖のミステリーゾーン」(1977年)などを読んでいました。これらの本はオムニバスであり、古典名作として、ウェルズの数々の短編作品が、当たり前のように収録されていたのです。
そんな訳で、私も、よく目にする小説家の名前として、次第に、ウェルズに注目し始めたのでした。
兄が買っていた角川文庫版の「タイム・マシン」(1966年)を、我が家で見つけたのは、多分、この頃です。こうして、私も、ずっと気になっていた「タイム・マシン」を、ようやく読む事ができたのでした。
もっとも、読後の私は、「タイム・マシン」よりも、むしろ、同時収録されていた「深海潜航」や「新神経促進剤」「くぐり戸」などの方が、強く印象に残っていたようですが。
私が、本格的にウェルズのファンとなったのは、「宇宙戦争」を読んでからです。
その時、読んだ、はじめての「宇宙戦争」が、この旺文社ジュニア図書館の「宇宙戦争」(1967年)です。やはり、読んだのは、小学生高学年の頃でした。
それまでの私は、あまりにもタコ型火星人が有名すぎたものだから、つい「宇宙戦争」を読むのは避けていたのでした。
にも関わらず、この本を買ったのは、本屋に行った時、他に読みたい本が見つからなかったのと、もう一つ、この本の推奨文を、当時の私が大ファンだった手塚治虫氏が書かれていたと言うのも、理由の一つだったような気もします。
でも、いざ読んでみると、びっくりしました。めちゃくちゃ面白いのです。火星人の大暴れだけが面白いのではありません。戦争で追い詰められた作中人物たち(牧師や兵士など)の極限状態の描写も面白いのです。火星人がなぜタコの形をしているか、の科学的説明にも唸らされました。もしかすると、この本は、原作をより誇張していて、より面白く書かれていたのかもしれません。
かくて、私は、小学生を卒業する間際に、完全なるウェルズマニアになったのでした。
私の書く小説は、文明批判・人間批判的な側面が強いので、あまり好きになれない方たちもいる事でしょう。しかし、私の作品は、基本的に、ウェルズの作風を引きずっているのであり、さらには、手塚治虫氏や五島勉氏らの影響も受けているから、より厭世主義(ペシミズム)的なのであります。
2020年07月24日
仮面ライダーボール
これは、私が、小学生の頃に、親戚か家族の知り合いの家に行った時、タダで譲ってもらったオモチャです。
今確認しますと「仮面ライダー ラッキーボール」という商品名になっておりますが、要するに、スマートボールのゲーム盤です。そこそこにデカいサイズのオモチャでありました。
はっきり言って、小さい頃から、私は、スマートボールにもピンボールにも、まるで興味はなかったのですが、このゲーム盤は、見ての通り、「仮面ライダー」の怪人の絵がいっぱい描かれていましたので、その点だけに食いついて、喜んで、頂戴してしまったのでした。
ちなみに、このゲーム盤を貰った当時、私は、テレビ放送された「仮面ライダー」自体は、まだ見ていなかったはずだと思います。(私の「仮面ライダー」の初見は、キー局が変わってからの夕方の時間帯の再放送)
調べたところ、このゲーム盤の絵柄は、2バージョンありまして、パターンAは、マス内の4怪人(蝙蝠男、サラセニアン、かまきり男、蜂女)とスピナー上の2怪人(蜘蛛男、コブラ男)しか、描かれていません。パターンBには、これに、ピラザウルス、ヒトデンジャー、ムササビードル、ガマギラーが追加されており、私が持っていたのは、多分、このBパターンの方でした。
ドクガンダーも描かれていて、そのリアルな蛾ぶりが、えらい気持ち悪かったような印象もあったのですが、どうも、これは私の完全な記憶違いだったようです。