2020年06月18日
GOD悪人軍団のネームセンス
昭和の仮面ライダー・シリーズの一つ「仮面ライダーX」(1974年)には、後期からGOD悪人軍団という怪人集団が登場します。
その第一号怪人の名前が、ジンギスカンコンドル。放送当時の幼かった頃の私は、北海道に住んでましたので、「なぜ、怪人名に、食べ物の名前が付いているのだろう?」と思ったものでした。
「仮面ライダーX」の前期は、怪人名に、ギリシャ・ローマ神話の登場人物名が用いられており、当時の小さな子供には、やや取っつきにくい部分がありました。(当時の悪い怪人の元ネタは、たいてい、動物だったので)
その為、「仮面ライダーX」後半のGOD悪人軍団は、再び、動物名の怪人に戻った事で、やっと馴染みやすくもなったのですが、一方で、付随した「有名悪人の名前」の部分は、違う形で、小さな子供に多くの戸惑いも持たせたのでした。
ガマゴエモンとかカブト虫ルパンあたりなら、幼児でも、すぐに元ネタが分かったでしょうが、サソリジェロニモは、やや難易度が高かった気もします。外見から、とりあえず、インディアンだとは分かりましたが。
もっとも、「ウルトラマン」(1967年)にも、ジェロニモンと言う名のインディアン怪獣は出てきましたし、「おはよう!こどもショー」(1976年)でも、ジェロイモなんてインディアンキャラクターが途中から参加していましたので、当時の子供でも、多少は、その名に触れる機会はあったようです。
ヒトデヒットラーは、当時の幼かった私は、ガチで知らなくて、即、高校生の兄に聞いて、何者かを教えてもらいました。私にとっては、これが記念すべき初ヒットラーです。まさか、その後の人生は、どっぷりヒットラーネタに浸かってしまう事になるとは・・・。
そして、以降、GOD悪人軍団の方も、幼い私では、元ネタの分からない怪人が、ぞくぞくと登場するようになるのです。クモナポレオン、アリカポネあたりまでなら、ついていけたのですが。また、ヒルドラキュラやコウモリフランケンなどになると、もはや、悪人ではなく妖怪ですね。
トカゲバイキングは、現在なお、特撮ファンの間では物議を醸しているキャラです。
なぜなら、バイキングは個人名ではないからです。海賊の有名人ならば、海賊キッドとか、シルバー(「宝島」)とか、フック(「ピーター・パン」)とか、よおく探せば、見つかったような気もするのですが。
でも、当時はちょうど「小さなバイキング ビッケ」(1974年)なんてアニメも放送されていましたので、案外、それに乗っかった「バイキング」チョイスだったのかもしれません。
ムカデヨウキヒも、子供には、ほとんどピンとこない元ネタでしょう。美女の有名人を使いたかったのでしたら、むしろ、クレオパトラの方が分かりやすかったような気もします。
ただし、この当時は、ブルース・リーが日本でブームになっていた時期でもありました。「仮面ライダーX」の制作陣としては、どうしても中国人の怪人を登場させて、拳法で戦うシーンが撮りたかったのかもしれません。
タイガーネロも、小さい子供にとっては、まず分からないであろうキャラです。カメレオンファントマに至っては、今日でも、元ネタを知らない人が多いのではないのでしょうか。
こんな感じで、俯瞰してみますと、GOD悪人軍団には、超有名でもない歴史上の人物もだいぶ混ざっていまして、それどころか、悪人じゃなさそうな人物や架空の人物までもが採用されていました。これなら、このパターンを踏襲すれば、もっと多くの怪人も考案できた気がします。
私も、だいぶ昔ですが、GOD新悪人軍団の一人として、ウシベンケイなんて名前を考えてみました。これを当時の友人に聞かせてみたら、大笑いしたのでした。
「平成・令和生まれに捧げる特撮学」
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