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2020年04月21日

108兆円の見せかけ 省庁の思惑 元官僚作家が斬る「コロナ対策迷走の元凶」




 108兆円の見せ掛け 省庁の思惑 

 元官僚作家が斬る「コロナ対策迷走の元凶」


          〜現代ビジネス 西村 健 作家 4/21(火) 11:01配信〜


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                 作家 西村 健氏 

 安倍晋三首相が4月16日、東京都など7都府県に発令していた「緊急事態宣言」の対象地域を全国に拡大すると発表した。同時に、困窮世帯に限り30万円を支給するとしていた経済対策を改め、現金10万円を全国民に一律給付するとの方針も打ち出された。

 前者は「何故7都府県に限るのか」との疑問が当初から上がって居り、愛知県や京都府等が「うちも対象地域に含めて呉れ」と要望して居た案件である。後者も「何故世帯毎に配るのか」との疑義が上がり「対象者の選別が分かり難い」「申請者にのみ配ると云うのでは、真に必要としている人に回ら無い恐れがある」と評判は散々だった。
 何れも世間からの批判に耐え切れず、方針返還を打ち出さざるを得なかった訳で「これなら最初から今のやり方にして置けば好かったではないか」との糾弾は免れ無い。こと程左様に安倍政権に於ける新型コロナウィルス対策は、後手後手と錯綜が繰り返されて居る。何故こうも対策が迷走ばかりしているのか。理解するには、国のホンネを押さえて置かなければ為ら無い。「兎に角為るだけ金を出したく無い」これである。

 「お願いベース」の理由

 元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏が4月12日の生討論番組『日曜THEリアル! 』(フジテレビ系列)に出演し、新型コロナにも適用される事と為った新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」)を「天下の悪法」と扱き下ろした。「要請と云うお願いベースだから『休業しても金銭的な補償はしませんよ』と云うのがこの法律の根幹」だと云うのだ。
 小池百合子東京都知事等が今回の緊急事態宣言を受け、都民の「外出自粛」や各種商業施設の「営業自粛」を要請した様に、この特措法のキーワードは確かに「要請」に在る。これが「命令」であれば強制力は強い。出されれば従うしか無い。一方、営業停止を命令されたのだから「代わりに損失は補填して呉れ」とコチラも声を上げる権利が発生する訳だ。

 事実、欧米では多く外出禁止令が発されて居るが、例えばフランスでは代償として「企業に対する休業補償を強化する」など、強制と補償とはセットに為って居る。しかし「要請」であれば「お願い」に過ぎず、従ったからと言って補償する義務は発生しない道理だ。
 この点を衝いて橋下氏は「官僚の悪知恵を詰め込んだクソ法律」と斬り捨てた訳で、まさに仰る通りである。実際にはこの国に於いては、首長による「お願い」は限り無く「指示」「や「命令」に近く、地方公共団体毎に様々な救援策が打ち出されて居る。

 それでも、なのだ。それでもこれは飽く迄「お願いを聞いて呉れたお礼」に過ぎず、法で規定された補償では決して無い。その気に為れば「金は払えんよ」との最後っ屁を温存した法律であると云う事を忘れては為ら無いのである。この点にも垣間見えるであろう「兎に角国は金を払いたく無い」と云う大前提が。

 3月13日特措法改正 緊急事態宣言は4月7日

 思い出してみて欲しい。2012年に成立した特措法を改正し、新型コロナにも適用出来る様にしたのが今年の3月13日。「別に改正しなくても適用出来るのではないか」等の反対論を押し切り、拙速とも批判されつつ「改正法」は国会を通過した。
 そこ迄緊急性・必要性を認めて居たのなら成立した直後にでも、サッサと緊急事態宣言を出せば好かったではないか。なのに実際は「未だその状況では無い」とノラリクラリ逃げるばかり。痺れを切らした東京都が独自の「外出自粛要請」を出す等、周りから押される形で言わば渋々、宣言を行ったのが4月7日だった。

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 しかもその後、小池都知事人差し指サインが商業施設への「営業自粛」を呼び掛け様とすると国は「待った」を掛ける。西村康稔経済再生担当相は対象と為った7都府県知事とのテレビ会議で「外出自粛の効果を見極めてからにしよう」「休業要請を2週間程度見送る」様呼び掛けたと云う。
 「休業要請」と為れば業者の損失も大きい。国のこの反応は「補償を為るべく避けたいが為」と見なければ説明はつくまい。ここにも又「金を払いたく無い」ホンネが窺えるのだ。

 「そんなに待て無い」と反旗を翻した小池都知事と西村大臣は9日に会談。可成りの強硬策を考えて居た都知事に一部譲歩を認めさせた形で、お互いが擦り寄った。理髪店やホームセンターには営業を認める。居酒屋を含む飲食店には営業時間の短縮や、酒類の提供を早めに終える等の対応を求める事と為ったのは、衆知の通りである。
 この居酒屋への対応策にも、補償金を削りたいホンネが隠されて居る様に思えて為ら無い。ソモソモ開店時間は8時迄、酒の提供は7時迄などとされては居酒屋としては、真面な営業など出来はすまい。「閉めろ」と言って居る様なものではないか。都は要請を聞き入れて呉れた業者には独自の「協力金」を支払う、と言っているが、我が家の近所の居酒屋店主は「本当だろうか」と疑念を払拭出来ないで居る。

 「『閉めろ』と言われて閉めたら、ソリャ一目瞭然だからお金も払って貰えるでしょう。でも8時で店を閉めてお客への酒も7時で止めました、何てどう遣って証明するの。『ちゃんと遣りました』って分から無けりゃ、都だってお金は出せ無いでしょう。私はこの規制、居酒屋に補償金を出さ無い為の誤魔化しに思えて仕方がないんですけどねぇ」
 
 国が都に金をケチる入れ知恵をしたのではないか、と云う訳だ。

 「108兆円規模」のからくり
 
 此処で今更ながらだが、では何故国は金を払いたがら無いのか。そもそも論に付いて考察してみたい。既に広く知られている通り、我が国の財政は先進国の中でも突出して借金塗れである。2月10日に財務省の発表した、国債や借入金等の残高を合計した「国の借金」は2019年12月末時点で実に1,110兆7,807億円・・・単純計算で国民1人当たりの借金額は約896万円に上る異常事態である。
 この為財務省としては財政健全化が言わば至上命令。借金を減らす為には収入を増やすか歳出を減らすしか無い。消費税は昨年10月に8%から10%に引き上げられて居り、続けての増税はナカナカに難しい。為らば歳出を減らす、為るべく金は払わ無い・・・と云う対応に為るのも自然な流れではあろう。

 少し話はズレるが今般の緊急事態宣言に伴って「108兆円規模」と云う緊急経済対策が打ち出された。3月27日に成立した2020年度国家予算は一般会計で102兆6,580億円だから、予算1年分をも上回る大盤振る舞いと映る。だがこれも数字の誤魔化しに過ぎ無い。
 飽く迄事業規模が「108兆円」レベルだと云うだけで、実際の政府による財政支出は39兆円。この内「新型コロナウィルス 感染症緊急経済対策関係経費」として計上された額は16兆円に過ぎ無い。今般の10万円給付への方針転換に伴いこの額は変更される。「108兆」と云う数字にばかり注目を集めさせ「チャンと遣って居るよ」と見せ掛けたい財務省の思惑が此処にも透けて見える。

 必要なのは「真のリーダーシップ」
 
 立場が違うから反対意見が出るのは自然なことだ。そうして議論を尽くし、最適な政策に導いて行く。民主主義とは本来そう有るべきものだろう。だが現状は非常事態である。悠長に最適解を探っている余裕など無い。多少、乱暴ではあっても強力なリーダーシップで「エイヤッ」と政策を打ち出し、実行に移すべきだろう。途中で間違って居たと分かればその場で方向転換すれば好いのである。処がこの国では今でも、平時通りの遣り方を続けようとして居る。

 「10万円一律配布」へと組み替えが必要と為った補正予算も然り、だ。経済対策を実行するには裏付けとなる補正予算案が国会で成立し無ければ為ら無い。その審議に必要な予算書を作成するだけで大変なのだ。金額は1,000円単位で記載され、間違いが無いか財務省職員が数字を一つ一つ確認し無ければ為ら無い。それだけで通常2〜3週間は掛かる。
 更にこれを衆議院規則で「印刷して各議員に配布」することが求められて居る。衆参の国会議員は総勢、約700人。印刷するだけで2、3日は要す。こうして我々の手元にお金が届く迄、貴重な時間が費やされて行くのだ。「こんな事態なんだから今回はペーパーレスで好いじゃないか」と云う話にはナカナカ為って呉れ無い。

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 4月17日、麻生太郎財務相人差し指サインは「一律給付」の筈の10万円を「手を挙げた方」に払うと言い出した。迷走は止まら無い。緊急事態宣言を適用する対象とすべきは、先ず政府そのものなのかも知れない。

 各省庁の「思惑」

 只此処でつけ加えて置くと、一口に財務省と言っても一枚岩では決して無い。省内には有名な主計局だけで無く主税局・理財局等複数の局が存在し、夫々思惑が微妙に異なる。主計局は予算を編成する所で、今回の補正予算に付いても中心を担う。主税局は税制の企画立案をする所で、消費税増税でも辣腕を振るった。
 問題は理財局である。国有財産の管理や国債の発行等を主管する所で、森友問題の国有地払い下げに於いては疑惑の焦点と為った局だ。国債の発行も自らの責務だから、余りに乱発して収集がつか無く為る事は避けたい。只一方、税収が十分で国債が必要無く為ったらそれはそれで困る立場なのだ。財務省の友人が私に語って呉れた事がある。

 「省を挙げて財政健全化なんて言ってるけど、理財局の内心は一寸違います。国債が要ら無く為ったら自分の存在意義にも関わりますからね。或る程度、予算が国債に頼って貰わ無ければ困る、と云うのがアソコの偽らざるホンネですよ」
 
 自らの存在価値が危うく為る事態は避けたい、と云うのは役人の本性である。或る程度、借金が残って居た方が好いと云う立場も有るのか、と納得したのを好く覚えている。
 この様に局毎の思惑は有るものの基本的には、財務省は出来るだけ金は出したく無い。ソコに「経済の停滞は何としてでも避けたい」経済産業省と「アラユル手段を講じてウィルスを封じ込めたい」厚生労働省の思惑とが鬩ぎ合う。更に国民の人気取りに汲々とし、批判は避けたい政治家の思いが交錯し、パワーゲームの中で政策が決まって行く。

 何を遣りたいのか好く分から無い対策が次々と打ち出され、紆余曲折して居る現状の根源は、この政策決定過程に有るのだ。後手後手に回るのも、迷走ばかりして居るのも当たり前である。


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 作家 西村健 東京大学工学部土木工学科卒 旧労働省(現厚生労働省)勤務を4年で辞め講談社Views誌の記者に フリーライターを経て『ビンゴ』(講談社ノベルス1996年刊)でデビュー 代表作 デビュー作『ビンゴ』で第15回日本冒険小説協会優秀賞 『劫火』(講談社ノベルス)で第24回日本冒険小説協会大賞受賞 2012年『地の底のヤマ』にて第33回吉川英治文学新人賞を受賞 2014年『ヤマの疾風』にて第16回大藪春彦賞を受賞 他に小説に『脱出』(講談社文庫)『あぶく銭』(角川書店)等 ノンフィクションに『霞が関残酷物語』(中公新書ラクレ)など
 趣味・特技等 趣味は飲酒、読書、映画鑑賞、鈍行列車乗り歩き 特技は何時でも何処でも一人でも呑んで居られる事、位でしょうか・・・


                     以上












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