2021年06月24日
【おすすめ本】『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』PART2 ”家族の理解を得られないときは”〜。
「つらくて会社を辞めたいのに、家族の理解を得られない」
鬱病や過労死まで追い込まれる要因は、
ブラック企業での仕事だけじゃない。
家族からの理解を得られないために、
さらに自分を追い詰めてしまうこともある。
世の中には親や兄弟が自分のことを深く理解し、
仕事のことも親身になって相談にのってくれる、
そんな家族もいます。
しかし、過労で追い詰められている状況で
会社を辞めたいと親に相談しても
「仕事は多少辛くても我慢して、頑張るものだ」
と言われてしまい、理解してもらえない、
そんな家族もまた多く存在します。
第5章”世界は広いんです” より
少し僕自身の話をする。
僕は新卒でアパレル販売の会社へ入社した。
2ヵ月目、
異動、長距離の通勤、怒鳴られるなどでつらくなり、
遠方の親にメールで「辞めたい」と打ち明けた。
親からは、こんな返信が来た。
「2ヵ月しか働いていないくせに」
「男はすべてを我慢して家族のために働くものだ」
「お前は社会を甘く見ている」
以来、僕は誰にも助けを求めなくなった。
つらいという感情も消えたまま、ただ出勤し続けた。
4ヵ月目、
僕は鬱病になり休職、そして退職。
1ヶ月の寝たきり状態を経て、今なんとか生きている。
今にして思えば、僕の親なら
あの返信が来て当然だった。
僕の親は仕事人間で、
「男はすべてを我慢して家族のために働いて」いる人だ。
価値観も、生きてきた時代背景もちがう。
何よりも、親は僕ではない。
僕は親にSOSを発した一方で、
心のどこかに「理解してほしい」という期待があった。
家族とはいえ、自分とは違う人間、他人です。
そのため、「理解してもらう」ことを
重要な条件とするのを、まずはやめることです。
第5章”世界は広いんです” より
「仕事が辛くて辞めたい」
「入社した会社がブラック企業だった」
そんな悲鳴を、家族が理解してくれるなら最高だ。
だけど、
「それを理解してくれる人か?」
その答えも、長い付き合いの中でわかっている。
わかっていても、近い存在だからこそ
家族には期待してしまう。
期待するからこそ、落胆も大きくなる。
当時の僕みたいに、
「誰も助けてくれない」
「1人で何とかするしかない」
そんな思い込みから、鬱病まっしぐらになってしまう。
家族が頼れる場合も、頼れない場合も、
ドライな言い方ではありますが、
あなたの気持ちを完全に理解できるのは、
あなたしかいません。(中略)
「家族が理解してくれない、自分はダメだ!」
なんて、さらに悪く考える必要はありません。
あくまでも「自分の身は自分で守る」のです。
第5章”世界は広いんです” より
「期待しすぎないで、いくら家族でも他人なんだから」
そうやって割り切れれば楽だ。
だけど、家族だからこそ
「理解してくれるはず」という期待を捨てきれない。
それでも、家族からの理解よりも
大切にしてほしいことがある。
それは自分の声。
「仕事がつらい」
「心がつらい、身体がつらい」
「会社を辞めたい、休みたい」
この声を聞けるのは世界で唯一、自分だけ。
「自分の身は自分で守る」というのは、
決して期待を捨てろというわけじゃない。
自分の声に耳を傾けることでもある。
自分の心の悲鳴が、少しでも聞こえるうちに。
どうか自分を守ってほしい。
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