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2017年11月27日

猫の冒険     その35

No-06.JPG


気が付くと、隣に黒猫がいました。
それは、自分と同じぬいぐるみでした。

そこは、見覚えのある場所でした。
ちび黒猫は、だんだんと記憶ができるよに
なってきました。以前のように
気が付くと以前の場所や記憶が
抜け落ちることはなくなりました。

ちび黒猫の記憶が確かなら
この場所は、以前いたことのある場所で
しかも、同じ位置です。
るまで時間が戻されたようでしたが、
こうなると
時間が進んでいるのか戻っているのか
それとも循環しているのか。区別がつかないです。

ぬいぐるみは、瞬間的に移動しますが、
そこで静止しています。
それは、鑑賞が目的だからです。
人間の鑑賞用に飾られているからです。
しかし、ちび黒猫はそのこを知りません。

ちび黒猫は考えるチカラが備わっています。
だから、いずれその事実を知ることになります。
彼はその事実を知りたいでしょうか。
その事実を受け止め、乗り越えることが
出来るのでしょうか。

ちび黒猫は、隣の黒猫に話しかけます。
しかし、静止しままです。何の反応もありません。

やはり、考えるチカラはこのちび黒猫にしかないようです。

ちび黒猫は、すこし悲しくなりました。
それは、考えるチカラがあるが故の悲しさでした。

「苦しいよう」
胸が苦しくて、苦しくて、声にならない叫びをあげました。


しかし、

ちび黒猫は、負けませんでした。
何らかの作用で、或いはキッカケで
自分に考えるチカラが備わったわけです。
それなら、他の仲間にもそれが可能ではないか?
そう思ったのです。
「何か方法があるはずだ」

まず、ちび黒猫は、自分のまわりを見回しました。
どこかにそのヒントがあるはずだ。

ちび黒猫は、冒険を続けます。

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