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2020年04月10日

「政府をリアルタイムで批判すべき」緊急事態と法律、憲法学者の木村草太さんに聞く




 「政府をリアルタイムで批判すべき」

 緊急事態と法律 憲法学者の木村草太さんに聞く


              〜時事通信 2020年4月10日 発信〜

 〜何故日本ではロックダウンが出来無いのか・「緊急事態宣言」に至る政府のプロセスの問題点は何だったのか・そして、憲法改正の「緊急事態条項」の議論を進め様とする事の危うさとは何なのか〜


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                憲法学者の木村草太氏

 〜新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令された。日本では現行法下で「ロックダウン」が出来無い一方で、そうした対処を求める声も少なくは無い。内閣に強い権限を与える憲法の「緊急事態条項」を求める声も、依然として挙がって居る。
 こうした未曾有の危機と法律の問題を、私達はどう考えるべきなのか。憲法学者で都立大学教授の木村草太さんに話を聞いた〜


 Q 緊急事態宣言が出されましたが、外出自粛や施設の使用制限は要請ベースに止まります。何故日本では「ロックダウン」が出来無いのでしょう?既存の法解釈では難しいのでしょうか。

 今回、緊急事態宣言が出される根拠と為って居る新型インフルエンザ等対策特別措置法は、2009年の新型インフルエンザ流行を受けての措置法です。コレは、当時流行して居た新型インフルエンザウイルスの特性を前提に作られた法律です。
 本来、新型コロナウイルスにも特措法はそのママ適用出来た筈です。しかし、政府は、今回の宣言に向けて、3月に、新型コロナウイルスが適用対象で有る事を明示する為に特措法を改正しました。只、改正内容は、適用対象で有る事を明確化しただけで、特措法の内容が新型コロナウイルスの特性に適したものに変更された訳ではありません。

 新型コロナウイルスは、潜伏期間が長い・感染しても無症状で有る割合が極めて高い・症状の格差が大きい等・・・新型インフルエンザとは異なる特色を持って居ます。新型インフルエンザへの対応を想定した特措法の内容では、新型コロナウイルスに上手く対応出来るとは限りません。
 現在の新型インフルエンザ等特措法に依る対応は、飽く迄応急措置の様なものです。早急に、新型コロナウイルスの特性を踏まえた特措法を整備し無ければ、感染拡大を防止するのに必要な規制も国民の生活を支える補償も十分には出来無いでしょう。

 又、日本には感染症法・・・感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律と云う法律も有りますが、これも、基本的に従来からある(コレラや結核等)有害な感染症への対応を想定して作られて居ます。その為、新型コロナウイルスへの対処では、上手く機能しない面があるのは当然でしょう。
 そのほか、外出規制の根拠として警察法等を検討する人も居る様ですが、条文上、感染症拡大防止の目的に利用すると解釈するのは困難です。無理に条文を捻じ曲げて解釈すれば、市民や司法から、違法・無効と批判されます。ウイルスの特性を踏まえた特措法をキチンと作る必要があるのではないでしょうか。

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 「科学的根拠と人権の保障をセットで」

 Q 私権を制限するロックダウンの様な措置を含んだ法体系が必要なのでしょうか。

 強権的な措置を準備する事に付いて、法学者の間には、慎重な意見もあります。只、私の意見としては、感染症の専門家が十分な科学的根拠に基づき、今以上に強力な外出制限が必要だと判断した時に、それが出来る様に法律を整備する必要はあると思います。
 今回のコロナウイルスに関して言うならば、武漢で都市封鎖が行われた時点で、日本でも同様の措置が必要に為る可能性を考慮して、法案を準備して置くべきだったと考えて居ます。その時点で、より強力な規制や、外出制限中の生活保障・事業補償を備えた特措法が出来て居たら、現局面での対応は、よりスムーズに為ったのではないでしょうか。

 Q 仮に特措法を作るのであれば、どの様な法整備が必要だとお考えですか?

 ポイントは私権を制限する措置の科学的根拠と人権の保障をセットで考える事です。
 ハンセン病の隔離政策に対して違憲判決が相次いで居る事からも分かる通り、らい予防法(1996年廃止)に基づく日本の感染症対策措置は、科学的根拠を欠いた上人権への配慮が不足し差別的な隔離が長年に渡って行われました。こうした事が繰り返され無い様、強力な措置を執る場合には、人権を尊重するのは勿論、十分な科学的根拠を十分に検討する必要があります。
 又、外出制限に伴う生活補償の方法への配慮も必要です。こうした事態では、弱い立場に有る人程、大きな打撃を受けてしまいます。子供の教育機会の担保・DVや虐待に対する充実した対応・ホームレスの方々が安心して住める場所等・・・弱い立場の人達への配慮が出来て居るかにも、注目する必要があるのではないでしょうか。

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 緊急事態条項議論は「火事場泥棒」

 Q これ迄の政府の対応には、安倍首相に依る一斉休校要請等、法律に基づか無いものもありました。

 2月に安倍首相が休校要請をしましたが、キチンとした法的根拠が無い事が批判されました。特措法では、休校の要請は、政府対策本部の緊急事態宣言を受けて、都道府県知事が行う事に為って居ます。休校措置をとるか否かは、飽く迄も各知事の判断すべき事です。
 特措法上は、ソモソモ緊急事態宣言が出ないと、知事は要請が出せ無いと云う立て付けに為って居るので、法的根拠が無い宣言や要請が積み重なってしまったのだと思います。例えば、北海道では知事が独自に緊急事態宣言を出し、外出の自粛を要請しました。その後、東京都等でも、都知事が自ら自粛要請を出して居ます。これ等の要請の法的根拠は判然としません。そうすると、特措法条の緊急事態宣言を、政府がモッと早く出すべきだったと言えるでしょう。

 Q 安倍首相は4月7日、衆院議会運営委員会で緊急事態宣言に付いて報告した際、憲法改正による緊急事態条項の導入に付いて国会の議論を改めて促しました。一方、改憲に反対しつつ新型コロナでは強い対応を求める事を批判する声もあります。

 緊急事態と云う言葉で連想ゲームをするのは正しく無い。新型インフルエンザ等特措法の「緊急事態宣言」に乗じて、憲法上の「緊急事態条項」の議論を進め様とするのは火事場泥棒です。両者は全く別物です。
 2012年の自民党改憲草案で示された緊急事態条項は、政府が緊急事態宣言を出すと、国会をㇲッ飛ばして立法権をも行使出来る「内閣独裁条項」です。諸外国と比べても、歴史的に見ても、余りにも強権的過ぎる内容に為って居ます。
 一方で、新型コロナウイルスへの対応として、早期の緊急事態宣言やロックアウトの必要性を求める人も多かったですが、コレは憲法上の「内閣独裁条項」では有りません。新型コロナウイルスの感染拡大を防止する為に、罰則付きの外出制限等、強制措置を含む様な立法や対策を求めて居た訳です。

 仮に、現在の特措法に比べ、より強い活動制限を掛けるとしても、感染拡大を防止する為には、それだけの規制が必要で有るとの十分な科学的根拠が有れば、それを違憲と批判する人は少ない筈です。特措法の「緊急事態宣言」と、憲法上の「緊急事態条項」とは、全く違う事柄ですから、憲法改正案に反対しつつ(コロナ対策では)より強い措置を求めると云う事は何ら矛盾しません。

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 「一斉休校」の問題点

 Q とは云え、内閣に強い権限を与えれば、より感染症時の対策等もスムーズに為るのではないでしょうか?

 今回の新型コロナウイルスに関する1〜3月迄の経緯は、感染症対策に内閣独裁権を与える事が不適切で有ると云う事を実証して来たと云うプロセスだったと考えて居ます。スピーディーな決定が出来る権限が与えられて居ても、専門家と政府の密接且つ適切なコミュニケーションや手続きが無ければ、ソレは独裁判断に過ぎず、市民を混乱させるだけで適切な効果を生みません。
 現在、自民党と公明党の与党で国会の過半数を持って居る訳ですから、新型コロナウイルス対策の法律を立法する事は十分に出来た筈。しかし、実際にはそれをし無かった。緊急事態宣言も出さ無かった。今回の対応のスピードが遅かったとしたら、憲法や法律の所為では無く、政府・与党が、危機のレベルを低く見積もって居た事が原因です。
 思い出して欲しいのですが、政府・与党は、3月半ば迄「東京五輪を予定通り出来る」と云う程度の危機認識だった訳です。

 Q 一斉休校はどうでしょうか?

 2月末の一斉休校要請は先述の通り、根拠と為る条文が存在しませんでした。アノ要請自体は、内閣独裁権の発動の様なものとして観られるでしょう。しかも、アノ要請は、専門家への諮問無しに行われました。当然の事ながら正しい結果を生ま無かった。
 アノ要請は、過剰・過少の両方の問題が有ったと思います。感染が広がって居らず、必ずしも休校措置が必要無い地域も在った、と云う点では過剰でした。一方で、大規模イベントを除けば、学校以外の施設や企業には要請は出されず、その面では過小だったと言えるでしょう。
 更に、法的にも科学的にも根拠無く要請をした為に、途中で解除せざるをえ無く為りました。事態が終息せず、寧ろ感染が拡大する中で要請が解除された事で、人々の間に解禁ムードを生んでしまった。

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 必要なのは「丁寧な手続き」

 Q 矢張り科学的根拠が大切なのですね

 独裁権さえ与えれば、自ずと何とかなる・適切なスピードに為ると云うものでは有りません。今回の例からも判る様に、感染症の様な緊急事態に於いては、正しい科学的根拠と適切な法的根拠に依拠して判断を行う事が何よりも重要です。ソモソモ、内閣は感染症の専門家ではありません。
 又、休校要請をするので有れば、医学的な専門家だけで無く学校教育の専門家への相談も必要でしょう。適切に相談して居れば、子供の教育を受ける権利を守る為の対策をもっと講じられたかも知れません。或いは、外出制限をするなら、例えばDVや虐待・ホームレス支援の専門家の話を聞きながら、人々の権利が守られる形での制限プログラムを組み立てないといけ無い。

 2月の休校要請も、首相が緊急事態宣言を出して、各都道府県知事に休校要請の権限を与えた上で、専門家から「どの様な地域で休校要請が必要なのか」の基準を説明して貰う手続を踏んで居れば、景色は違って居たでしょう。
 今求められて居るのは、専門家や当事者の声をㇲッ飛ばして独裁する事ではありません。寧ろ、適切に専門家や当事者の声を汲み取った、丁寧な手続き・プロセスの枠組みが必要に為るのです。

 Q こうした緊急事態に於いて、政府の対応に付いて「批判をするな」と云う様な声も聞かれます。

 政府が常に批判的検証の対象と為るのは当たり前です。リアルタイムでドンドン批判をして行く必要が有ると思って居ます。政府の活動に不適切だったりサボったりして居る事が有れば、国民は確りと表現の自由を行使して、批判すべき点は批判すべきでしょう。

 そうした批判に適切に耳を傾ける事で、政府は説明責任を果たしより良い政策判断をしたり、情報公開に依って国民の信頼を得る事が出来ます。批判を抑圧すれば、政府が誤った判断をする可能性が高まり、国民の不信感が高まるだけでしょう。今回で云えば、法的根拠や専門家への相談・教育現場へのサポート無しに行われた一斉休校要請や、専門家に聞けばより有効な予算の使い方が出て来ると想定されるマスク2枚配布等は、批判されるべきだと考えて居ます。

 今後も、そうした思い付き、独裁的な判断がされ無い様、どう云う判断とプロセスが為されて居るか、確りと検証して行くべきでは無いでしょうか。


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 木村草太 東京都立大学教授(憲法学専攻) 著書に『平等なき平等条項論』『憲法の急所』『キヨミズ准教授の法学入門』『憲法の創造力』『憲法学再入門』『未完の憲法』『テレビが伝えない憲法の話』『憲法の条件』『集団的自衛権はなぜ違憲なのか』『憲法という希望』『子どもの人権をまもるために』『社会をつくる「物語」の力』『ほとんど憲法』など

                   以上











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