2020年08月14日
「世界の名作怪奇館」
私が通っていた学校の図書室にあった本のうち、特に印象に残っているものとして、講談社から発売されていたシリーズ本の「世界の名作怪奇館」(1970年)がありました。全8巻のうち、6冊までが小学校ないし中学校の図書室に置かれていて、私は、小学生高学年から中学一年にかけて、これらを読み耽りました。
「世界の名作怪奇館」ラインナップ
第1巻 英米編I「ハルツ山の人おおかみ」
第2巻 英米編II「影を殺した男」
第3巻 ヨーロッパ編「魔女のひつぎ」
第4巻 東洋編「花園の怪少女」
第5巻 日本編「まぼろしの雪女」
第6巻 ミステリー編「恐怖の地下牢」
第7巻 SF編「壁の中のアフリカ」
第8巻 ノンフィクション編「海にしずんだ海賊都市」
第1巻 英米編I「ハルツ山の人おおかみ」
第2巻 英米編II「影を殺した男」
第3巻 ヨーロッパ編「魔女のひつぎ」
第4巻 東洋編「花園の怪少女」
第5巻 日本編「まぼろしの雪女」
第6巻 ミステリー編「恐怖の地下牢」
第7巻 SF編「壁の中のアフリカ」
第8巻 ノンフィクション編「海にしずんだ海賊都市」
このシリーズ本は、要するに、怪奇小説のアンソロジー集でして、私がホラー分野にハマっていった、最初のキッカケになった本でもあります。また、H・G・ウェルズやエドガー・アラン・ポーなどの作品が複数掲載されていて、自然と目につきまして、以降、私は、これらの作家の作品も集中的に読み漁るようにもなりました。
実は、原話を多少、いじってる部分もあり、この「世界の名作怪奇館」版の「影を殺した男」(「ウィリアム・ウィルソン」作・ポー)は、主人公が死ぬところまでキチンと書かれていますし、「奇蹟をおこす男」(作・ウェルズ)は、エンデイングで主人公の超能力は消えてはおらず、永遠に時間が無限ループしてしまうと言う、衝撃的な終わり方になっています。のちに、原話を読んで、その違いを知り、ムムと思ったものでした。
真っ先に読んだブラム・ストーカーの「恐怖の黒ねこ」(第2巻「英米編II」収録)をはじめ、深く心に刻まれた作品は多数ありましたが、中でも、第7巻「SF編」とか、江戸川乱歩の「かがみ地獄」(第5巻「日本編」収録)には、当時、かなり影響されました。第6巻は「ミステリー編」で、恐怖とは全く関係のない怪盗ルパンもの(「赤い絹の肩かけ」作・ルブラン)まで混ざっていたりもします。
総じて、とてもバラエティに富んだ内容の作品集でした。
オリジナル本は、今や、べらぼうな値段がついてますので、もし、文庫サイズででも復刻されるようでしたら、ぜひ買って、手元に置いておきたい一品であります。
復刊の際は、どうか、挿絵も忠実に再現してもらいたいです。と言いますのも、このブログでも以前に書きましたが、第5巻「日本編」には、女性のヌードの絵(佐伯俊男が描いたイラストだったらしい)が載っておりまして、何よりも、それが一番気になってて、再見したいからなのでありました。
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