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<10年メシが食える漫画家入門> 樹崎聖






タイトル通り、漫画家を目指す人に向けて書かれた一冊です。


私はときどき漫画を読みますが、こういった漫画家の視点というのは非常に新鮮でした。

今までの読者の視点は、「この漫画は面白いか、つまらないか」だけの感覚的なものだったのですが、
本書を通して漫画家の絵というものにたくさんのノウハウが詰まっていることがわかりました。

そして、うまい漫画家であるほど、様々なノウハウが用いた作品を世に送り出しているということに気付かされました。


そういう意味で本書は、漫画界の「紳竜の研究 [DVD]」と思っています。まさに漫画の教科書です。


漫画家を目指す人に向けた専門的な部分を除いて印象的だったポイントをお伝えします。


魅力的な脚本の構成
1.誘い :物語の予告編のような期待感を誘う
2.じらし:得られそうで得られないものに大きな価値がある
3.満足 :期待以上の結果を主人公に与える



主人公は魅力的であると同時に欠点がなければならない



漫画家は若い頃に旅に出てまったく違う価値観を知ることは価値がある



ギャグに必要なものは客観性である
近くで誰かが転んだ場合は「大丈夫ですか?」と心配して声をかけるかもしれないが、これを遠くから見た場合には思わず笑ってしまうことがある。この遠くから見るという客観性が必要である


ギャグ漫画には普通の価値観を持つ被害者が必要である
異常な行動を「異常だ」と読者に感じてもらうためにはそれを異常な行動だと感じてリアクションをとっている普通の価値観を持ったキャラクターが必要である



漫画の出版社にはそれぞれの社風があり、それぞれの特徴や傾向がある

漫画の出版社にはそれぞれ読者がついており、それぞれの特徴や傾向がある



編集者が漫画家を目指す人を見るポイント
1.長く漫画を描き続ける情熱があるか?
2.言われたことを確実に直す柔軟性があるか?
3.最低限の礼儀や挨拶ができる社会性があるか?
4.「これが描きたい!」というものがあるか?



漫画には魔法のデッサンというべき絵の基本法則がある
上手いと言われる人は「誰もが普通にやっている」と思って漫画の技術・ノウハウを駆使している。しかし、その重要性に気づいていない
一方で、下手な人はそのような漫画の技術・ノウハウがあることに気づきもしない



漫画家を目指す人に向けた言葉
結果に結び付かなかった頑張りは努力と評価してはいけない
結果がついてくるまでやったことだけを努力と呼ぶのである



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