2021年11月05日
世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する 第５話
BS日テレの「暗殺貴族」です。領内を視察するルーグ。領民に恩と顔を売るのも領地の運営に必要だ。力だけでは領民の心を繋ぎ止める事は出来ない…
ルーグの傍らには、いつもタルトが従う。
彼女との出会いは偶然にしては出来すぎていた。領内全てを探しても見つからなかった魔力持ちが、たまたま口減らしで捨てられ、たまたま領内に迷い込み、たまたま狩りをしていた僕と出会うなんて…この二年
監視していたが、スパイではないようだ。
父はルーグに試験を行う「今日の試験と、もう一つの長期に渡る試練を乗り越えれば一人前と認め暗殺貴族の本業を任せる」
それは父との戦い！前世の記憶と父から受け継いだ暗殺技術を駆使しても、キアンの動きが読めない。これが経験の差というものか…二本のナイフを躱し無防備になったルーグにキアンが真上から襲いかかる！避けようがない…否、避けない！肩を貫かせ隠していたナイフで父の首筋に当てる！
「十二歳の子供に負けてしまうとはな。これでも歴代最強のつもりだったのだがね」
父は仕事にルーグを連れて行くようになった。表の医者の仕事にも、裏の仕事にも…「貴族の城はいわば要塞。警備が厳重で侵入が困難だ。そこで、身分を偽って正面から近づく事がある。その為に、私は偽りの身分を持っている。よく使うのは料理人と商人だ…ルーグ、商人になりなさい」
ルーグが生まれたと同時に架空の人物が生まれた事になっていた。バロール商会当主が娼婦に産ませた子、イルグ・バロール。
二年かけて、イルグ・バロールとしての自分を完成させる。それがもう一つの試練…
最後の試練に出発する前に親族を集め宴が催される。年下のルーグが本家を継ぐのが面白くない従兄のロナハがルーグを挑発！「俺の方が強けりゃ次期当主の座譲ってもらうぜ」「いいだろう。では、やりたまえ。今すぐ」「へっ？…あっ、あが」
父との会話の僅かな隙に、ルーグはロナハの背後に忍び寄りナイフを喉元に当てる！
直情的なロナハは暗殺者には向かないが、騎士としての腕は確かだ…ルーグはロナハを自分の駒にスカウトする。翌日、ルーグは商業都市ムルテウに向かって出発した。
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