http://www.art-meter.com/works/?ID=AW119426
心の中に何かを見たいという気持ちがあると、
その形状を線で囲まれたいくつかの
形の中から探そうとする。
例えば、この形は何か葉っぱに見えるなあ
と思ってしまうといつの間にか
葉になるうる形状を探していることになる。
顔を探そうとしたこともある。
目とか手とか体の一部を探そうとしたこともある。
最初の一片からすべてが始まる。
作品「今この瞬間」はまず、人の顔が
最初に飛び込んできた。
ホホウ、横顔だな。
後はそこから続くパーツを探すことになる。
いつも全て探せるわけではない。
途中までの時もある。しかし、それは、
それでしかたない。
しかし、最初の一片から向こうとの
対話が始まっていることに気が付く。
着色する間その対話が続く。
その時はまるで向こうの世界の
何かの力が
自分の手をつたって作業している
ようにも思えてくる。ここは黒色で塗ろうと
黒でここの囲まれた範囲を塗る。
なぜ黒か自分で自問自答するが
向こうの声かもしれないと思うと
黒色を選択したのはいったい自分なのか
向こうの誰かなのか、
こうして出来上がった作品が果たして
自分の作品なのだろうか、
自分と向こうの世界の
何かのコラボなのか。
曖昧になってくる。しかし、
向こうの世界の何かなんてものは
現実には見えないわけだし、
普通は私一人の作品だと思われる
わけだから、そんなことを心配することも
ないのだが、当の本人である自分としては、
自分の中で起こっていることが
わかるので悩むのである。
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