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<影響力の武器> ロバート・B・チャルディーニ





良書としての高い評価を受けている一冊です。

影響力の武器とは「人間の自動的反応(人間の抵抗しがたい反応)」のことです
(本を読んで初めて影響力の武器というタイトルの謎が解けました)。

怪しい商法や宗教の勧誘などにひっかかる人の自動的反応が客観的にわかりやすく書かれています。
そしてそういった自動的反応はほとんどの人が抗うことができないこともよく書かれています。


「カモになるタイプの人間がいる、いない」ではなく、「自動的反応を理解しているか否か」によってその差が出てくることに気づかされました。

値段は高めの本ですが、非常に価値ある良書です。

2日にわたってご紹介します。



印象に残ったポイントは以下の通りです。


「人間の自動的反応(人間の抵抗しがたい反応)」は時間や精神能力を使わずに済ませるための簡便反応であり、
実生活において役立つ、必要不可欠のものである。
しかしながら、欠点は愚かで高くつく間違いを犯しやすい。

「ステレオタイプ」や「判断のヒューリスティック」と呼ばれるものもこれと同じ簡便的に判断をする反応である。



影響力の武器
人に何か頼みごとをする時には理由を添えた方が成功しやすい。「○○なので」とつけるだけで(○○の内容にかかわらず)成功しやすくなる



影響力の武器(ステレオタイプ)
「専門家がそういうなら正しいに違いない」という権威に対して人は弱い



影響力の武器(ステレオタイプ)
「高いものは良いものだ」と判断してしまう



影響力の武器(コントラストの原理)
2番目に提示されたものが最初に提示されたものと大きく異なっている場合、
2番目に提示されたものが実際よりも大きく異なっていると感じてしまう。
例:最初に軽いものを持ち上げて、次に重いものを持ち上げると2番目のものをより重く感じる

洋品店では最初に高い商品を買わせる。そうすると次に提示する安い商品がより安く感じる。
結果的により多くのお金を使ってもらえる



好意の返報性
私たちを人間たらしめているものは「返報性」というシステムである
人々は好意を受けることによって知らぬ間に恩義を着させられてしまう
好意の返報性というシステムは他者から承諾を得ることにとても強い威力を持っている。
そのために布教活動やマーケティングテクニックとしても用いられている

好意の返報性と併せて使われるテクニックが「拒否したら譲歩」法である。
あらかじめ大きなお願いをし、それが拒否されたら本来のお願いをする。
そうすることで本来の目的を達成することにある効果が出ている


→ フット・イン・ザ・ドア・テクニック
最初は簡単な要求からスタートし、徐々に難しい要求をすることにより、希望する要求を飲んでもらうようにする。



一貫性の原理
人間はひとたび決定を下したり、ある立場を取ったりするとその決定や立場を正当化するように行動する。
この一貫性の原理はコミットメント(公言させること)によって発動する。
戦争における捕虜の教化プログラムにも組み込まれている(具体的には母国を非難する発言をさせる)

企業が行なう商品に関するコンテストが行なわれるのもいかにできるだけ多くの人に製品を支持させるためのテクニックである

人々も一貫性を失うことによって周囲から気まぐれな人、優柔不断な人というレッテルを貼られないように一貫性と保つように行動してしまう


→ ロー・ボール・テクニック
相手が要求をのむ提案をして、それに承諾したら次々とオプション(不利な条件)を提示していく方法。


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