2016年03月23日
朝1番に入浴の準備をしなければならないワケ
施設などで仕事をされている方はご存知だと思いますが、冬季の施設の浴室はとても寒いです。
入浴の30分前に暖房を入れて脱衣所は暖かくできても、浴室はなかなか温まらないことが多いのではないでしょうか?
冬季には、ニュースでも取り上げられることの多くなる、高齢者の入浴中の事故があります。
それがヒートショック現象と呼ばれるものです。
すでに耳にしたことのある方も多いでしょう。それだけ、様々なメディアで取り上げられているということですね。
このヒートショック現象、12月〜2月頃にかけて多くなり、最悪の場合は死に至る危険もあるということをご存知でしょうか?
冬季の入浴事故で1番多いのが、このヒートショック現象だとされています。
そもそもなぜ冬季にヒートショックを起こすことが多くなるのかというと、その原因は室温の温度差にあります。
入浴の一連の流れの中で、室温の温度差によるヒートショック現象を起こすポイントがどこにあるのかを、実際に自分が入浴する流れをイメージしながらみていきましょう。
ポイント@ 暖かい部屋から、寒い脱衣所に入る
ポイントA 寒い脱衣所から寒い浴室に入る
ポイントB 暖かいお風呂で温まる
ポイントC 暖かくなった浴室から、寒い脱衣所に出る
となります。このようにみてみると、ヒートショック現象を起こすポイントは意外と多いのがわかると思います。
上記のことからわかる通り、寒暖の差が生じるときにヒートショック現象は起こりやすいのです。
このヒートショック現象が起こる原因には、急激な寒暖の温度差に対応するための、身体のあるメカニズムが関係しています。
それが血圧の急激な上昇や下降です。
そのメカニズムをご説明していきましょう。
暖かい部屋では血圧は正常値ですが、寒い脱衣所にいき洋服を脱ぐと、身体は熱を奪われないように血管を収縮させます(血圧が上昇する)。
そして浴室に入り、熱いお湯をかけると交感神経が緊張(寒い中で熱いお湯をかけるときにぐっと力をいれているときをイメージするとわかりやすいです)して血圧は更に上昇します。
その後、熱いお湯に肩まで入ると、浴槽内の水圧により心臓への負担がかかるため、血圧は更に上昇します。
浴槽の中で身体が温まってくると、血管が拡張して血圧が急激に下降します。
身体が温まって浴槽から出ると、水圧の心臓への負担がなくなるため、血圧はさらに下降します(浴槽から出たときに立ちくらみが起こるのも、これが原因です)。
浴室から出て寒いままの脱衣所に入ると、今度は熱を奪われないように身体は血管を収縮しますので、血圧が上昇します。
このようにして、1回の入浴で血圧の上昇と下降が何度も起こっているというわけです。
私はヒートショック現象の専門家でもなんでもないので説明はこれくらいしかできませんが、おおまかなヒートショックを起こすメカニズムを知っておくだけでも、入浴のケアを行う際には十分な知識だと思います。
冬季の自宅での入浴中の事故で多くなるとニュースなどでは言われていますが、このヒートショック現象はなにも自宅に限ったことではありません。
同じような事故が、施設の入浴時でも十分に起こり得ます。
冒頭でお話したように、冬季の施設の浴室や脱衣所はとても寒いです。カビを防ぐために窓を開けて換気をしている場合も多く、脱衣所まで冷えていることはよくあることです。
高齢になると、高血圧や糖尿病、動脈硬化などの持病をお持ちの方がいらっしゃいますし、ましてや施設ともなるとほとんどと言ってもいいほど、そのような持病のある方は当然多くなります。
それなのに、なかなか暖まらない脱衣所や浴室で、「仕方ないから」とそのまま入浴介助を始めたりしていませんか?
もし今もそのような環境で入浴介助を行っている施設があれば、ヒートショック現象には十分に注意する必要があります。
「何も起こらなかったから良かった」のではなくて、「何かあってからでは遅いかもしれない」という意識を持つことが大切です。
業務の効率よりも、高齢者の「命」を最優先に考えるようにしましょう。
もちろん、ヒートショックだけではなく、普通に風邪をひくおそれもあるので、暖かい脱衣所と暖かい浴室での入浴が、入浴介助の基本だと心得ましょう。
午前中から入浴があるのなら、冬季なら入浴の2時間ほど前から暖房を入れておくなどの準備が必要でしょう(浴室や脱衣所の広さにもよります)。
少なくとも入浴開始の30分前には一度、脱衣所と浴室が他の場所と同じくらい暖まっているかを確認するようにしましょう。
脱衣所が暖まっていても、浴室だけが寒いという場合もあります。あまりおすすめはしませんが、そのようなときは、直前に熱めのシャワーを出しっぱなしにして、お湯の熱気で浴室を一気に暖めるという方法もあります。ガスや水道代が余計にかかりますが、それで高齢者の「命」が守られるのなら安いものです。ヤケドのおそれがありますので、シャワーの温度は忘れずに戻しておくようにしましょう。
ヒートショックを予防し、高齢者に安全に入浴していただけるようにするために、介護士さんの心くばりで「心も体も温まる」ような入浴介助になるようにしましょう。
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入浴の30分前に暖房を入れて脱衣所は暖かくできても、浴室はなかなか温まらないことが多いのではないでしょうか?
冬季には、ニュースでも取り上げられることの多くなる、高齢者の入浴中の事故があります。
それがヒートショック現象と呼ばれるものです。
すでに耳にしたことのある方も多いでしょう。それだけ、様々なメディアで取り上げられているということですね。
このヒートショック現象、12月〜2月頃にかけて多くなり、最悪の場合は死に至る危険もあるということをご存知でしょうか?
冬季の入浴事故で1番多いのが、このヒートショック現象だとされています。
なぜヒートショックを起こすことが増えるのか
そもそもなぜ冬季にヒートショックを起こすことが多くなるのかというと、その原因は室温の温度差にあります。
入浴の一連の流れの中で、室温の温度差によるヒートショック現象を起こすポイントがどこにあるのかを、実際に自分が入浴する流れをイメージしながらみていきましょう。
ポイント@ 暖かい部屋から、寒い脱衣所に入る
ポイントA 寒い脱衣所から寒い浴室に入る
ポイントB 暖かいお風呂で温まる
ポイントC 暖かくなった浴室から、寒い脱衣所に出る
となります。このようにみてみると、ヒートショック現象を起こすポイントは意外と多いのがわかると思います。
上記のことからわかる通り、寒暖の差が生じるときにヒートショック現象は起こりやすいのです。
このヒートショック現象が起こる原因には、急激な寒暖の温度差に対応するための、身体のあるメカニズムが関係しています。
それが血圧の急激な上昇や下降です。
そのメカニズムをご説明していきましょう。
ヒートショック現象を起こす身体のメカニズム
暖かい部屋では血圧は正常値ですが、寒い脱衣所にいき洋服を脱ぐと、身体は熱を奪われないように血管を収縮させます(血圧が上昇する)。
そして浴室に入り、熱いお湯をかけると交感神経が緊張(寒い中で熱いお湯をかけるときにぐっと力をいれているときをイメージするとわかりやすいです)して血圧は更に上昇します。
その後、熱いお湯に肩まで入ると、浴槽内の水圧により心臓への負担がかかるため、血圧は更に上昇します。
浴槽の中で身体が温まってくると、血管が拡張して血圧が急激に下降します。
身体が温まって浴槽から出ると、水圧の心臓への負担がなくなるため、血圧はさらに下降します(浴槽から出たときに立ちくらみが起こるのも、これが原因です)。
浴室から出て寒いままの脱衣所に入ると、今度は熱を奪われないように身体は血管を収縮しますので、血圧が上昇します。
このようにして、1回の入浴で血圧の上昇と下降が何度も起こっているというわけです。
私はヒートショック現象の専門家でもなんでもないので説明はこれくらいしかできませんが、おおまかなヒートショックを起こすメカニズムを知っておくだけでも、入浴のケアを行う際には十分な知識だと思います。
ヒートショックを起こさないようにようにするためには
冬季の自宅での入浴中の事故で多くなるとニュースなどでは言われていますが、このヒートショック現象はなにも自宅に限ったことではありません。
同じような事故が、施設の入浴時でも十分に起こり得ます。
冒頭でお話したように、冬季の施設の浴室や脱衣所はとても寒いです。カビを防ぐために窓を開けて換気をしている場合も多く、脱衣所まで冷えていることはよくあることです。
高齢になると、高血圧や糖尿病、動脈硬化などの持病をお持ちの方がいらっしゃいますし、ましてや施設ともなるとほとんどと言ってもいいほど、そのような持病のある方は当然多くなります。
それなのに、なかなか暖まらない脱衣所や浴室で、「仕方ないから」とそのまま入浴介助を始めたりしていませんか?
もし今もそのような環境で入浴介助を行っている施設があれば、ヒートショック現象には十分に注意する必要があります。
「何も起こらなかったから良かった」のではなくて、「何かあってからでは遅いかもしれない」という意識を持つことが大切です。
業務の効率よりも、高齢者の「命」を最優先に考えるようにしましょう。
もちろん、ヒートショックだけではなく、普通に風邪をひくおそれもあるので、暖かい脱衣所と暖かい浴室での入浴が、入浴介助の基本だと心得ましょう。
午前中から入浴があるのなら、冬季なら入浴の2時間ほど前から暖房を入れておくなどの準備が必要でしょう(浴室や脱衣所の広さにもよります)。
少なくとも入浴開始の30分前には一度、脱衣所と浴室が他の場所と同じくらい暖まっているかを確認するようにしましょう。
脱衣所が暖まっていても、浴室だけが寒いという場合もあります。あまりおすすめはしませんが、そのようなときは、直前に熱めのシャワーを出しっぱなしにして、お湯の熱気で浴室を一気に暖めるという方法もあります。ガスや水道代が余計にかかりますが、それで高齢者の「命」が守られるのなら安いものです。ヤケドのおそれがありますので、シャワーの温度は忘れずに戻しておくようにしましょう。
ヒートショックを予防し、高齢者に安全に入浴していただけるようにするために、介護士さんの心くばりで「心も体も温まる」ような入浴介助になるようにしましょう。
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