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2013年12月18日
紅茶の世界
今日紹介する 『図説 英国ティーカップの歴史 ---紅茶でよみとくイギリス史』
という本によれば、
『ティーキャディー』 というものがあるらしい。
マホガニーやウォールナットといった、高級木材でつくられた長方形の小箱で、
鍵のかかる蓋が付いている。
内部は右・真ん中・左と三つの空間に分けられており、
左右の空間には、それぞれ違う種類の茶葉が入っていて、
中央の空間にはガラス製の小鉢が備え付けられている。
小鉢には砂糖を入れたり、あるいは箱の左右に入れた茶葉をミキシングするのに用いたそうである。
他にも、
『シュガーキャニスター』という砂糖を入れるための純銀の壺。
『シュガークラッシャー』という、砂糖の塊を砕くための、持ち手の突端が平べったくなっているスプーン。
『シュガーニッパー』という、砂糖の塊をつまむための刃のない鋏のような器具。
などというものがあるらしく、こういうものをを英国式のお茶会では用いたりすることもあるようだ。
ヨーロッパ風のファンタジーを書くときに、これらのような道具類を、ちらっと登場させるのだ。
読者の知らなさそうな事柄を少しだけ書きこむのである。
そうすると、そのシーンを読んだ読者にとって、おそらくそのシーンのリアリティーが増すのだと思われる。
こういう作者が知っているが読者が知らない(であろうと思われる)情報を得る助けになることこそが、資料の意味なのであろうと思う。
今日紹介する本は、ティーカップを主に扱った本ではあるが、それのみを扱っている本ではない。
紅茶やティーカップから読み解く英国史とでもいうべき本であり、写真がとにかく豊富な本であるからとてもオススメである。
図説 英国ティーカップの歴史 ---紅茶でよみとくイギリス史 (ふくろうの本/世界の文化) 中古価格 |