2022年09月28日
ドクガ怪人
「仮面ライダー」(1971年)のドクガンダー。
「仮面ライダーV3」(1973年)の殺人ドクガーラ。
「変身忍者 嵐」(1972年)の毒蛾くノ一。
変身ブーム初期(1970年代前半)の頃の毒蛾の怪人は、やたらと造形がリアルでした。本物の蛾の頭部みたいで、蛾の嫌いな私にとっては、もっとも見るのもイヤな怪人たちでした。
ちなみに、「ウルトラマンA」(1972年)に出てきた超獣ドラゴリーも蛾がモチーフの怪物だったのですが、ほとんど蛾の面影もなく、妙に安心させられます。
2022年09月27日
大使と殿下
2022年09月19日
月世界最初の日本人
2022年09月17日
安田成美のナウシカ
映画「風の谷のナウシカ」(1984年)の劇場公開をタイムリーで知ってる世代には、もはや常識的な話なのですが、この映画のイメージソングは、女優の安田成美さんが歌っておりました。
諸事情により、映画の主題歌ではなく、イメージソングという点がミソです。主題歌じゃないので、この歌は、映画本編の中では、挿入曲という形ですら使用されていません。今でこそ、「映画本編で使われないテーマソング」というのは珍しくありませんが、当時は「なぜ?」と思ったものでした。
この歌は、テレビでの映画コマーシャルのBGMだったり、安田成美さん自身も歌番組の中で歌ったりしていて、バンバン流れていました。歌番組では、安田さんが高音の部分をうまく歌いこなせなくて、音程が外れていたのが、ひどく印象に残っています。
で、安田さんは、当時は、女優一本ではなく、歌手としても活動していく方向だったらしく、この「風の谷のナウシカ」も収録した、ズバリ「安田成美」(1984年)なんてアルバムも発売されていました。
この「安田成美」を聴いてみますと、その収録曲は、なんだか、アニメの挿入歌っぽい歌ばかりです。安田さんが女優として大成した現在となっては信じられない話ですが、当時としては、安田さんをすっかりアニメ歌手扱いしていた部分もあったのかもしれません。
2022年07月09日
チブル星人の子ども軍隊作戦
チブル星人というのは、円谷プロのウルトラマン・シリーズにおいて、最も頭の良い知的生命体にと指定された宇宙人です。そのIQ(知能指数)は、なんと5億!
このチブル星人が、地球侵攻の際に採用した作戦が、アンドロイド0指令でした。これは、人間の子供たちを催眠電波で操り、武器を持たせて、チブル軍の先兵にして、大人たちと戦わせる、と言うものでありました。(1967年「ウルトラセブン」)
この作戦につきましては、ネット上に散乱している感想を見ますと、「宇宙一の天才宇宙人の作戦の割にはショボくて、地球人でも簡単に阻止できてしまうのではないか?」などという指摘もあるのですが、
いえいえ、現実世界でだって、自分の子供が不良化したり、家庭内暴力を起こしただけでも、全くお手上げになってしまう親が多い事を考えますと、案外、非常に的を射た戦略だったのかもしれません。
水木しげる氏のマンガ「悪魔くん 千年王国」(1970年)でも、地上に平和社会(千年王国)を築こうと目論んだ天才児・悪魔くんは、まずは、子供たちを自分の仲間へと引き込んで、実戦部隊に用いて、日本政府相手にと戦争を仕掛けた末に、実質上、革命に成功して、日本国を乗っ取ってしまいます。
また、石川賢氏が描いたマンガ版「ウルトラマンタロウ」(1973年)でも、現在(いま)に生まれてしまった未来の天才ミュータントは、現代社会を征服する為に、まずは子供たちを洗脳してしまい、暴動を起こさせた結果、かなり良い線まで行きました。
やっぱり、天才が考える作戦としては、子ども軍隊というアイディアは正解なのです!
2020年08月05日
野獣拳
「上原正三シナリオ選集」(現代書館)には、特撮ヒーローものだけではなく、子供向けアニメのシナリオも多数、収録されています。そのうちの一つ、「北斗の拳」からは、第10話「烈火逆流拳!!死すべき奴らが多すぎる!!」のシナリオがチョイスされていました。
そして、このシナリオには、実際に放送されたアニメを観ただけでは分からない事実も書かれているのです。
この回の前半パートで、ケンシロウは、かなりクセの強いザコキャラ(毛皮を着たムチ男)と戦いました。その際、シナリオでは、ケンシロウは次のようなセリフ(モノローグ)を吐いているのです。(完成した映像ではカットされています)
「南斗聖拳の分派・野獣拳!するとこの男もシンの配下」
このセリフによって、このムチ男もまた、アニメオリジナルの南斗聖拳の使い手の一人であった事が分かるのでした。その事で、アニメの南斗聖拳ワールド自体も、よりディープなものになるのであります。
と言いますのも、この回の前話「悪党ども!死ぬ前に祈りをすませろ!!」にも、「南斗聖拳の流れをくむ」と言う触れ込みのコウモリ拳が登場していたからです。これらのザコ拳法家たちは、いずれも、南斗竜神拳の使い手ドラゴン(とパトラ)の手先でした。さらに、ドラゴンの上には、南斗最強の拳士シンが君臨しているのです。
つまり、アニメの南斗聖拳のメンバーは、きれいなピラミッド構造の組織に組み立てられていたのであります。
ザコ南斗聖拳の使い手には、南斗〇〇拳を名乗らせず、ただのコウモリ拳や野獣拳にとどめているあたりも、芸が細かいです。
これらアニメのオリジナル南斗聖拳が出現しだした頃(1984年12月)、原作マンガの方では、まだ拳王軍が現われたぐらいの時期で、南斗六聖拳や南斗聖拳108派などの設定は確立されていませんでした。作中に登場した南斗聖拳の使い手も、シン、カーネル、レイのみで、あくまで単発的な扱われ方です。
あるいは、南斗聖拳の世界観を先に膨らませてみせたのは、実は、アニメのシナリオを書いた上原正三氏だった、と言う事になるのかもしれません。
余談ですが、シナリオを読むと、ドラゴンの拳法は、南斗竜神拳以外にも、南斗飛竜拳、南斗流動拳とも書かれています。もしかすると、南斗竜神拳は正式な拳法名ではなく、もともとは、技の一つだったのでしょうか。
そして、このシナリオには、実際に放送されたアニメを観ただけでは分からない事実も書かれているのです。
この回の前半パートで、ケンシロウは、かなりクセの強いザコキャラ(毛皮を着たムチ男)と戦いました。その際、シナリオでは、ケンシロウは次のようなセリフ(モノローグ)を吐いているのです。(完成した映像ではカットされています)
「南斗聖拳の分派・野獣拳!するとこの男もシンの配下」
このセリフによって、このムチ男もまた、アニメオリジナルの南斗聖拳の使い手の一人であった事が分かるのでした。その事で、アニメの南斗聖拳ワールド自体も、よりディープなものになるのであります。
と言いますのも、この回の前話「悪党ども!死ぬ前に祈りをすませろ!!」にも、「南斗聖拳の流れをくむ」と言う触れ込みのコウモリ拳が登場していたからです。これらのザコ拳法家たちは、いずれも、南斗竜神拳の使い手ドラゴン(とパトラ)の手先でした。さらに、ドラゴンの上には、南斗最強の拳士シンが君臨しているのです。
つまり、アニメの南斗聖拳のメンバーは、きれいなピラミッド構造の組織に組み立てられていたのであります。
ザコ南斗聖拳の使い手には、南斗〇〇拳を名乗らせず、ただのコウモリ拳や野獣拳にとどめているあたりも、芸が細かいです。
これらアニメのオリジナル南斗聖拳が出現しだした頃(1984年12月)、原作マンガの方では、まだ拳王軍が現われたぐらいの時期で、南斗六聖拳や南斗聖拳108派などの設定は確立されていませんでした。作中に登場した南斗聖拳の使い手も、シン、カーネル、レイのみで、あくまで単発的な扱われ方です。
あるいは、南斗聖拳の世界観を先に膨らませてみせたのは、実は、アニメのシナリオを書いた上原正三氏だった、と言う事になるのかもしれません。
余談ですが、シナリオを読むと、ドラゴンの拳法は、南斗竜神拳以外にも、南斗飛竜拳、南斗流動拳とも書かれています。もしかすると、南斗竜神拳は正式な拳法名ではなく、もともとは、技の一つだったのでしょうか。
2020年06月28日
2020年06月18日
GOD悪人軍団のネームセンス
昭和の仮面ライダー・シリーズの一つ「仮面ライダーX」(1974年)には、後期からGOD悪人軍団という怪人集団が登場します。
その第一号怪人の名前が、ジンギスカンコンドル。放送当時の幼かった頃の私は、北海道に住んでましたので、「なぜ、怪人名に、食べ物の名前が付いているのだろう?」と思ったものでした。
「仮面ライダーX」の前期は、怪人名に、ギリシャ・ローマ神話の登場人物名が用いられており、当時の小さな子供には、やや取っつきにくい部分がありました。(当時の悪い怪人の元ネタは、たいてい、動物だったので)
その為、「仮面ライダーX」後半のGOD悪人軍団は、再び、動物名の怪人に戻った事で、やっと馴染みやすくもなったのですが、一方で、付随した「有名悪人の名前」の部分は、違う形で、小さな子供に多くの戸惑いも持たせたのでした。
ガマゴエモンとかカブト虫ルパンあたりなら、幼児でも、すぐに元ネタが分かったでしょうが、サソリジェロニモは、やや難易度が高かった気もします。外見から、とりあえず、インディアンだとは分かりましたが。
もっとも、「ウルトラマン」(1967年)にも、ジェロニモンと言う名のインディアン怪獣は出てきましたし、「おはよう!こどもショー」(1976年)でも、ジェロイモなんてインディアンキャラクターが途中から参加していましたので、当時の子供でも、多少は、その名に触れる機会はあったようです。
ヒトデヒットラーは、当時の幼かった私は、ガチで知らなくて、即、高校生の兄に聞いて、何者かを教えてもらいました。私にとっては、これが記念すべき初ヒットラーです。まさか、その後の人生は、どっぷりヒットラーネタに浸かってしまう事になるとは・・・。
そして、以降、GOD悪人軍団の方も、幼い私では、元ネタの分からない怪人が、ぞくぞくと登場するようになるのです。クモナポレオン、アリカポネあたりまでなら、ついていけたのですが。また、ヒルドラキュラやコウモリフランケンなどになると、もはや、悪人ではなく妖怪ですね。
トカゲバイキングは、現在なお、特撮ファンの間では物議を醸しているキャラです。
なぜなら、バイキングは個人名ではないからです。海賊の有名人ならば、海賊キッドとか、シルバー(「宝島」)とか、フック(「ピーター・パン」)とか、よおく探せば、見つかったような気もするのですが。
でも、当時はちょうど「小さなバイキング ビッケ」(1974年)なんてアニメも放送されていましたので、案外、それに乗っかった「バイキング」チョイスだったのかもしれません。
ムカデヨウキヒも、子供には、ほとんどピンとこない元ネタでしょう。美女の有名人を使いたかったのでしたら、むしろ、クレオパトラの方が分かりやすかったような気もします。
ただし、この当時は、ブルース・リーが日本でブームになっていた時期でもありました。「仮面ライダーX」の制作陣としては、どうしても中国人の怪人を登場させて、拳法で戦うシーンが撮りたかったのかもしれません。
タイガーネロも、小さい子供にとっては、まず分からないであろうキャラです。カメレオンファントマに至っては、今日でも、元ネタを知らない人が多いのではないのでしょうか。
こんな感じで、俯瞰してみますと、GOD悪人軍団には、超有名でもない歴史上の人物もだいぶ混ざっていまして、それどころか、悪人じゃなさそうな人物や架空の人物までもが採用されていました。これなら、このパターンを踏襲すれば、もっと多くの怪人も考案できた気がします。
私も、だいぶ昔ですが、GOD新悪人軍団の一人として、ウシベンケイなんて名前を考えてみました。これを当時の友人に聞かせてみたら、大笑いしたのでした。
「平成・令和生まれに捧げる特撮学」
2020年06月17日
悪魔ブルンガの謎
石ノ森章太郎・原作のアニメ「星の子チョビン」(1974年)には、ブルンガと言う名の悪魔の親分が登場します。「星の子チョビン」の世界観は、いわばSFファンタジーなのですが、しかし、ブルンガと言う名前は、既成のファンタジー物語や伝説などから流用された悪魔や怪物の呼称だった訳なのでもありません。
ところが、「星の子チョビン」より少し前に、手塚治虫が「ブルンガ1世」(1968年)と言う少年マンガを描いておりまして、こちらにも、悪魔が飼っていた動物として、ブルンガが登場していました。
さらに、東映が作った劇場用アニメ「マジンガーZ対暗黒大将軍」(1974年)の中にも、ブルンガと言う名の敵ロボット(戦闘獣)が出演しています。
このように、結構あちこちで用いられているのを目にしますと、いかにも、ブルンガと言うネーミングは、外国人の個人名でも実際に有りそうな感じもするのですが、調べてみますと、このような人物名は実は全く見当たらないのでした。
それぞれの作者が、こんな独特な言葉を同時に思いついたとも思えませんので、恐らくは、「ブルンガ」は、手塚氏が最初に発案したものを、他の漫画家たちも、面白がって拝借したのであろうと推察されます。
だいぶ遅れて、サッカー漫画「キャプテン翼」(1997年)にも、ブルンガ共和国と言うのが出てきたようですが、これも偉大な先人の漫画家さんたちに敬意を払ってのお遊びネームだったのかもしれません。
2020年05月28日
ヨロイ竜
このブログで以前も取り上げた特撮もの「怪獣王子」の第9、10話(1967年11月、12月)には、ヨロイ竜という怪獣(恐竜)が登場します。
でも、この回、最初の予定では、古代グモが出演するはずだったらしいです。「怪獣王子」の敵キャラは、四つ足恐竜ばかりでしたので、敵のバリエーションを増やす意味でも、この回は、当初の予定通りの古代グモが出てきた方が面白かったかもしれません。
もし実際に古代グモが作られていたとしたら、「怪獣王子」の怪獣造形はリアル志向でしたので、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」(1967年12月)よりも僅かに早く、クモンガみたいな怪獣をテレビ画面にて拝見できていたのかもしれないとも考えられます。