2019年02月07日
三式戦術槍
どこか遠い国からやってきたと言われるその武器の最初の印象は「無骨」という一言だった。錆びた柄、意味不明の機械、こぼれた刃……槍と言われて売られていたが、その用途には重すぎるように見える。仕入れたは良いものの、こんなモノが売れるんだろうか……?
ウチの王様には困ったもんだ。「3日以内に一番重い武器を持ってきた者に褒美を与える」なんて急に言い出すんだから。なんでも勇者を選抜するのに使うらしいが、言われたこっちはたまったもんじゃない。だから、ガラクタ屋でこのクソ重い槍を見つけた時は、自分に女神さまが付いてるかと思ったね。
相手の国を滅ぼした時に武器を奪い、それを誇るのは武勇の証だ。ただ、奴らの国から奪ったこの武器はどうも使い勝手が悪い。小便を垂れ流しながら命乞いをしていた王が大事にしていたから、さぞや価値のあるものだと思ったんだが、鑑定士によると単なるガラクタらしい。ガッカリにも程がある。
機械生命体との戦いで発見されたその武器は、おそろしく経年劣化していたが、研究部によって未発見の回路が発見された事で一躍話題の武器となった。旧世界にそのようなテクノロジーがある事は考えづらい事から、研究者の間では偽装を疑う声も上がっているが、今後の戦闘に役立つ事は間違いないだろう。
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