2020年07月30日
ウェルズとの出会い
私が、SF作家のH・G・ウェルズの名をはじめて目にしたのは、多分、有紀書房の完全図解シリーズの一冊「図鑑 宇宙のふしぎとひみつ」(1975年)においてだと思います。
この本の最終章には、科学的未来予想が書かれていまして、その中で、食料飢饉の話を紹介するにあたって、ウェルズの「タイムマシン」も引用されていたのです。それは、次のように書かれてありました。
「地球の人間がふえすぎて、戦争がおこり、人間をたべるものと、たべられるものとにわかれてしまう・・・という、スゴイ小説だ!!」
この文面に、「黒人らしき人間のバラバラの体が、料理のように皿の上に置かれていて、それを白人らしき男が食べている」絵(今だとヤバイ、思いっきり人種差別!)が添えられてましたので、とっても怖くて、この頃から、私は「タイム・マシン」と言う小説のことを気にかけるようになっていったのでした。
これが、大体、私が小学生中学年ぐらいだった頃の話です。
その後、私が小学生高学年になると、急に読書家となり、次々に、長い小説も読むようになり始めます。
この時期には、私も選り好みして、本を読むようになり、特にSFだとか怪奇ものを愛好し、講談社の「世界の名作怪奇館」シリーズ(1970年)とか、学研のジュニアチャンピオンノベルス「怪奇・SF 恐怖のミステリーゾーン」(1977年)などを読んでいました。これらの本はオムニバスであり、古典名作として、ウェルズの数々の短編作品が、当たり前のように収録されていたのです。
そんな訳で、私も、よく目にする小説家の名前として、次第に、ウェルズに注目し始めたのでした。
兄が買っていた角川文庫版の「タイム・マシン」(1966年)を、我が家で見つけたのは、多分、この頃です。こうして、私も、ずっと気になっていた「タイム・マシン」を、ようやく読む事ができたのでした。
もっとも、読後の私は、「タイム・マシン」よりも、むしろ、同時収録されていた「深海潜航」や「新神経促進剤」「くぐり戸」などの方が、強く印象に残っていたようですが。
私が、本格的にウェルズのファンとなったのは、「宇宙戦争」を読んでからです。
その時、読んだ、はじめての「宇宙戦争」が、この旺文社ジュニア図書館の「宇宙戦争」(1967年)です。やはり、読んだのは、小学生高学年の頃でした。
それまでの私は、あまりにもタコ型火星人が有名すぎたものだから、つい「宇宙戦争」を読むのは避けていたのでした。
にも関わらず、この本を買ったのは、本屋に行った時、他に読みたい本が見つからなかったのと、もう一つ、この本の推奨文を、当時の私が大ファンだった手塚治虫氏が書かれていたと言うのも、理由の一つだったような気もします。
でも、いざ読んでみると、びっくりしました。めちゃくちゃ面白いのです。火星人の大暴れだけが面白いのではありません。戦争で追い詰められた作中人物たち(牧師や兵士など)の極限状態の描写も面白いのです。火星人がなぜタコの形をしているか、の科学的説明にも唸らされました。もしかすると、この本は、原作をより誇張していて、より面白く書かれていたのかもしれません。
かくて、私は、小学生を卒業する間際に、完全なるウェルズマニアになったのでした。
私の書く小説は、文明批判・人間批判的な側面が強いので、あまり好きになれない方たちもいる事でしょう。しかし、私の作品は、基本的に、ウェルズの作風を引きずっているのであり、さらには、手塚治虫氏や五島勉氏らの影響も受けているから、より厭世主義(ペシミズム)的なのであります。
この本の最終章には、科学的未来予想が書かれていまして、その中で、食料飢饉の話を紹介するにあたって、ウェルズの「タイムマシン」も引用されていたのです。それは、次のように書かれてありました。
「地球の人間がふえすぎて、戦争がおこり、人間をたべるものと、たべられるものとにわかれてしまう・・・という、スゴイ小説だ!!」
この文面に、「黒人らしき人間のバラバラの体が、料理のように皿の上に置かれていて、それを白人らしき男が食べている」絵(今だとヤバイ、思いっきり人種差別!)が添えられてましたので、とっても怖くて、この頃から、私は「タイム・マシン」と言う小説のことを気にかけるようになっていったのでした。
これが、大体、私が小学生中学年ぐらいだった頃の話です。
その後、私が小学生高学年になると、急に読書家となり、次々に、長い小説も読むようになり始めます。
この時期には、私も選り好みして、本を読むようになり、特にSFだとか怪奇ものを愛好し、講談社の「世界の名作怪奇館」シリーズ(1970年)とか、学研のジュニアチャンピオンノベルス「怪奇・SF 恐怖のミステリーゾーン」(1977年)などを読んでいました。これらの本はオムニバスであり、古典名作として、ウェルズの数々の短編作品が、当たり前のように収録されていたのです。
そんな訳で、私も、よく目にする小説家の名前として、次第に、ウェルズに注目し始めたのでした。
兄が買っていた角川文庫版の「タイム・マシン」(1966年)を、我が家で見つけたのは、多分、この頃です。こうして、私も、ずっと気になっていた「タイム・マシン」を、ようやく読む事ができたのでした。
もっとも、読後の私は、「タイム・マシン」よりも、むしろ、同時収録されていた「深海潜航」や「新神経促進剤」「くぐり戸」などの方が、強く印象に残っていたようですが。
私が、本格的にウェルズのファンとなったのは、「宇宙戦争」を読んでからです。
その時、読んだ、はじめての「宇宙戦争」が、この旺文社ジュニア図書館の「宇宙戦争」(1967年)です。やはり、読んだのは、小学生高学年の頃でした。
それまでの私は、あまりにもタコ型火星人が有名すぎたものだから、つい「宇宙戦争」を読むのは避けていたのでした。
にも関わらず、この本を買ったのは、本屋に行った時、他に読みたい本が見つからなかったのと、もう一つ、この本の推奨文を、当時の私が大ファンだった手塚治虫氏が書かれていたと言うのも、理由の一つだったような気もします。
でも、いざ読んでみると、びっくりしました。めちゃくちゃ面白いのです。火星人の大暴れだけが面白いのではありません。戦争で追い詰められた作中人物たち(牧師や兵士など)の極限状態の描写も面白いのです。火星人がなぜタコの形をしているか、の科学的説明にも唸らされました。もしかすると、この本は、原作をより誇張していて、より面白く書かれていたのかもしれません。
かくて、私は、小学生を卒業する間際に、完全なるウェルズマニアになったのでした。
私の書く小説は、文明批判・人間批判的な側面が強いので、あまり好きになれない方たちもいる事でしょう。しかし、私の作品は、基本的に、ウェルズの作風を引きずっているのであり、さらには、手塚治虫氏や五島勉氏らの影響も受けているから、より厭世主義(ペシミズム)的なのであります。
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