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2021年04月19日

「福島第一」 汚染水海洋放出問題の現状と行方




 「福島第一」染水海洋放出問題の現状と行方



            4-19-30.jpg

     4-19-30 九州大学大学院教授 出光 一哉 氏 (いでみつ・かずや)氏

 プロフィール 出光 一哉 氏 1958年 福岡県生まれ 専門は核燃料工学・環境同位体 九州大学大学院工学研究科応用原子核工学専攻修士課程修了 82年動力炉・核燃料開発事業団(現・日本原子力研究開発機構)入社 その後 九州大学工学部助教授 スイス連邦ポール・シェラー研究所客員研究員等を経て2002年に九州大学教授 経済産業省の汚染水対策委員会委員を務めて居る

 本文 汚染水とは何か

 ・・・福島第一原子力発電所の汚染水漏れ問題がナカナカ収束しません。先ず、汚染水とはどんなものか教えて下さい。

 汚染水にも何種類か在ります。3.11の事故で炉心に在った燃料が溶け落ち、圧力容器の外に出てしまいました。その燃料と冷却水が混ざり更に津波で建物の中に入り込んだ海水と混ざった水が大量に建物の底に溜まって居ます。これが一つ目の汚染水です。
 そして、その一つ目の汚染水を処理して居るものの、未だ放射性物質を除去し切れて居無いものも汚染水です。詰り建物の中に @未だ残って居る水と Aその水を処理してセシウム等が若干減った水 B「ALPS・アルプス・多核種除去設備」と云う装置を使って更に殆どの放射性物質を取り除いた水・・・@ABこれ等が全て「汚染水」と呼ばれます。

 タンクには様々な度合いの汚染水が貯められて居る

 ・・・問題に為って居るタンクから漏れて居る汚染水はどの様なものなのでしょうか。

 当初は最も放射能濃度が高い汚染水をキュリオン社やアレバ社等外国が作った除染装置を使って処理して居ましたが、その後「サリー」と云う東芝の装置でセシウムを主に除去する様に為りました。又、海水が混ざって居る為「逆浸透膜」と云う設備を通して海水を淡水に変えて居ます。淡水にした水は冷却の為に再度原子炉に注入して居ます。処理後に残った(セシウム以外の放射性物質を含んだ)少し濃く為った塩水がタンクに貯蔵されます。
 漏洩(ろうえい)を起こしたタンクからは、或る程度放射性物質が含まれて居るものが漏れてしまいました。タンクには、淡水に為ったもの等、汚染の度合いが様々な汚染水が貯蔵されて居ます。どの様な汚染水が漏れたかは、どのタンクから漏れたかによって変わって来ます。

 ・・・タンクからの汚染水漏れの原因は何なのでしょうか。

 日々、汚染水が大量に発生して居ます。それに合わせてタンクを大変なスピードで作って来て居ますので、その中で品質管理の問題が在ったと思います。タンクのパッキンが劣化してソコから漏れが生じた為、今は溶接型のタンクを出来るだけ増やそうとして居ます。

 「ALPS・アルプス」の稼働で問題に為る放射性物質はトリチウムだけに

 ・・・「ALPS・アルプス・多核種除去設備」が稼働し始めましたが、効果はどれ位見込めるのでしょうか。

 今迄放射性物質を除去する為に稼働して居た「サリー」は、主にセシウムを除く為のもので、セシウム以外の放射性物質はそれ程取り除く事が出来ませんでした。「ALPS・アルプス」は、トリチウム以外の放射性物質62核種を安全な基準レベル迄取り除く事が出来る装置です。少しトラブルがあり未だ本格稼働迄は至って居ませんが(10月16日現在)本格稼働した場合には、処理後に残るのはトリチウムだけに為ります。

 ・・・トリチウムとはどんなものでしょうか。

 「トリチウム・三重水素」とは水素の仲間で、普通の水素の原子は陽子と電子1個ずつで成って居ますが、トリチウムはそれに中性子が2個クッ付いて少し重く為って居る水素です。化学的な性質は水素と同じで、トリチウムと言われて居るものは全てトリチウム水と云う水の形に為って居ます。化学的な性質等は普通の水と同じです。
 トリチウムは自然界にも存在しますが、福島第一の汚染水に含まれるものは、原子炉の中で生じたトリチウムです。

 水素に中性子が一つ加わった重水素と云う元素が冷却水に僅かに含まれて居ますが、その重水素が中性子を吸収しトリチウムに為ったのです。トリチウムは放射性で、非常に弱いエネルギーのベータ線を出し半減期が12年程です。セシウム等に比べると、同じベクレル数でも危険性は1,000分の1以下です。
 トリチウムは、ヒトの細胞膜を透過出来無い位弱いベータ線しか出さ無いので、基本的に外部被ばくによる影響は無いと考えて好いでしょう。体の中に入った場合の内部被ばくも、ベータ線のエネルギーは非常に弱いので、直接細胞を破壊する力は余りありません。

 また、新陳代謝で普通の水と同じ様に排出され体内に溜まって行く事はありません。只、水素体の構成元素と同じなので、体の中に入って、例えばDNA中の水素と置き換わって放射性壊変でヘリウムに変わった時にDNAを壊してしまうと云う事が心配されます。しかし、非常に大量のトリチウムを取り込ま無ければ、人体に影響を及ぼす様な状況は起こら無いと考えられて居ます。

 トリチウムは安全なレベルで排出して好いと法律で決められて居る

 ・・・トリチウムは全国の原子力発電所から海に排出されて居ますが、どの様に規制されているのでしょうか。

 トリチウムは毒性が低い事と、水と同じ性質で閉じ込めて置くのが難しい為、或る濃度以下であれば発電所から廃棄して好い事に為って居ます。その排出基準ですが、法律上の濃度上限は1リットル当たり6万ベクレルに為って居ます。
 この算出根拠は、ヒトは1年間に1トン位水を体に摂取しますが、その水が全てその濃度で在ったとしても内部被ばく量として1ミリシーベルト以下に為る濃度とされて居ます。

 仮に1リットル6万ベクレルのトリチウムが含まれる水を飲み続けたとしても、影響が出無いとされる濃度です。その濃度とは別に、原子力発電所は夫々の発電所で放射性物質をどれだけ出して好いと云う総量規制があり、年間で10〜100兆ベクレル迄放出することが許されて居ます。
 トリチウムは水と同じ性質なので、セシウム等と違って生物濃縮を考え無くて好いのです。又、世界全体で1京ベクレル(1兆の1万倍)以上のトリチウムが毎年自然界で生成されて居ます。その内の1割以下位を発電所等から放出して居ます。この様に、自然界の濃度を殆ど変え無いレベルで発電所からの放出の総量の規制がされて居るのです。

 ・・・トリチウムの処理は今後どうするか考えられて居るのでしょうか。

 トリチウムを水素から分離出来ないかと云う技術的な調査も行われて居ますが、水から水を分ける様な話で、同位体分離に為りますので多大なエネルギーを使います。仮に取り出す事が出来たとして、濃くしたものはどうするか・・・それも又難しい問題で、或るものを100分の1にすると濃度が元より100倍に為って居るものが出来てしまうのです。
 そうすると、今度は濃度が100倍濃く為ったものをどうするのかが難しく為って来ます。ですから、総量規制をしつつ濃度を基準値以下に薄めて「害を十分低く抑えた」レベルにして放出した方が安全ではないかと思います。

 ・・・蒸発させるのはどうなのですか。

 同じ事なのですが、要は水で薄めて捨てるか空気中に薄めて捨てるかの違いですね。空気中に出す時の規制濃度も決まって居てより厳しく為ります。蒸発させる時にもエネルギーが必要な為、矢張り水と混ぜて希釈して放出する方が良いと思います。
 しかし、現在、福島第一原子力発電所の現場に溜まって居る量は、元々の福島第一発電所の放出規制総量の10倍以上あるので、一度に1年で出してしまう訳にはいきません。10年程度掛け少しずつ薄めて出して行く等の対応が必要に為って来ます。
 雨が降っても地下水が流れ込んでも、溜まる一方なのでそれを10年も20年も溜め込んだママで置く事は物理的に不可能です。何処かの段階で基準値以下の安全なレベルの汚染水は放出し無ければ事態は改善されません。

 1,000トンのタンクを2日に1個ずつ作って行かなくては為ら無い

 ・・・汚染水漏れの話に戻りますが、貯蔵タンクの施工をもう少し何とか出来ればと思います。

 普通の状態で竣工出来れば好いのですが、タンクの増設も次から次へと追われての作業ですから難しいですね。一体1,000トンのタンクですが、地下水の流入で汚染水が毎日400トン増えて行くので、2日に1個ずつタンクを作ら無ければ間に合いません。アレだけ大きなタンクを2日に1個ずつ作って行くと云うのは非常に大変です。尚且(なおか)つ普通の条件では無くて、皆防護服を着て通常の作業とは又違う注意をしながらの作業です。ミスを出してはいけ無いのですが、完全を求めるのはナカナカ難しい処もあると思います。

 ・・・良い解決策は無いのでしょうか。

 打ち出の小槌的な魔法の様な対策は直ぐには出て来ないのですが、幾つかの対策を積み重ねて少しでも汚染水を減らして行くしか今は方法がありません。地下水バイパスや幾つか水を減らす対策が検討されて居ます。

 @ 山側の凍土壁と海側で水を止めるもの それから 
 A 汚染して居る部分に水が入ら無い様にサブドレインと云う所から水を抜いて 
 B 建物に水が入ら無い様にする等・・・様々な対策は考えられて居ます。

 只、工事が必要なものはどうしても時間が掛かるのでナカナカ直ぐには行きません。地下水バイパスは、原子炉に流れ込む前に地下水を手前で抜いて捨てるのですが「放射能が無くても、捨ててはいけ無い」と言われるとどうしようも無い。
 抜く量は流れ込むより多いのです。それを「捨ててはいけ無い」と言われた途端に、今度は何もし無いより汚染水が増えて行ってしまう問題があります。「或るレベル以下で安全なものは捨てて好い」と云う確約が取れ無いと水を抜く事も出来ません。

 規制値以下の濃度が薄いものを捨てる事自体は法律違反でも何でも無いのですが、風評被害を怖れた反対等もありますので、東京電力が幾ら説明してもナカナカ理解を得られ無い処は、国が確りと安全性の説明をする必要があると思います。
 問題は風評被害です。汚染されて居様が居まいが、兎に角発電所の敷地から何かが海に放出された・・・そう云う報道が有るだけで影響を受けると云う恐れがあります。ですから、風評被害を起こさ無い様に何とか手立てをし無ければ為りません。

 今は周囲の地下水を流れ込ま込ま無いにするしか無い

 ・・・地下水が1日400トン流れ込んで居る事には驚きました。

 福島第一の土地は、海沿いから高低差が有るのですネ。高い所は30〜40メートルありますし、海沿いは津波が来た所は10メートル位の高さがあり、海に向かって地下水が流れて居たのです。建物も大きいですから、津波で壊れて配管等に穴が開くとそこからドンドン入って来てしまうのです。
 直ぐその様な箇所を埋められれば好いのですが、地中で壊れていたり、線量が高くて近付け無い様な所の配管が壊れて居るとナカナカ修理に行けません。ですから、出来るだけ流れ込ま無い様にその周囲の地下水を減らすしか今の処方法は無いでしょう。

 地下水バイパスは、事前に地下水を抜いて建物全体の水位を下げ様と云う方式です。元々原子炉の周りにサブドレインと云う水を抜く穴が在って、原子炉に水が流れ込むのを防ぐ事もあるのですが、浮力で建物全体が浮き上がろうとする力を減らす役目も在ったのです。
 しかし、水素爆発で瓦礫などが飛んで来て上手く動か無く為り水位が上がってしまった状態なので、サブドレインを復活させて、そこの水を抜いて濃い汚染水がドンドン出来無い様にする事も考えられて居ます。

 今は、只汚染水を処理するだけが目的では無くて、廃炉作業に入る為に建物をドライにして除染をしアクセス出来る様にし無ければいけ無いのです。その為には、先ず地下水・タービン建屋の下や炉の建屋の下に在る水を1回全部抜いてしまうと云う操作が必要です。
 そして、水が流れ込んで居る部分を完全に保修して、水が出入りし無いものを造り上げ、又水を張って解体工事を遣って行く事に為ります。

 ・・・最初のステップの処がナカナカ上手く行か無くて、苦労して居ると云う感じですね。

 そうですね。地下水の流入を防ぐ為の山側だけの凍土壁だけでもダメなのです。全体を取り囲む処まで遣らないと効果は出て来ませんし、原子炉建屋の下から入って来ている水は止められません。下からはそれ程沢山は来ないのですが、それでもゼロでは無いので凍土壁が万能だと云う訳ではありません。
 作る順番も難しくて、例えば海側を先に遣ると今迄出て行った水が出て行か無く為るので地下水位が上がって、今よりも地下水が流れ込むかも知れ無い事もあるので、作る順番等も考え無ければなら無いのです。

 また、一度に全て水の流れを止めてしまうと云う事も出来ません。中に汚染して居る水が未だ入って居り、周りの地下水が下がってしまうと、逆に中の汚れた水が外に出て來るかも知れないので、地下水位は常に中の水位よりも高目にして於いて、全体を少しずつ下げて行く様なコントロールが必要です。

 タンクはキチンとしたものを作り直す必要があるかも知れない

 ・・・その他、今後の見通しや課題はいかがでしょうか。

 汚染水は未だ増えて行く事を考えると、矢張りタンクの増強は必要だと思います。もう少し本格的に溜めて置ける様なもの、或いはタンカーの様なものを持って来て、ソコに一次貯蔵すると云う話もあります。兎に角何処かに一度貯蔵して、キチンとしたタンクを作り直す事も必要かも知れませんね。
 その為には、タンクの容量を空け無ければ為ら無いので、汚染水を何とかして減らし少し時間稼ぎをしながらキチンとしたものを作って行く事が重要かと思います。

 少なくともトリチウムは直ぐに全ての量を放出する事は無理ですから、その分を溜められるだけの漏れの無いものを準備し無ければ為りません。1,000トン規模のタンクが何百基とある為メンテナンスも非常に大変です。一日も早い汚染水処理の為にも、確りとした貯蔵タンクを作ると云う事が何より重要です。

                 以上

 「汚染水について」経済産業省HP 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会代3回会合資料3(平成25年9月)より

 科学者と云うより行政官と云う立場での説明の様です。文章だけで図解が無い為、理解し難いので次には、三菱重工・民間の科学者のお話を掲載します・・・管理人












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