2021年03月02日
【おすすめ本】『人間は素晴らしい 〜手塚治虫 愛と生命の言葉〜』〜PART1 心に残る一節を5つ紹介 ”人間の愚かさと正義”〜。
手塚治虫氏の作品から、
人間の本質を突き詰めた言葉を
選りすぐった本。
『人間は素晴らしい 〜手塚治虫 愛と生命の言葉〜』
今回は
”人間の愚かさと正義”
という視点から、
著作中で心に残った一節を紹介したい。
ー目次ー
人の心を救うはずの宗教が、
人を殺すための正当な理由に使われる。
人の生活を豊かにするはずの科学が、
兵器を作るために使われる。
素晴らしい知識も、革新的な発見も、
人間の欲が無限である限り悪用は絶えない。
カタキと呼び合い、
戦った者たちがいなくなれば、
本来は子孫には関係ない話。
にもかかわらず、”憎しみ”1つで
関係ない者たちまでカタキに仕立て上げられる。
一体いつから始まったのかわからない、
カタキの関係。
”憎しみ”は目に見えず、実態もないのに、
増幅され伝わる不思議。
人がもっとも残虐になるのは、
自分が正しいと確信した時。
人がもっとも弱くなるのは、
自分の行動に罪を感じた時。
自分が正しいと思い込みたい、
でないと不安と恐怖でつぶれてしまいそう。
正義という「大義名分」はいつだって、
弱った心へ手を差し伸べるフリをする。
「独り占めしてやろう」
「奪い取ってやろう」
「蹴落としてやろう」
ほんの少しの”出来心”が、
いつの間にか欲望や嫉妬の大火になる。
「皆が平等な社会を作る」
そんな正義を掲げたレーニンは、スターリンは、
貧困と強制労働、恐怖政治へ突き進んでいった。
「ドイツの経済を復興する」
そんな正義を掲げたヒトラーは、
第二次世界大戦へ突き進んでいった。
正義はいつだって、見た目と耳ざわりの良い言葉だ。
正義とは何か、
正義とは本当に存在するのか。
正義とは、
欲望のために他者を利用するための道具か。
正義とは、
弱い心がすがりつくための御柱か。
正義とは、自己正当化のためにあるのか。
正義とは、人を殺すためにあるのか。
正義とは、安心と後ろ盾のためにあるか。
正義とは、生きるための支えなのか。
正義を利用し、正義に利用され、
憎み合い、殺し合う。
正義にすがりつき、正義に励まされ、
団結し、心の支えにする。
正義に殺された人がいて、
正義に支えられて生きた人がいる。
それは”愚かなこと”なのか。
誰から見て”愚か”なのか。
人間は愚かだから正義を作り出したのか。
人間が生きるために正義が必要だったのか。
正義とは何か、愚かとは何か。
人間の本質を突き詰めた言葉を
選りすぐった本。
『人間は素晴らしい 〜手塚治虫 愛と生命の言葉〜』
今回は
”人間の愚かさと正義”
という視点から、
著作中で心に残った一節を紹介したい。
ー目次ー
- 素晴らしい知識も道徳も、必ず悪用される
- 人間は世代を超えて憎しみあう生きものだ
- 心の弱みにつけ込む、正義という”大義名分”
- 少しの悪い考えが、地獄の入り口になる
- 正義はいつだって、見た目と耳ざわりの良い言葉
- 所感
1.素晴らしい知識も道徳も、必ず悪用される
”人間”
人間という動物は
どんな素晴らしい知識や道徳をもっていても、
必ず誰かがそれを無視して
愚かな行動へ突っ走るものなのだ。
千年、二千年経っても、
この点では人間はちっとも進歩はしないであろう。
55ページ より
人の心を救うはずの宗教が、
人を殺すための正当な理由に使われる。
人の生活を豊かにするはずの科学が、
兵器を作るために使われる。
素晴らしい知識も、革新的な発見も、
人間の欲が無限である限り悪用は絶えない。
2.人間は世代を超えて憎しみあう生きものだ
”憎しみの連鎖”
人間とは憎しみあう生きものだ。
お互いにカタキと呼び、敵として必ず戦う。
そして、どっちか倒れ、倒れた側の近親がまた相手を憎む。
58ページ より
カタキと呼び合い、
戦った者たちがいなくなれば、
本来は子孫には関係ない話。
にもかかわらず、”憎しみ”1つで
関係ない者たちまでカタキに仕立て上げられる。
一体いつから始まったのかわからない、
カタキの関係。
”憎しみ”は目に見えず、実態もないのに、
増幅され伝わる不思議。
3.心の弱みにつけ込む、正義という”大義名分”
”正義の愚かさ”
俺の人生は一体なんだったんだろう。
あちこちの国で正義というやつにつきあって、
そしてなにもかも失った。
肉親も、友情も、俺自身まで…。
俺は愚かな人間なんだ。
だが、愚かな人間がゴマンといるから、
国は正義をふりかざせるんだろうな。
65ページ より
人がもっとも残虐になるのは、
自分が正しいと確信した時。
人がもっとも弱くなるのは、
自分の行動に罪を感じた時。
自分が正しいと思い込みたい、
でないと不安と恐怖でつぶれてしまいそう。
正義という「大義名分」はいつだって、
弱った心へ手を差し伸べるフリをする。
4.少しの悪い考えが、地獄の入り口になる
”地獄の入り口”
地獄なんてどこにだって入り口があるんだぜ。
人間がちょっと悪い考えを起こしたりしたら、
そこが地獄の入り口になるんだよ。
234ページ より
「独り占めしてやろう」
「奪い取ってやろう」
「蹴落としてやろう」
ほんの少しの”出来心”が、
いつの間にか欲望や嫉妬の大火になる。
5.正義はいつだって、見た目と耳ざわりの良い言葉
”見た目”
ガキや大衆はな、
正義なんてのは見た目がよけりゃ信じちまう。
そういう連中だ。
240ページ より
「皆が平等な社会を作る」
そんな正義を掲げたレーニンは、スターリンは、
貧困と強制労働、恐怖政治へ突き進んでいった。
「ドイツの経済を復興する」
そんな正義を掲げたヒトラーは、
第二次世界大戦へ突き進んでいった。
正義はいつだって、見た目と耳ざわりの良い言葉だ。
6.所感
正義とは何か、
正義とは本当に存在するのか。
正義とは、
欲望のために他者を利用するための道具か。
正義とは、
弱い心がすがりつくための御柱か。
正義とは、自己正当化のためにあるのか。
正義とは、人を殺すためにあるのか。
正義とは、安心と後ろ盾のためにあるか。
正義とは、生きるための支えなのか。
正義を利用し、正義に利用され、
憎み合い、殺し合う。
正義にすがりつき、正義に励まされ、
団結し、心の支えにする。
正義に殺された人がいて、
正義に支えられて生きた人がいる。
それは”愚かなこと”なのか。
誰から見て”愚か”なのか。
人間は愚かだから正義を作り出したのか。
人間が生きるために正義が必要だったのか。
正義とは何か、愚かとは何か。
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