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2018年05月22日
続「首相動静に登場しない来客」の実態
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午前中に書いたブログ記事はかなりクリック数が多く、愛媛県が国会に提出した文書に対する関心の高さが分かります。
私は気付きませんでしたが、愛媛県の文書に使われているフォントに不自然な点があるという指摘が出ています。この点は専門家が厳格に行い、真偽が判明することを期待しています。
私は午前中の続きとして、新聞に掲載された首相動静に加計孝太郎氏が登場していないからといって今回の愛媛県の文書が虚偽だとは言えないことについて書きます。首相動静作成の現場の雰囲気については、前に「総理番記者の一日」という文章を書いたことがありましたのでご参照ください。https://fanblogs.jp/sagamimuneo/archive/17/0?1526979284
午前中の記事では首相官邸の正面玄関以外から入れば首相動静に登場することはないと書きました。しかし、正面玄関で記者の取材を受けて堂々と入っても、首相動静に載らない方法があります。
もしもあなたが首相と面会予定の人物であると仮定します。
首相官邸の正面玄関から入ると、報道各社の総理番記者が寄ってきます。顔が知られた人物や政局の渦中にいる政治家や官僚なら一斉に記者が集まってきます。
しかし、それほど有名でない人物や口が固いことで有名な高官であれば、ぱらぱらといった感じです。
もし有名ではない人物(著名な財閥系企業の社長であっても総理番記者にとっては「無名」に近いのです)が、エレベーターに乗るまでの間に「総理に会います」と言えば、記者の数が増えます。
しかし、「私が会うのは秘書官です」と言えば、記者たちはさっと引きます。さらに、監視カメラのある入り口ではなく、他の入り口から首相執務室に入れば絶対に首相動静に掲載されることはありません。
首相官邸には一日に数多くの人々が出入りします。首相に会う客を確認するだけでも大変なのに秘書官と会う人物について一人ひとりチェックしていると仕事になりません。ですから、旧官邸時代から「首相動静に載りたくない人」は「秘書官に会う」と言って首相に会っていました。
「首相動静に載りたくない人」は「秘書官に会うつもりだったけれど、首相の時間が空いていたのでたまたま会った」という言い訳をしていたわけです。
でも、実際は「首相動静に載りたい人」の方が圧倒的多数なので、若い総理番記者に経団連加盟の大企業幹部が丁寧に名刺を置いていくわけです。
それから、首相の「面会時間」も首相動静に出ているものが正しいわけではありません。
旧首相官邸時代の話です。かつて私が親しくしていた某官庁幹部が官邸を訪れた後、「ずいぶん長く総理と会っていましたね」と言うと、「会えたのは5分もなかったよ。僕は秘書官室で長い間待たされた。その前に●●さんが入っていたよ」という答えが返ってきました。「●●さん」とはまさに「秘書官。秘書官」と言って総理番記者を追い払った元国会議員でした。
しかし、首相動静に掲載されていたのは某官庁幹部の名前だけで、●●元議員は出ていませんでした。
引き続き質問をお待ちしています。
下のコメント欄にお書きください。
日中、気になったニュースをリツイートしたり、つぶやいたりしています。
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私は午前中の続きとして、新聞に掲載された首相動静に加計孝太郎氏が登場していないからといって今回の愛媛県の文書が虚偽だとは言えないことについて書きます。首相動静作成の現場の雰囲気については、前に「総理番記者の一日」という文章を書いたことがありましたのでご参照ください。https://fanblogs.jp/sagamimuneo/archive/17/0?1526979284
午前中の記事では首相官邸の正面玄関以外から入れば首相動静に登場することはないと書きました。しかし、正面玄関で記者の取材を受けて堂々と入っても、首相動静に載らない方法があります。
もしもあなたが首相と面会予定の人物であると仮定します。
首相官邸の正面玄関から入ると、報道各社の総理番記者が寄ってきます。顔が知られた人物や政局の渦中にいる政治家や官僚なら一斉に記者が集まってきます。
しかし、それほど有名でない人物や口が固いことで有名な高官であれば、ぱらぱらといった感じです。
もし有名ではない人物(著名な財閥系企業の社長であっても総理番記者にとっては「無名」に近いのです)が、エレベーターに乗るまでの間に「総理に会います」と言えば、記者の数が増えます。
しかし、「私が会うのは秘書官です」と言えば、記者たちはさっと引きます。さらに、監視カメラのある入り口ではなく、他の入り口から首相執務室に入れば絶対に首相動静に掲載されることはありません。
首相官邸には一日に数多くの人々が出入りします。首相に会う客を確認するだけでも大変なのに秘書官と会う人物について一人ひとりチェックしていると仕事になりません。ですから、旧官邸時代から「首相動静に載りたくない人」は「秘書官に会う」と言って首相に会っていました。
「首相動静に載りたくない人」は「秘書官に会うつもりだったけれど、首相の時間が空いていたのでたまたま会った」という言い訳をしていたわけです。
でも、実際は「首相動静に載りたい人」の方が圧倒的多数なので、若い総理番記者に経団連加盟の大企業幹部が丁寧に名刺を置いていくわけです。
それから、首相の「面会時間」も首相動静に出ているものが正しいわけではありません。
旧首相官邸時代の話です。かつて私が親しくしていた某官庁幹部が官邸を訪れた後、「ずいぶん長く総理と会っていましたね」と言うと、「会えたのは5分もなかったよ。僕は秘書官室で長い間待たされた。その前に●●さんが入っていたよ」という答えが返ってきました。「●●さん」とはまさに「秘書官。秘書官」と言って総理番記者を追い払った元国会議員でした。
しかし、首相動静に掲載されていたのは某官庁幹部の名前だけで、●●元議員は出ていませんでした。
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愛媛県が国会に提出した新たな文書に、加計孝太郎加計学園理事長が2015年2月、首相官邸で安倍晋三首相と約15分間会っていたという内容が記載されていたと本日の各紙が報じています。安倍氏は「新しい獣医大学の考えはいいね」と語ったそうです。安倍氏が言ってきたことと矛盾があります。第2次安倍内閣発足後、最大の危機かもしれません。新聞による今後の分析や事実確認に期待しましょう。
私が今日解説したいのは、「メディアの首相番記者が監視しているのにどうして首相と加計氏が会っていたかどうかが分からないのか」です。
首相と加計氏の面会は当事者が否定し、新聞が伝える「首相動静(首相の一日)」にも載っていません。
一国の最高権力者が誰と何分会っていたのかを公開しているのは主要国では日本だけです。日本の「首相動静」は各国情報機関が毎日目を通す重要記事と言われています。
ただし、この首相動静は大きな欠陥があります。把握できるのは「官邸の正面玄関から入ってくる客」だけです。そして、「首相に会った」とみなされるのは首相執務室につながる入り口前にある監視カメラに映った人物だけです。
つまり、正面玄関以外から入った客は首相動静の対象外。また、執務室前にあるカメラに映らなければ首相に会ったことにはなりません。
実は、今の官邸には「裏口」が複数あります。そして、カメラが設置されている廊下の壁を隔ててさら内側に通路があり、官房長官室などとつながっています。私もこのカメラに映らないルートで執務室に入ったことがあります。今回の「会った」「会わない」問題は、当事者が否定しているからといって、愛媛県の文書に信ぴょう性がないわけではないのです。
どうしてこのような構造になっているのかというと、かつての首相官邸の反省です。旧官邸は余りにも小さく古い建て方だったからです。記者は首相執務室や官房長官室、副長官室の真ん前まで入ることが許され、静かにしていれば中の話し声が聞こえるほどでした。透明性の面では抜群に優れた建物でしたが、警察関係者は「あれではCIAなら日本政府の動きを全て把握できるだろう」と言っていました。
このため、2002年に完成した現在の首相官邸を建設するときに重視されたのが機密性の向上(=マスコミの遮断)でした。首相番記者を原則として1階にとどめて、さらに二重廊下にして「誰が首相に会ったか」を分かりにくくしたのです。こうすることによって、「官邸サイドが見せたい客」だけを番記者に報道させることが可能になりました。
昔だって時の首相は本当に機微に触れる客人と密会していました。しかし、官邸でこそっと会えればそれに越したことはありません。おそらくこのこと自体を批判する人が出てくるでしょうが、どの国も日本よりもひどいことをやっているのです。意思決定の過程を全面公開したら国政運営は不可能です。
繰り返しますが、首相動静のようなものがあるのは日本だけです。この点では情報公開度が極めて高いということは忘れてはなりません。
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首相と加計氏の面会は当事者が否定し、新聞が伝える「首相動静(首相の一日)」にも載っていません。
一国の最高権力者が誰と何分会っていたのかを公開しているのは主要国では日本だけです。日本の「首相動静」は各国情報機関が毎日目を通す重要記事と言われています。
ただし、この首相動静は大きな欠陥があります。把握できるのは「官邸の正面玄関から入ってくる客」だけです。そして、「首相に会った」とみなされるのは首相執務室につながる入り口前にある監視カメラに映った人物だけです。
つまり、正面玄関以外から入った客は首相動静の対象外。また、執務室前にあるカメラに映らなければ首相に会ったことにはなりません。
実は、今の官邸には「裏口」が複数あります。そして、カメラが設置されている廊下の壁を隔ててさら内側に通路があり、官房長官室などとつながっています。私もこのカメラに映らないルートで執務室に入ったことがあります。今回の「会った」「会わない」問題は、当事者が否定しているからといって、愛媛県の文書に信ぴょう性がないわけではないのです。
どうしてこのような構造になっているのかというと、かつての首相官邸の反省です。旧官邸は余りにも小さく古い建て方だったからです。記者は首相執務室や官房長官室、副長官室の真ん前まで入ることが許され、静かにしていれば中の話し声が聞こえるほどでした。透明性の面では抜群に優れた建物でしたが、警察関係者は「あれではCIAなら日本政府の動きを全て把握できるだろう」と言っていました。
このため、2002年に完成した現在の首相官邸を建設するときに重視されたのが機密性の向上(=マスコミの遮断)でした。首相番記者を原則として1階にとどめて、さらに二重廊下にして「誰が首相に会ったか」を分かりにくくしたのです。こうすることによって、「官邸サイドが見せたい客」だけを番記者に報道させることが可能になりました。
昔だって時の首相は本当に機微に触れる客人と密会していました。しかし、官邸でこそっと会えればそれに越したことはありません。おそらくこのこと自体を批判する人が出てくるでしょうが、どの国も日本よりもひどいことをやっているのです。意思決定の過程を全面公開したら国政運営は不可能です。
繰り返しますが、首相動静のようなものがあるのは日本だけです。この点では情報公開度が極めて高いということは忘れてはなりません。
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