2010年11月03日
<ティッピング・ポイント> マルコム・グラッドウェル
発想・視点を転換してくれる本です。
ファッションの流行、アイドルやカリスマの流行、食べ物の流行など
これまでにいくつもの爆発的な流行がありましたが、その流行の謎を理論的に説明している一冊です。
口コミのメカニズムをわかりやすく説明している一冊でもあります。
本書では、流行の引き金となる出来事をティッピング・ポイントと名付け、
様々な爆発的に広がりを見せた事象についてそのティッピング・ポイントについて説明しています。
一つの仮説ですが、非常に納得のいくことが多く書かれています。
小さなことで影響を与えたいなら、この本がそのヒントになります。
印象に残ったポイントは以下の通りです。
あらゆる流行には原因がある。その秘密はティッピング・ポイントにある
ティッピング・ポイントとは、
あるアイディアや流行、社会的行動が一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間のこと(閾値)
我々は直感的に生活環境や社会問題は徐々に改善あるいは悪化すると思いがちだが、一気に劇的な変化をすることがある
爆発的な感染の3原則:爆発的な広がりを見せたものは、この3要素を持っている
1.少数者の法則
爆発的な広がりは少数の高い影響力を持つ者によって行なわれる
2.粘りの要素
爆発的な広がりを見せるものは人々の記憶に強く粘りつく
3.背景の力
爆発的な広がりを見せるものはその環境や特殊性に大きく左右される
少数者の法則は以下の要員から構成される
1.コネクター(媒介者)→人脈の専門家
いささか異常なほど突出して知己を集めようとする性格を持ち、行動をとっている者
発想や製品がコネクターに近づけば近づくほど、力と機会が増えることになる
2.メイヴン(通者、いわゆる「つう」である者と考えるとわかりやすい)→情報の専門家
ある物事について非常に物知りであり、かつ、それを他人に教えたがっている者
3.セールスマン(説得のプロ)
抗いがたい説得力を持った者
0.翻訳者
コネクター、メイヴン、セールスマンが流行することとなる「何か」について、我々一般人でも理解できるように専門的な内容をわかりやすく翻訳してくれている
弱い絆の強さ
これらの構成員あるいはこれらの者によって影響を受ける人々の多くが弱い絆でつながっている。
弱い絆(例えば単なる知り合い)というのは自分とは異なる世界に属していることから自分の知らないことを多く知っている可能性がずっと高い。この可能性の高さを「弱い絆の強さ」という。
環境の些細な要素に手を加えることによって急激な変化を与えることができる
例:割れ窓理論(軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論。「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓も壊される」という考え方)
「背景の力」から見ると犯罪者は次のように解釈される
犯罪者は心の奥底にある内在的な理由で行動するのではなく、自分の置かれた環境に反応し、自分が受け止めた周囲の世界に左右されて犯行に及ぶ
人間は他人の行動を解釈するとき、性格を過大評価し、状況や背景を過小評価する
我々は集団の中に入ると、仲間の圧力や社会規範などに左右されてしまう
小規模で緊密なグループには、あるメッセージや発想が持つ感染力を強化する
150の法則
150人以下であれば、規範なしでも同じ目標を達成することができる
(小さな変化によっても、150人というティッピング・ポイントを超えてしまうと今まで保たれていた規範が突如として乱れてしまう)
喫煙習慣は情緒的な問題と結びついている(粘りの要素)
その情緒的な問題を解決することで喫煙習慣を取り除くことができる
喫煙中毒のティッピング・ポイントはニコチン摂取量が5ミリグラム/日である
喫煙は健康を害するというメッセージは役に立たない
子供の興味本位での喫煙実験は避けられない。この喫煙実験が習慣になるということはない
爆発的な広がりを起こすためには、限られた資源を一転に集中させ、一気に投入することである
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