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大地震で人が死ぬパターンのほとんどは木造住宅というのは事実です。
それも古い木造住宅。
従って、その多くは瓦屋根の木造住宅です。
これらを合わせて瓦屋根の木造住宅は地震に弱い、というのは間違いと言うほどのことではありません。
これは大地震の被害の写真などを見ても明らかです。
ところが瓦を売らんがために、瓦屋根の住宅は地震に弱いというのは風評被害だというちょっと理解しがたいセールストークを聞くことがあります。
これは非常に不誠実な金儲けだけを考えた行為でこうした業者は排除する必要があります。
その一例として、微妙な表現をしているのが、石州瓦工業組合です。
http://www.sekisyu-kawara.jp/howto/quality/jishin/index.html
これによれば、
確かに、屋根が軽ければ、軽さに見合った基礎と構造体で間にあいます。しかし住宅の基本的な強さから見て、果たしてそれが強い住まいと言えるでしょうか。軽いトップに見合った足腰バランスで作られた住まいと、重いトップに見合った足腰バランスを有する住まいと比較して、どちらが強くて丈夫な住まいと思われますか。
昔の住まいは、強靭な基礎と構造で造られた躯体を、重い瓦屋根でさらに上から押し付け、大地にしっかりと根を降ろす家を造ってきました。
｢根を張る屋(家)｣と書いて屋根と読ませるのもここからきています。
重い屋根が地震に弱いわけではありません。躯体がしっかりしていれば、重い屋根はむしろ、地震だけでなく風にも負けない住まいを造ります。 ・・・
ということで、冗長的であいまい、とても論理的とは言えない説明。
・どこまでを昔の住まいというのか？
・ここで想定する木造住宅は礎石の上に束建てとして置いてあるだけなのか？
・大地にしっかり根を降ろすとは？基礎を地面に埋め込んでいるということか？
さっぱりわかりません。
なにより古くからの木造住宅や神社仏閣が熊本地震などでも全壊しているのです。
この事実に目をそむけてはいけません。
さらに、振動台実験で実験をしているのは建物ではなく屋根のみの実験です。
屋根のみに耐震性があるといっても、その下の建物が潰れてしまっては何の意味もないでしょう。
ここで耐震性と言っているのは「瓦屋根部分そのものの耐震性」であり、「建物の耐震性」ではないのです。
木造住宅の耐震性とは屋根が重たい場合には柱を太くする必要があるなど、屋根が軽い場合に比べて構造的により丈夫にする必要があります。
従って木造住宅のように容易に柱の太さを太くするといったことができない場合には屋根を軽くするしかないのです。
また、屋根を軽くすることによって、耐震性は上がります。
これが大切なポイントなのです。
それを、屋根の部分だけは耐震性があるから、重い瓦屋根は従前どおりに使うべきだというのは非常に不誠実な話です。
人の命を軽く見ていると言わざるをえません。
こうした恐ろしい広告をしてしまうのが瓦を売る人たちだということは、よく覚えておいたほうがよいでしょう。
阪神・淡路大震災で瓦屋根の家が無くなり、スレートなどの屋根ばかりになったのは残念なことです。しかし、瓦屋根を増やすとすれば、軽くてコストの安い瓦屋根を開発するしかありません。
嘘をついてだまして瓦をはらせるということは許されません。
Yahoo!より、
命を守るため、何としても進めたい住宅の耐震化
福和伸夫 | 名古屋大学減災連携研究センター、センター長・教授
4/11(火) 12:48
https://news.yahoo.co.jp/byline/fukuwanobuo/20170411-00069742/
記事より、
住宅に作用する力は、住宅の重さに比例します。この力に主に抵抗するのが耐力壁です。古い木造住宅は、土葺きの瓦屋根や土壁などが使われ、重さの割に壁量が不足気味で、腐朽などの老朽化の問題も抱えています。このため、同じ揺れを受けても被害が大きくなります。 ・・・
単純にこういうことです。
重い住宅は危ないのです。
また、
耐震性が大きく不足する住宅では基準を満足することは難しく、高齢者の方々を中心に費用負担のため躊躇する場合も散見されます・・・
まずは、家具の転倒防止や水や食料の備蓄から始め、徐々に、家屋の耐震化へと安全対策を進めていきたいと思います・・・
とありますが、籠の転倒防止は金具がふっとんでしまう可能性あり、実は結構難しいものです。
最も簡単なのは、2階出寝ることにする、という方法です。
仕組みはとても単純で2階建て木造住宅の壊れ方というのはほとんどが1階がぺしゃんこになって、2階はほぼそのまま残っているものです。
つまり、ただ2階にいれば死ぬことはまずないでしょう。