2023年11月30日
登録販売者が成長する為に57(痔のご相談メールの返信について)
痔のご相談メールの返信について
登録販売者の皆様
お仕事お疲れ様です。
本格的に寒くなる季節になりましたが、皆様の地域はいかがでしょうか?
朝などの通勤時など、時にお気をつけて下さいね。
今回は、知り合いの登録販売者さんからのメールでのご質問です。
接客時に痔についてのご相談を受けたのですが、うまく説明出来なかったとの事でした。
ご相談内容について
先週はいぼ痔の中年男性が来られたのですが、いぼ痔と伺って市販薬での対応は難しいと思い込んでしまいました。完全に勉強不足でしたね。おそらく勇気を出して女性の私に聞いてくださったのに…。
飲み薬も手に持たれていましたが、結局ボラギノールのステロイドなしの緑色の軟膏を購入されていかれました。
以上の様なご質問でした。
この内容を正社員の人に以下の様に尋ねてみたそうです。
唯一話しやすい社員にも「いぼ痔で市販薬で対応は難しいですよね?」と聞いてみたのですが、「そうですね…」と言われて終わってしまったので、そのまま何もできずでした。
この内容をブログにアップしていただけると登録販売者の皆さんも勉強になるのでは?と思います!
このような内容のご返信を頂いたので、普段はお薬自体のブログは書いていないのですが、今回はご要望があったので、お伝えしたいと思います。
その時の私の返信メールです。
痔の場合、痔の症状の確認の為に2つの質問をして下さい。
@痛みはありますか?
A出血はありますか?
(排便時の時が多い)
この2つの質問により、痔の出来ている場所の特定に役立ちます。
肛門(歯状線)より中の痔の場合、痛みを感じる事はないかと思います。
内痔核の場合、出血をした時は、ポタポタとした鮮血になります。
痛みがある時は、外痔核もしくは切れ痔
外痔核は、痛みが強いかと思います。
(外の痔の場合は、ご本人が手で触れるので、分かると思いますが‥)
切れ痔の場合、痛みと少しだけの出血があります。
内痔核と切れ痔の併発もよくあります。
内痔核の場合
軟膏を手で塗らないので、坐薬になります。
外痔核の場合
外なので軟膏になります。
もちろん切れ痔も外なので、軟膏になります。
内痔核と切れ痔が併発している場合
坐薬と軟膏の併用が良いです。
2つを使う場合
坐薬の上に、軟膏を塗って肛門に入れると良いです。
別の案としては、注入軟膏を使います。
外は手で塗って、中は浣腸をする感じで絞って肛門の中に薬を入れます。
坐薬は、患部に留まるように設計されているので、座薬と軟膏の組み合わせの方がより良いですね。
痔のご相談の場合、ご本人でない場合も結構あります。
その場合、2つの質問に答えられないので、注入軟膏をお勧めしてもらったら良いかと思います。
内痔核の場合
症状が進んでくると、内痔核が肛門の外に出て来ます。(脱肛)
市販薬でギリギリ対応出来るのは、排便した後、脱肛した内痔核が自然に肛門の中に戻る時です。
内痔核が自然に戻らないぐらいなら、お医者さんの治療が必要です。
(手術の可能性もあります)
痔の飲薬について
症状が強い人ほど、内服薬を併用してもらえたらと思います。
炎症を抑えて血流タイプのボラギノールは、どのタイプの痔でも対応出来るかとは思います。
痔の場合
便秘になると排便時に強い症状が出やすいです。
便秘の人の場合
乙字湯をよく使います。
大黄が入っているので、便秘に対応出来ます。
脱肛の場合に対して、乙字湯にはショウマという成分が入っています。
このショウマ内臓を引き上げる作用があります。
脱肛で便秘でない人は、乙字湯は使わないです。
その時、補中益気湯にはショウマが入っているので、この薬を使います。
私は男性なので、女性の痔の相談の時に、あえて
"どうおっしゃられていましたか?"
と言う事があります。
そうすると、返答してもらいやすくなります。
ご本人の可能性が高いのですが‥
痔のご相談は難しいですね。
ただ、このご相談が上手くいったら固定客になります。
補中益気湯はショウマが入っているので、脱肛に使いますが、他の臓器にも使います。
例えば、脱腸や胃下垂などですね。
ちょっと難しいかも知れませんが、補中益気湯は使いやすい漢方なので、覚えておいて損はないかと思います。
この内容で書きました。
この時には書いていないのですが、細菌感染による"痔ろう"があります。
化膿しているので、激しい痛みや熱感や膿が出たりするので、ドラッグストアに来店される事はまず無いです。
もしこのようなお客様が来店されたら、すぐに“お医者さんに行って下さい"とお伝え下さい。
その時は、書いていないのですが、一般的なお薬のご相談の時と同じようなご質問である
"いつ頃からですか?"
“その症状で何かお薬を使われましたか?"
“他の病気なので、治療を受けていますか?"
などのご質問は省略しています。
私の内容が正解かは分かりませんが、少なくても、社員さんの“そうですね"よりはマシかと思います。
足らない内容が有れば、ご教授頂ければ幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございます。
(本ページにはプロモーションが含まれています)
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お仕事お疲れ様です。
本格的に寒くなる季節になりましたが、皆様の地域はいかがでしょうか?
朝などの通勤時など、時にお気をつけて下さいね。
今回は、知り合いの登録販売者さんからのメールでのご質問です。
接客時に痔についてのご相談を受けたのですが、うまく説明出来なかったとの事でした。
ご相談内容について
先週はいぼ痔の中年男性が来られたのですが、いぼ痔と伺って市販薬での対応は難しいと思い込んでしまいました。完全に勉強不足でしたね。おそらく勇気を出して女性の私に聞いてくださったのに…。
飲み薬も手に持たれていましたが、結局ボラギノールのステロイドなしの緑色の軟膏を購入されていかれました。
以上の様なご質問でした。
この内容を正社員の人に以下の様に尋ねてみたそうです。
唯一話しやすい社員にも「いぼ痔で市販薬で対応は難しいですよね?」と聞いてみたのですが、「そうですね…」と言われて終わってしまったので、そのまま何もできずでした。
この内容をブログにアップしていただけると登録販売者の皆さんも勉強になるのでは?と思います!
このような内容のご返信を頂いたので、普段はお薬自体のブログは書いていないのですが、今回はご要望があったので、お伝えしたいと思います。
その時の私の返信メールです。
痔の場合、痔の症状の確認の為に2つの質問をして下さい。
@痛みはありますか?
A出血はありますか?
(排便時の時が多い)
この2つの質問により、痔の出来ている場所の特定に役立ちます。
肛門(歯状線)より中の痔の場合、痛みを感じる事はないかと思います。
内痔核の場合、出血をした時は、ポタポタとした鮮血になります。
痛みがある時は、外痔核もしくは切れ痔
外痔核は、痛みが強いかと思います。
(外の痔の場合は、ご本人が手で触れるので、分かると思いますが‥)
切れ痔の場合、痛みと少しだけの出血があります。
内痔核と切れ痔の併発もよくあります。
内痔核の場合
軟膏を手で塗らないので、坐薬になります。
外痔核の場合
外なので軟膏になります。
もちろん切れ痔も外なので、軟膏になります。
内痔核と切れ痔が併発している場合
坐薬と軟膏の併用が良いです。
2つを使う場合
坐薬の上に、軟膏を塗って肛門に入れると良いです。
別の案としては、注入軟膏を使います。
外は手で塗って、中は浣腸をする感じで絞って肛門の中に薬を入れます。
坐薬は、患部に留まるように設計されているので、座薬と軟膏の組み合わせの方がより良いですね。
痔のご相談の場合、ご本人でない場合も結構あります。
その場合、2つの質問に答えられないので、注入軟膏をお勧めしてもらったら良いかと思います。
内痔核の場合
症状が進んでくると、内痔核が肛門の外に出て来ます。(脱肛)
市販薬でギリギリ対応出来るのは、排便した後、脱肛した内痔核が自然に肛門の中に戻る時です。
内痔核が自然に戻らないぐらいなら、お医者さんの治療が必要です。
(手術の可能性もあります)
痔の飲薬について
症状が強い人ほど、内服薬を併用してもらえたらと思います。
炎症を抑えて血流タイプのボラギノールは、どのタイプの痔でも対応出来るかとは思います。
痔の場合
便秘になると排便時に強い症状が出やすいです。
便秘の人の場合
乙字湯をよく使います。
大黄が入っているので、便秘に対応出来ます。
脱肛の場合に対して、乙字湯にはショウマという成分が入っています。
このショウマ内臓を引き上げる作用があります。
脱肛で便秘でない人は、乙字湯は使わないです。
その時、補中益気湯にはショウマが入っているので、この薬を使います。
私は男性なので、女性の痔の相談の時に、あえて
"どうおっしゃられていましたか?"
と言う事があります。
そうすると、返答してもらいやすくなります。
ご本人の可能性が高いのですが‥
痔のご相談は難しいですね。
ただ、このご相談が上手くいったら固定客になります。
補中益気湯はショウマが入っているので、脱肛に使いますが、他の臓器にも使います。
例えば、脱腸や胃下垂などですね。
ちょっと難しいかも知れませんが、補中益気湯は使いやすい漢方なので、覚えておいて損はないかと思います。
この内容で書きました。
この時には書いていないのですが、細菌感染による"痔ろう"があります。
化膿しているので、激しい痛みや熱感や膿が出たりするので、ドラッグストアに来店される事はまず無いです。
もしこのようなお客様が来店されたら、すぐに“お医者さんに行って下さい"とお伝え下さい。
その時は、書いていないのですが、一般的なお薬のご相談の時と同じようなご質問である
"いつ頃からですか?"
“その症状で何かお薬を使われましたか?"
“他の病気なので、治療を受けていますか?"
などのご質問は省略しています。
私の内容が正解かは分かりませんが、少なくても、社員さんの“そうですね"よりはマシかと思います。
足らない内容が有れば、ご教授頂ければ幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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