妄想力は無限大

ある男性がクビになった。

『人の本質を見たかったら、小さな権力を持たせてみなさい。』

この言葉がすぐに思い浮かんだ。
何処で見聞きしたか覚えていないけど妙に印象に残った言葉。

多分、銀座のママ辺りがお店の子に言ってたのをネットで見かけた記憶。




その男性は万年平社員だった。

仕事振りは「上司」の言う事は絶対。
言われた事は確実に遂行する。
確実に遂行しなければならないという使命感から小さなイレギュラーがあるとミスをする。

ミスをすると「ミスがミスを呼び」結局収拾がつかない事が度々よくあった。

それでも上司は暖かく育てていった。
『俺が放り出したらあいつを育てる奴はこの会社にはおらん。』

「ミスをしては怒られ」を繰り返しミスは少なくなっていった。

初めの頃のミスをしたら同僚に「八つ当たり」するのも少なくなっていった。

男性は上司の気持ちに応えるかのように成長していった。

元々性格は真面目、愚直な程真っすぐ。
ただ不器用なだけだった。

仕事を覚え、任される事も増えていき男性は上司に認められ出世した。
責任感も芽生え新入社員に教える立場までに。

そこから男性は少しずつ本性を表す。
ミスをした部下を頭ごなしに怒り、部下の話を一切聞かないようになっていった。

「上司の前では良い子を演じ部下の前では嫌味な奴」
そんな人間に変わっていった。

いや、それが元々男性の本質なのであろう。

上司は『言う事を真面目に聞く奴だ』と可愛がり任される仕事が増える。
ついには上司が居なくても、ある現場を任されるまでになった。

そこで男性は本性を全開にする。
『上司が居ない時は俺がここのトップだ』と公言するようになり傍若無人に振る舞いだす。

部下達は上司に掛け合うも『今、彼は成長なんだ。温かく見守ってやってくれ。』との返答。

渋々男性に従うしか道は無かった。
そんな日々が長らく続き不満が溜まるばかりの部下達。

そして事件は起こるべくして起こる

本性を全開にした男性は現場を任されてるのをいいことに「横領」をしていたのだ。
気付かれないよう巧妙に小さな備品達を。

部下達は異変に気付き行動を取る。

無くなる前の備品を撮り、男性が入っていく姿を目撃し、出ていった後また備品を撮る。

ここぞとばかりに上司に駆け寄るも『たまたまかもしれん。少しだけ様子を見させてくれ。』

翌日、男性はまた同じように備品を自分の懐へ入れる。

部下達は怒り今度は動画で証拠を押さえ上司に駆け寄る。
『分かった。俺の責任だ。』

こうして上司は自分が育てた男性を自分の手で止めを刺した。

男性は泣きながら謝るも許される行為ではない。

静かに諭され消えていった。

警察沙汰だけにしなかったのは上司の最大の温情だったのであろう。

〜終わり〜


この話は以前私が職場に嫌いな人がいる事を書いた
嫌いで嫌いで仕方がない人が居る方へ。３つの私がやった事。

この過去記事の当人。

長い間、彼と接し
やっとつい最近、頭を支配されるくらい嫌いだったのが１冊の本に救われ
ただ嫌いなだけで感情を左右される事も無くなったばかり。

クビになった話の全容を聞いた時真っ先に思い浮かんだ

『人の本質を見たかったら、小さな権力を持たせてみなさい。』

見事に当てはまると思う。

書いててこの言葉を調べ続きがあるのを知った。

『小物ほどつけあがる。』

銀座のママとツイートしたキャバクラのお嬢様は天才だ。

これほど「納得した言葉」と「腑に落ちた事」は人生でもそうそう無い。

この言葉を教訓に今から成功していく私（確信）は突き進んで行きたい。


それでは

ん〜！良い人生を！