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2016年05月18日

タイトル付けの歴史

ひろく作品にタイトルを付けているという慣行は、
どのような形で始まり、どのように展開したのでしょうか。

タイトル付けの歴史は、
まず書物から始まり次第に絵画にも付けられるようになったんですね。

 古代の書物は、パピルスの巻物で、それが書籍の最初の形であったそうです。
アレクサンドリアの図書館にある
70万巻の巻物には小さなカードが付けられていたそうです。
パピルスの巻物にはタイトルが書かれてなかったそうですが、
その代わりにカタログには、
著者の名前とテクストの最初の言葉が記載されていたそうです。
この2つが著作を同定する基本的な情報だったんですね。

 中世の写本の場合は、天地、束の部分や表紙に書名が書かれてたそうです。
著作集などの場合は、著者名だけを記していて作品のタイトルとは言えないですが、
タイトル・ページが設けられると、タイトルに関する曖昧さは無くなり、
宗教上の理由で匿名で出版されてもタイトルだけは記されるようになったんですね。

 16世紀に入り印刷本の普及とともに出版が産業となり、
作品というより商品として書籍がでまわるようになったそうです。
売れ行きに関心を持ち、タイトルに関心を寄せたのは著者よりも出版者であったんですね。
なぜなら、当初は原稿買取制だったことがその理由だそうです。
よって、タイトルは凝ったものではなく内容を正確に伝えるためのものであり、
美学の対象となるものではなかったそうです。

 文学作品の場合には、タイトル付けの証拠が書籍のかたちで残っています。
書籍の表紙にも印刷されたタイトルは、唯一公的な呼び名として流通します。
しかし、芸術家がタイトルというものを自覚していたかどうかは、
その作品の性質を大きく変える要因と思われるし、
更にまた、そのタイトルを単なる便宜的な呼称と見るか、
それともそれ以上の積極的な意味を込めるのかの違いが、芸術観を大きく左右します。
タイトルをつけることの習慣は、
印刷物の場合とそうでないものと間で、大きな違いがあるようです。
美術の場合、作品が直ちにタイトルに関する証拠にはならないですね。
絵画の場合は、版画を除いて原則的には一点作品であるため
タイトルの必要性は少なかったようですね。
つまり、公的に展示するのでなければ、
タイトルが不可欠ということはなかったみたいですね。
パトロンの中には所蔵する油絵を版画として版刻させ出版するものもいたようです。
版画は、古典的な複製手段であり一種の印刷物なんですね。
つまり、絵画であっても版画は、一点制作の油絵とは異なり、
不特定多数の購買者を対象とする商品なのです。
このため1つ1つを区別するために、書籍がタイトルを必要としたように、
版画にもタイトルの記載が必要だったようです。
多くは画面下にタイトルと銘文が書かれました。
タイトルが画家の与えたものであるか定かではないですが、
絵画に対する評論もオリジナルではなく
この版画に基づいて書かれることが多かったため画像は
版画に記されたタイトルとともに流通したようです。

 1673年「サロン展」より出品目録が作成され、
出展の際に編集者は作家に説明書の提出を求めたそうです。
それは、作家と作品の同定に関して苦情やトラブルが多かったからなんですね。
目録は、展覧会を訪れた観客が、個々の作品を同定し、
それが、「何の絵」であるかを理解するための手だてとなりましが、
編集者には、タイトルに対する観念は無かったようです。
むしろ作家は、画題の説明にこだわりを持っていたので、
徐々に自作に自分で呼び名を付けることになじんでいったみたいです。
目録は展覧会というイベントに際して作成されました。
1795年フランス「美術館保存委員会」が
「個々のタブローの作者とその画題」を記すプレートをつくる方針を立てたそうです。
そしてプレートは美術館における恒常的な展示における一つの設備となったみたいです。
目録は展覧会会場の外では捨てられる可能性がありますが、
プレートは額に固定されているのでタイトルと作品は一体となり
永続的な安定性を持つことができたんですね。
複数の批評文の筆者がある作品についての呼び名を共有し、
その名称が公共のものとなると、それはタイトルの性格を帯びてきて、
タイトルの存在が人々に共有されるようになったようです。










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