2021年06月16日
【おすすめ本】『国会議員を精神分析する』PART2 ”不安の時代にはヒトラー登場が待たれる”〜。
第一次世界大戦に大敗したドイツは、
まさに絶望のふちまで落とされた。
莫大な賠償金
あふれる失業者
加速する貧困
ボロボロになったドイツに
ヒトラーが現れた。
ドイツを救うヒーローの登場に、
国民の人気が集まり、彼はトップに立った。
そして、
ヒーローのはずのヒトラーに率いられたドイツは、
第二次世界大戦に向かっていった。
『国会議員を精神分析する』
今回は、
「不安の時代にはヒトラー登場が待たれる」
という視点から、
参考になった筆者の意見を紹介したい。
ー目次ー
暗い時代に人々は絶望し、
不安と不満で自信をなくしていく。
自分たちではどうにもならない、
すべてを救ってくれるヒーローにすがりたくなる。
そんな時に、
強力なカリスマ性を持った指導者が現れたなら。
人々はそのヒーローに
自分を重ね合わせることができる。
強いリーダーシップを持つ指導者
=それを支持する自分こそ強い
というように、失った自信を取り戻させてくれる。
人間は、
快楽が終わることよりも、
コントロールできないストレスに
耐え続ける方が苦しい。
失業率が高まる原因がわからないより、
「移民に仕事を奪われているからだ」
と言われる方がまだ楽なのだ。
ヒトラーのような指導者は、
「仮想敵を作り出す」ことで
その不安をやわらげてくれる。
「我々の苦境はユダヤ人と富裕層のせいだ」
と、ストレスの原因を仕立て上げてくれる。
苦しい時代に、
国を建て直すのは大変な仕事だ。
為政者には「すぐの結果」が求められる。
苦しい人々には余裕がないので、
政権は結果が振るわなければすぐに攻撃を受ける。
そこで、国民からの攻撃を
政権からそらしてくれるのが「仮想敵」。
うまく結果を出せなくても、
仮想敵を設定しておけば、
国民の怒りは自動的に
「移民」「ユダヤ人」に向かってくれるというわけだ。
この本の出版は2003年。
それから20年近く経った今、
前アメリカ大統領・トランプ氏が
同じような政治をしていた。
「アメリカファースト」
「メキシコとの間に壁を作る」
「移民が仕事を奪っている」
「イスラム教は悪だ」
まさに国民を救うヒーローを演じ、
仮想敵を作って不満を向けさせていた。
自国の強さを強調し、どこかへの敵対心を煽る方法は、
いつの時代にも通用してしまうのだ。
だから、今の日本でも
同じようなことを主張する政治家が登場したら、
注意する必要がある。
オリンピックやコロナ対策を巡る失政、
あきらめと不満がたまる日本人。
そんな時代に、
「強い日本を取り戻す」
「我々の苦境はあいつらのせいだ」
そう言って、国民の熱狂を煽る指導者が
出てくるかも知れない。
そういうトップを選んでしまわないために、
彼らの主張の真意を考えていこう。
→あわせて読みたい
「【おすすめ本】『国会議員を精神分析する』PART1 ”強烈な自己愛パーソナリティの持ち主が生き残る世界”〜。」
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まさに絶望のふちまで落とされた。
莫大な賠償金
あふれる失業者
加速する貧困
ボロボロになったドイツに
ヒトラーが現れた。
ドイツを救うヒーローの登場に、
国民の人気が集まり、彼はトップに立った。
そして、
ヒーローのはずのヒトラーに率いられたドイツは、
第二次世界大戦に向かっていった。
『国会議員を精神分析する』
今回は、
「不安の時代にはヒトラー登場が待たれる」
という視点から、
参考になった筆者の意見を紹介したい。
ー目次ー
- ヒーローの力に自分を重ね合わせる
- 説明できない不安の原因を特定してくれる
- 政権への不満をそらすために仮想敵を作る
- まとめ:ヒトラーのような指導者の登場に注意しよう
1.ヒーローの力に自分を重ね合わせる
ヒトラーは、まさに、
人々が不安を直視しなくて良いように仕向けた、
麻薬のような存在だったのではないかと思う。
第5章”不安の時代に好まれる政治家像” より
暗い時代に人々は絶望し、
不安と不満で自信をなくしていく。
自分たちではどうにもならない、
すべてを救ってくれるヒーローにすがりたくなる。
そんな時に、
強力なカリスマ性を持った指導者が現れたなら。
人々はそのヒーローに
自分を重ね合わせることができる。
強いリーダーシップを持つ指導者
=それを支持する自分こそ強い
というように、失った自信を取り戻させてくれる。
2.説明できない不安の原因を特定してくれる
説明のできない不安に耐えるということは、
その不安を永遠にコントロールできない
ということを意味し、人間には大変辛いことだといえる。
第5章”不安の時代に好まれる政治家像” より
人間は、
快楽が終わることよりも、
コントロールできないストレスに
耐え続ける方が苦しい。
失業率が高まる原因がわからないより、
「移民に仕事を奪われているからだ」
と言われる方がまだ楽なのだ。
ヒトラーのような指導者は、
「仮想敵を作り出す」ことで
その不安をやわらげてくれる。
「我々の苦境はユダヤ人と富裕層のせいだ」
と、ストレスの原因を仕立て上げてくれる。
ともすれば政権に向かいがちな
人々の攻撃を特定の「外敵」に向けておけば、
政権運営はずっとやりやすくなるからである。
そして、ストレスがたまって
他者への寛容度が下がっている人たちにとっても、
「外敵」を作ることはストレス解消にすらなる。
第5章”不安の時代に好まれる政治家像” より
苦しい時代に、
国を建て直すのは大変な仕事だ。
為政者には「すぐの結果」が求められる。
苦しい人々には余裕がないので、
政権は結果が振るわなければすぐに攻撃を受ける。
そこで、国民からの攻撃を
政権からそらしてくれるのが「仮想敵」。
うまく結果を出せなくても、
仮想敵を設定しておけば、
国民の怒りは自動的に
「移民」「ユダヤ人」に向かってくれるというわけだ。
4.まとめ:ヒトラーのような指導者の登場に注意しよう
<不安の時代にはヒトラー登場が待たれる>
国民は”強いヒーロー”に自分を重ね合わせることで、
自信を取り戻し、不安の直視を避けられる
仮想敵を作り、不安の原因を特定してくれる
政権への不満をそらすために仮想敵を利用する
この本の出版は2003年。
それから20年近く経った今、
前アメリカ大統領・トランプ氏が
同じような政治をしていた。
「アメリカファースト」
「メキシコとの間に壁を作る」
「移民が仕事を奪っている」
「イスラム教は悪だ」
まさに国民を救うヒーローを演じ、
仮想敵を作って不満を向けさせていた。
自国の強さを強調し、どこかへの敵対心を煽る方法は、
いつの時代にも通用してしまうのだ。
だから、今の日本でも
同じようなことを主張する政治家が登場したら、
注意する必要がある。
オリンピックやコロナ対策を巡る失政、
あきらめと不満がたまる日本人。
そんな時代に、
「強い日本を取り戻す」
「我々の苦境はあいつらのせいだ」
そう言って、国民の熱狂を煽る指導者が
出てくるかも知れない。
そういうトップを選んでしまわないために、
彼らの主張の真意を考えていこう。
→あわせて読みたい
「【おすすめ本】『国会議員を精神分析する』PART1 ”強烈な自己愛パーソナリティの持ち主が生き残る世界”〜。」
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