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タグ / 迷宮

記事
迷宮の歌 [2019/03/08 00:00]
人々が教会で祈りを捧げていました。彼らの視線の先には、牛の頭を模した不気味な石像が鎮座しています。会堂に立ち込める厳粛な空気。それは神に捧げる生贄を決めるための、祈りの時間でした。長い沈黙を破り、司祭は神のお告げを伝えます。生贄に選ばれたのは物静かな少女でした。司祭に導かれ教会の奥へ消えていった少女の目からは、涙がこぼれていました。 人々が去った後の静まり返った教会に、少年が呆然と立ち尽くしています。少年は生贄に選ばれた少女の幼馴染であり、密かな恋心を抱いていました..
迷宮の息 [2017/03/09 00:00]
その女はどうしようもなくのろまだった。不器用で何をするにも人の3倍以上の時間がかかる。歩くのもゆっくり。話すのもゆっくり。瞬きするのもゆっくり。水汲みひとつ満足に出来ない有様だった。子供達に「ウシ」と呼ばれて嗤われてもエヘラエヘラと笑い返すばかり。 その女はどうしようもなく鈍かった。転んで血を流してもボンヤリしていた。頻繁に金を落とすくせに一度も取り戻せた事は無かった。目の前で誰かが女の悪口を言っていてもそれが悪口だと判るまでに半日以上の時間がかかった。子供達は女を見ると喜..
迷宮の歌 [2017/02/08 00:00]
それは洞窟の奥深くに住まうケモノ。巨大な角。鋼の様な体躯。灼熱の吐息。牛の頭と人の体を持つ魔獣は、平和を愛する村人達から憎まれていた。恐れられていた。やがて魔獣は「迷宮のミノタウロス」と呼ばれる事になる。 その恐ろしげな見た目とは裏腹に、魔獣はとても優しかった。他の生き物を殺す事もなかったし、花があれば無骨な指で踏まないように気をつけた。洞窟の奥深くに住んだのも、出来るだけ村人を怖がらせない為だった。 ある日、洞窟の奥に少女が迷いこんできた。少女は魔獣を見ると泣き叫び続け..
迷宮の声 [2017/01/13 00:00]
その女の子には2本のおおきなツノが生えていたんだよ。耳のちょっと上のあたりから、牛みたいな立派なツノが。ツノの根本を見た事があるんだが、完全に頭の骨から生えてるみたいだったな。もちろんそんな子はその子だけだよ。他の子は普通の子だった。ツノの子も、生まれた時は小さかったらしいよ。あ、いやツノがね。そりゃあそうだ。あんなバカデカイツノがあったら、かあちゃんの腹から出てこれやしねえからな。 イジメられていたかと思うだろ?それが全然違うんだな。その子は村の誰よりも強かった。村であの..
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