2013年12月04日
機関銃という恐るべきもの
欺瞞に過ぎない考え方だが、戦争には、かつてある種のロマンがあった。
見るも鮮やかな軍装に身を包んで隊列を組み、士官の発する突撃の合図に合わせ、前進する歩兵の戦列。襲い来る銃弾も砲弾も意に介さぬその様は正に一匹の獣の如し。
鼓手や喇叭手の奏でる音に、銃弾の擦過音やら大砲の爆轟が重なり、それは戦場の音楽となる。
歩兵の敵戦列への接近とタイミングを合わせて、今度は騎兵が動き出す。
よく訓練された軍馬にまたがり、優速を生かして敵戦列の側面や後背に回り込むと、接近と両腰に挿したピストルを片方ずつ発射し腰に戻す。
それから抜剣の合図に合わせて、サーベルを抜き放ち、敵の頭上に振り下ろすのだ。
嗚呼、数多の苦痛と絶叫があれど、そは我等の戦の庭よ。
数多の死と悲惨があれど、そこには勇気と献身が輝くのだ。
兵士よ、そは我等の誇り。
讃えよ、讃えよ! 戦陣に斃れしものを。
私の文章が下手なのでまあちょっと伝わらないかもしれないが、おおむねこんな感じである。
でももう、いまとなってはそんなロマンとやらは欠片もなくなったし、というか元からロマンなど無いという現実が、白日の下にさらされるようになった。
敵に突撃すると言ったって、機関銃でズババババとやられれば、どうにもならないのである。
そして、戦場のロマンも同様に打ち砕かれたのだ。
科学技術は一般的に、戦争を身も蓋もないものにしたが、そのなかでも機関銃の発明は極めて重要な出来事である。
というわけで、今日紹介するのは 『機関銃の社会史 (平凡社ライブラリー)』 だ。
これは、機関銃と、それが社会や人々の心に与えた影響についての本である。
軍事関連の資料としては極めて重要な本であると思うのでとてもオススメである。
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