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2024年06月01日

【短編小説】『訣別の雪辱戦(グラジマッチ)』1

【MMD】Novel Grudge Match SamuneSmall2.png

【MMD】Novel Grudge Match CharacterSmall1.png

⇒本作のサイドストーリー
 『哀別の贈り物(パートギフト)』からの続き

<登場人物>
アシュクリス(主人公)

リヴィーズ(アシュクリスの妹)

トリステス(姉妹の父、軍事大国No.1の戦士)

イレーズ(姉妹の母、軍事大国No.1の魔法使い)
 
ゼレシア(魔族軍トップ)
 
メイレ(魔族軍幹部、ゼレシアの側近)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【第1話:偏愛される姉妹】



<10年前、とある軍事大国>

トリステス
『お前たちは18歳で独り立ちしろ。』
『それ以降は家に置かないからな。』


アシュクリス
「はい、お父さん…。」


リヴィーズ
『はい…。』


トリステス
『訓練を再開する。早く立ち上がれ。』


リヴィーズ
『うぅ…痛い…。』


アシュクリス
「お父さん…。」
「リヴィーズだけでも休ませて…?」


トリステス
『甘えるなリヴィーズ!』
『そんなことで戦場で生き残れるか!』


アシュクリス
「お父さん…待ってよ…。」


トリステス
『アシュクリス!』
『妹を休ませたいならお前が守りながら戦え。』
『お前はそれすらできないほど弱いのか?』


リヴィーズ
『お姉ちゃん…私のことはいいよ?』


アシュクリス
「…わかった、やるよ。」


トリステス
『(ニヤリ)…それでいい。』
『王国1の戦士の娘が弱くては格好がつかん。』
『オレの顔にドロを塗るようなマネは許さんぞ。』


アシュクリス
「(ギリッ)………!!」


リヴィーズ
『………(涙)』




とある軍事大国に、
アシュクリスとリヴィーズという
かわいらしい姉妹がいました。

2人の父親・トリステスは
国で1番腕の立つ戦士として、

母親・イレーズは
国で1番の魔法使いとして、
他国までその名をとどろかせていました。

姉妹は幼い頃より、
両親から戦闘や魔法の訓練を受けました。

父親のトリステスは
『娘が18歳になったら家に置かない』と
口癖のように言っていました。


彼は娘たちを決して褒めず、
一切の甘えも妥協も許しませんでした。

母親のイレーズは無口で、
魔法のこと以外には無関心でした。

彼女は父親に代わって娘を守ることなく、
魔法の研究に没頭していました。


ーー


10年が経ち、
姉のアシュクリスは18歳になりました。

トリステスは宣言通り、
アシュクリスを家から追い出しました。

トリステス
『戦闘の技術は叩き込んだ。』
『冒険者なり傭兵なり、自分で稼いで生きろ。』


アシュクリスは
故郷を離れることにしました。

アシュクリス
「悲しいけど、あの人たちとの生活はまっぴら。」
「やっと抑圧から解放されたと思えば…(涙)」


彼女は隣町への街道を歩きながら、
厳しい訓練の日々を思い出しました。

アシュクリス
「本当は戦闘も魔法もイヤだった…。」
「けど、それなりに力を付けた。」
「これからは自由に生きよう…。」




彼女の気がかりは
2歳下の妹・リヴィーズでした。

アシュクリス
「リヴィーズ…大丈夫かな…?」
「また泣きながら訓練場に連れて行かれて…。」


姉妹は戦闘も魔法も優秀でしたが、
性格は対照的でした。

姉のアシュクリスは負けん気が強く、
両親に打ちのめされても立ち向かいました。

妹のリヴィーズは気弱で、
厳しい訓練にへこたれがちでした。

リヴィーズが1日の訓練ノルマを果たせず、
それに怒った父親が彼女を訓練場へ
引っ張って行くことがよくありました。


アシュクリス
「2年後に国へ戻ってみよう。」
「リヴィーズが18歳になったら2人で旅したい。」


アシュクリスはそんな夢を描きながら、
旅先で仕事を受ける冒険者として
生計を立てました。


ーー


<2年後>

アシュクリスは20歳、
リヴィーズは18歳になりました。

アシュクリスは2年間で
多くの街の困りごとを解決しました。

戦闘も魔法もレベルアップした彼女は、
襲いかかってくるモンスターを退けながら
故郷の軍事大国を目指しました。

アシュクリス
「リヴィーズ…私が旅に誘ったら迷惑かな?」
「”1人で旅したい”って言われたら諦めるけど…。」

「…って、何考えてるの私?」
「これじゃ”気になる男の子へのアプローチ”でしょ///(照)」


彼女はそんな1人突っ込みを入れながら、
実家のある地区へ向かいました。

実家が近づくにつれて、
彼女の気が重くなりました。

アシュクリス
「(ガクガク)…親の顔なんか見たくない…。」
「…勇気を出して…!」




コンコン、ガチャ



トリステス
『…何の用だ?』


アシュクリス
「…リヴィーズに会いに来たの。」


トリステス
『会ってどうするつもりだ?』


アシュクリス
「…リヴィーズも今年で独り立ち…でしょ?」


トリステス
『フン…アイツはまだ出さん。』


アシュクリス
「…どうして?!」


トリステス
『アイツが魔法学校を中退したからだ。』
『卒業資格試験に合格するまでは出さん。』
『リヴィーズめ…恥ずかしいマネを…!』


アシュクリス
「…!!…そっか…。」
「リヴィーズは居る?」
「せめて一目会いたくて…。」


トリステス
『リヴィーズは魔法の訓練で忙しい。』
『お前に会っているヒマはない。』


アシュクリス
「そんな…!!」


トリステス
『目障りだ、去れ。』




バタン!



アシュクリス
「…(グス…)……。」


アシュクリスは失意の内に
故郷の軍事大国を後にしました。

彼女はさらに2年間、
冒険者として孤独な戦いに身を投じました。



【第2話:居候のケジメ】へ続く


⇒この小説のPV

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理琉(ワタル)
自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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