2015年04月08日
霞切り
ある小さな村のほとりに小さな池があった。この池は愛し合う少年と少女が離れる際に流した涙からできたという。村にはその残された少年が住んでおり、もう一度少女に会いたいと強く願いつづけていた。
ある時その池に宿る神が少年のもとに現れ、賭けを持ちかけた。遙か北西にそびえる山にしか咲かない露草を持ち帰ることができれば少女を連れ戻すと。すぐに旅立った少年は幾たびの困難の末、北西の霞がかる山の中にある村をみつける。その村には離れた少女がいた。
少年と少女は涙を流し再会を喜んだ。小さな川が流れる小さな村で、離れていた時を取り戻すかのように二人は一日中語りつづけ、結婚することを誓う。少年は願いがかなったことにやすらかな笑みを浮かべる。しかしそれは深い霧の中で見た幻影であり、少年はまもなく息絶えた。
またここにひとつかなわぬ恋がうまれたことに神は涙を流した。この槍はその涙をこの武器に込め、俗世での二人の幸せを願ったものだという。
ある時その池に宿る神が少年のもとに現れ、賭けを持ちかけた。遙か北西にそびえる山にしか咲かない露草を持ち帰ることができれば少女を連れ戻すと。すぐに旅立った少年は幾たびの困難の末、北西の霞がかる山の中にある村をみつける。その村には離れた少女がいた。
少年と少女は涙を流し再会を喜んだ。小さな川が流れる小さな村で、離れていた時を取り戻すかのように二人は一日中語りつづけ、結婚することを誓う。少年は願いがかなったことにやすらかな笑みを浮かべる。しかしそれは深い霧の中で見た幻影であり、少年はまもなく息絶えた。
またここにひとつかなわぬ恋がうまれたことに神は涙を流した。この槍はその涙をこの武器に込め、俗世での二人の幸せを願ったものだという。
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