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2021年02月24日

感想部19 今週も感想部週間 「スリーピング・マーダー」ミス・マープル

スリーピング・マーダー【電子書籍】[ アガサ・クリスティー ]

価格:734円
(2021/2/24 09:44時点)
感想(0件)




どうも、梅ゆかり母さんです。
アガサ・クリスティ―の「スリーピング・マーダー」です

本作はマープルシリーズの完結を目的として、ポアロシリーズ最終作『カーテン』とともに1943年に執筆され、作者死後の出版の契約がなされていた作品である。作者自身に万一のことがあっても家族が困らないように、本作の著作権を夫に贈与することが、本作執筆の動機であった


そうなんだぁ、ミス・マープル最後の事件だったんだぁ。
後世になると、手に取った順に読んでしまうので、
発表順などまるで気にしなかったりするけれど、
順番通りに読むと、キャラクターが成長しているのがよく解ったりもする。
まあ、一冊も持っていないので、ミス・マープルが成長しているかどうか解らないけれど

あらすじ
新婚のグエンダ・リードは、新居を求めて夫ジャイルズより一足先にニュージーランドからイングランドを訪れる。そしてディルマスで見つけたヴィクトリア朝風の家、ヒルサイド荘を一目で気に入ったグエンダは、早速その家を購入し改装を始める。しかし、初めての家のはずなのに、石段、居間から食堂へ通じるドアなど、なぜか隅々まで知りつくしているような思いにとらわれ不安を感じ始める。さらに、古い戸棚の中からは彼女がまさに思い描いた模様の壁紙が現れた。

恐怖を感じたグエンダは、ロンドンに住むジャイルズのいとこのレイモンド・ウェスト夫妻からの招待に応じ、レイモンドの伯母のミス・マープルたちと芝居の観劇に行く。ところが「女の顔をおおえ、目がくらむ、彼女は若くして死んだ」という台詞を聞いたとたん、グエンダは悲鳴をあげて劇場を飛び出してしまう。気が狂ったのではないかと思い悩むグエンダは、マープルにこれまでのすべてを打ち明ける。さらに彼女は、芝居の台詞を聞いた瞬間、ヒルサイド荘で殺された女を思い描いたことを話す。マープルは、彼女の告白の中に「回想の殺人」を見出す。


この話の面白いところは、三つ子の魂と言うか、子供の記憶もバカにならないなぁと思う所

私事ですが、父親が死んだとき、
まぁ、思い出話になりますよね。
遺産とか、いろいろの話になった時に、
父はバツイチだったこと、子供がいる事を知った兄弟たち。
「お姉ちゃん知ってた?」と聞かれて、普通にうん。と返事をした。

長姉だから知っているというより、大人の話に入りたがる子だったので、
大人が話しているのを盗み聞ぎしていたところがあるかな。

子供のころに、父親が浮気をして、
その浮気相手を気に入ってはいたけれど、
「どうする? 一緒に行く?」
と聞かれたと思う。
そん時迷わず、
「お母さんと行く」
だかそう言ったのを覚えている。
父親は、私だけを引き取る気だったと思う。
めっちゃ可愛がっていたので。
だけど、その私は、母のほうを選んだ。だから、たぶん、別れたと思う。

それ以降、そんな話もなく、
死んですでに17年? 経ったけれど、
行かなくて本当によかったと思っている。

そういうこどものころの断片的な思い出は、
時として、ドラマや、小説、漫画でねじ曲がっていくけれど、
大人になって、話して、つじつまが埋められていけば、
ちゃんとした記憶だと気づく時もある。

この話も、夢から見て、その断片が、ドラマとか、映画とかの影響かと思っていたが、
まさに、自分が子供のころ過ごした場所に帰ってきたことで
つじつまのピースがハマり出し、
一個はまったピースは、連鎖的にすべてのピースを元通りにしようとする。

ドラマの中で、パズルをしているシーンがあり、
ピースをはめると、「カーリー」が完成する
「カーリーよ、死と破壊の女神」
というセリフがある。

そして、ドラマ序盤で、ミス・マープルがグエンダに
「どうしても知りたい? どんな結末になろうとも?」
と聞くシーンがある。

それを踏まえると、過去の事件、いや、現行の事件さえも、
探らなくていいところを探り、
知らなくていいことを知ってしまう。
それは好奇心でもあるけれど、恐怖でもあり、十分殺害動機にもなる。
という暗示に思える。

それでもあなたは知りたい?

それを問われている作品かなぁ。と
犯罪はよくない。だけど、犯罪を犯した人は、
一個の秘密を守るためだけに犯罪を犯す。
その一個は時としてばかばかしいことかもしれない。
それを後日、探って、
「そんなことのために?」
と言われるのを恐れて、「また犯罪を犯す」

負の連鎖。

ってやつに陥る。
出来れば、そんなことしないように、「普通は生きている」
これは小説の世界だし、フィクションだけど、
あり得ない話ではない。
あり得ない話ではないからこそ、
人は、彼女が無くなって、すでに半世紀近くたとうが、
作品を愛しているのだと思う。

それは、日本の文学も、古典芸能も同じことで、
未だに共感できるから、やっぱり、好きな人が多くいるのだと思う。

そんな作品、書いてみたいけどね

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