2019年08月04日
世界1周の旅:ヨーロッパ前編M ニースとパリ ―― 巡礼前にフランスで静養
A voyage round the world : Europa Edition 1st part M Nice & Paris ―― Retreat in France just before starting Pilgrimage【March 2011】
「ニースで気分転換 A small break in Nice」
3月25日、私はバルセロナ、サンツ駅からフランスのニースへ向けてスペイン鉄道renfeの車両に乗り込んだ。フィゲラスでパリ行きのフランス国鉄SNCFに乗り換え、国境を通過するとモンペリエで東へ向かう列車に乗り換える。乗継まで約2時間あったので、駅のカフェに入った。
そこでランチを頼んだのだが、イタリア、スペイン、フランスを転々としているため各国語が頭の中でゴチャ混ぜになってしまい「ボンジョルノ!」と挨拶してしまったうえに「カフェ・ラテ、シルヴ・プレ」と言ってお姉さんに「カフェ・オレ?」と直されてしまった。そうか、ラテはイタリア語なのか。
バルセロナでも「グラシアス(ありがとう)」と言うべきところを「グラッツェ」と言ってしまったり、似たような言語だけにみんな笑ってくれるけど、こちらはかなり恥ずかしい。フランス人にしてはこの店員さんはとても感じが良かったけれど、英語のできないところはやはりフランス人だった。
温かいサンドイッチが食べたかったのだが、英語で尋ねる私に、近くにいた店員のお兄さんも加わって一生懸命フランス語で説明してくれたけど会話が噛み合わず、仕方なくボリューム満点のコールド・サンドイッチで我慢した。
しかし、男性の話すフランス語って何故にあんなに色っぽいんだろう。「メルシ」と言われただけでウットリしてしまう…。
紺碧海岸という呼び名がピッタリのニース遠景。
バルセロナから丸一日かかって辿り着いたニースは、本当にイメージ通りのリゾートだった。
ニースといえば『プライスレス』というフランスのラブ・コメ映画に出てくるリッチマンズ・ワールド。
が、新婚旅行で高級ホテルに泊まる訳でもなく、男友達とのバカンスでカジノに繰り出すわけでもないバックパッカー同然のお一人様のワタシがニースで観光できる場所などないので、当初の目的どおり青い海を眺めてぼーっとするのみ?
せっかくなので、半日ツアーでモナコまで足を延ばしてみた。なんとツアー客は私一人。見習いを含む二人のガイドさんの付き添いで、ほとんどプライベート・ツアー状態。ラッキー
王宮も含め、モナコのどこもかしこも「リッチ」という言葉しか浮かばない小綺麗な街の後は、フランスの有名香水メーカー、フラゴナールの本社を見学し、最後は鷲ノ巣村と呼ばれる断崖絶壁の上にある小さな村エズを散策してニースへ戻る。半日にしてはなかなか充実したツアーだった。
左:モナコの近代的な街並みとマリーナ。う〜ん、さすが金持ちの国(/o\)、皇居の約2倍という本当に小さな国だが、どこを見ても高級感溢れる風景…
右:中央広場の奥にどっしりと建つロイヤル・カジノ。世界のギャンブラーとリッチ・ピープルが集まる場所ですね
ツアーから戻ると、ちょうど朝市が閉まる頃。
2月に行われるフラワー・フェスティバルが有名なニースだけあって、朝市でも色とりどりの花が並んでいた。どのテントも、ただの朝市とは思えないセンスの良さで花の美しさが際立つようにディスプレイされていた。
海岸にはトップレスの女性まで出没し始める陽気。せっかくなので海を眺められる砂浜のカフェに入ったのはいいが、週末の大混雑。注文までに15分、遅いランチにありついたのは、なんと座ってから40分後だった…!
待ちくたびれて溜息連発の私と目が合った隣りのテーブルに座っていた子供連れのパパは肩をすくめ、「ここはフランスだから」と英語で言って苦笑いしていた。気長に待つのがフランス流らしい。
私のテーブル担当だったアシュトン・カッチャーをよりワイルドにしたようなお兄さんは「あと10分くらいで出て来るから」とか「あと5分待って」と、注文した料理が出てくるまで何度か言いに寄ってくれ「ボナ・ペティ!(召し上がれ)」と待ち焦がれたスパゲティ・ラグーソースを出してくれた後も、通りかかるたびに「ビアン(美味しい)?」と訊いてくれたりしたし、お会計の時もすぐに来てくれた。
何より暖かい日差しを浴びて海を眺めているだけで、余裕のあるゆったりした気分になれることがこそが、ニースの魔法なのかもしれない。とはいえ、やはり海辺に高級ホテルの並ぶニースは、オシャレをして男性に腕を取ってもらい訪れるのが似合う街だった。
その夜、時計の針を1時間早めてサマータイムが始まった。
「旅人はなぜパリに魅せられるのか
Why people fall in love with Paris?」
もうすぐ3月が終るという雨模様の朝、私はニースからパリへ向かうTGVに乗っていた。約6時間の鉄道旅に心が浮き立たないはずはない。
たとえTGV車内の売店へと続く長蛇の列に並ぼうとも。
長〜い列に並んでから30分かかってやっとたどり着いた売店では、白シャツの胸をはだけたラテン系、ガエル・ガルシア・ベルナルそっくりのお兄さんが1人で切り盛りしていたので、どおりで時間がかかる訳だ、と納得。
ヨーロッパ人にしては手際よく、しかしやはりバサッ、ドサッと乱暴にドリンクを入れたりバーガーをチンしている忙しそうなお兄さんに「ペーパーバッグ、シルヴ・プレ」と、英語と慣れないフランス語ごちゃ混ぜでお願いしたら、ニコッと鮮やかにウィンクして私のホットコーヒーとサラダを紙袋に入れてくれた。その色気に思わず、おぉ、とよろめきそうになりながら遠く離れた自席へと戻る。皆背が高く、TGVの天井スレスレに歩いている欧米人。かっこいい…。
のどかな穀倉地帯をひたすら北上したTGVは夕刻、全ての旅人を惹きつける華の都パリの玄関口、リヨン駅の巨大なアーチの下へと滑り込んだ。
パリの何がそんなに旅人を惹きつけてやまないのか。パリに魅せられた旅人をテーマにした多くの映画が作られていることを考えると、パリの持つ洗練された大人の雰囲気が、何か起こるような予感を与えるからではないだろうか。幸か不幸か私には、その何かが起こったことはないのだが…
まずは、ずっと訪れたいと思っていたフォンテーヌブロー宮殿へ、パリからの半日ツアーに参加。
バルビゾン村の可愛らしいイン。ゴシック・ホラーの映画に出てきそうな趣のある旅籠だ。
最初にミレーを始めとする画家たちの住んだ村、バルビゾンで短時間の散策。高級リゾート、ニースの後だったので、時が止まったようなのどかな農村風景に癒される。本当に小さな村なので、個人的には1泊して画家たちが歩いた森の中を私もゆっくり散策してみたかった。メインストリート沿いに並ぶ趣のある古いお家がたまらなく可愛らしかった。
一般的に日本人女性にとってパリといえばブランド・ショッピングかスイーツ・ショップ巡りか、というのが本音だろう。悲しいかな、歴史と芸術は二の次、それが昨今の現実だ。
ブランド・ショッピングには興味がないし、スイーツ・ショップは今回巡礼前ということで似非バック・パッカーに徹していることもあり、カジュアルすぎる格好で入れるお店は限られてくるので、入場料のかからないパリの街並みをひたすら自分の足で見て回る、という選択肢しか私には残されていなかった。
そういえばパリは4回目だが、一人でゆっくり気ままに街を歩いたことはなかった。イタリアであんなにツラくてイタイ独り歩きだったが、個人主義の徹底したフランスではおひとり様が比較的多いので、あまり肩身の狭さを感じない。
一人バゲットを齧りながら街を闊歩するオシャレなパリジェンヌの多いこと。嬉しいぞ!
驚いたのは、スタバやマックがあちこちに出現していたことだ。10年前、パリにスタバなどあっただろうか。独自のカフェ文化を持つパリにも、アメリカンスタイルは深く浸透しているようだ。一人旅には、落ち着いて入れるスタバがあるのは嬉しいことだが、パリのスタバはバルセロナより0,20ユーロ高い(最少サイズのキャラメル・マキアートが3,70ユーロ!)だけでなく、味が薄い…。
パリの街もニューヨークに劣らず数々の映画の舞台になってきただけあってフォトジェニックな風景に溢れ、デジカメを休ませる暇がなかった。『勝手にしやがれ』の若い二人が歩いたシャンゼリゼをぶらつき、カトリーヌ・ドヌーヴが宝石店主を演じたヴァンドーム広場に佇み、怪人の住むオペラ座を見上げ、『ダ・ヴィンチ・コード』で一躍名を知られたピラミッドのあるルーブル前広場を横切り、恋人たちが語らうポン・ヌフ橋を眺め、のだめがパンツ丸出しで池に落ちたリュクサンブール公園まで足を延ばし、つまりはジェイソン・ボーンが暴れまくったパリの街をフラフラしていた訳である。こんなに無意味で、且つ楽しい時間の過ごし方があろうか!(笑)
どれだけ歩いても飽きないこと、そしてどこにでもカフェがあるのもまた、パリの街の魅力ではあるのだが、ついつい何度も喉を潤しに寄っては毎回コーヒー代が4〜5ユーロもかかる(立ち飲みだけなら半額ですむけれど)のは、貧乏旅人にとっては悩ましいことだ…。
だが、カフェのテーブルに座って街行く人々を眺めること自体、パリを楽しむひとつの方法である以上、私は毎回居心地の良いカフェを探して彷徨うのだろうな、と思う。
次はオシャレをして「アール・ヌーボー建築とパッサージュ巡り」をテーマにパリを歩こう。その前にフランス語を勉強して、レストランで注文できる程度の語学力を身につけ、さらに『アメリ』や『ダ・ヴィンチ・コード』などパリを舞台にした映画も見直して….。もちろん、美味しいスイーツを頬張ることも忘れずに
★パリの後一旦バルセロナへ戻り、4月1日から始めた巡礼の記事はこちらへ。
★そして3年後、待望のパリ旅の記事はこちらへ。
「ニースで気分転換 A small break in Nice」
3月25日、私はバルセロナ、サンツ駅からフランスのニースへ向けてスペイン鉄道renfeの車両に乗り込んだ。フィゲラスでパリ行きのフランス国鉄SNCFに乗り換え、国境を通過するとモンペリエで東へ向かう列車に乗り換える。乗継まで約2時間あったので、駅のカフェに入った。
ニースに向かう列車に乗っていた、とってもしつけの良いおとなしい犬は、この姿勢のままじーっと私を見つめ続けていた… さすがおフランス、お行儀がよろしいのね。 |
そこでランチを頼んだのだが、イタリア、スペイン、フランスを転々としているため各国語が頭の中でゴチャ混ぜになってしまい「ボンジョルノ!」と挨拶してしまったうえに「カフェ・ラテ、シルヴ・プレ」と言ってお姉さんに「カフェ・オレ?」と直されてしまった。そうか、ラテはイタリア語なのか。
バルセロナでも「グラシアス(ありがとう)」と言うべきところを「グラッツェ」と言ってしまったり、似たような言語だけにみんな笑ってくれるけど、こちらはかなり恥ずかしい。フランス人にしてはこの店員さんはとても感じが良かったけれど、英語のできないところはやはりフランス人だった。
温かいサンドイッチが食べたかったのだが、英語で尋ねる私に、近くにいた店員のお兄さんも加わって一生懸命フランス語で説明してくれたけど会話が噛み合わず、仕方なくボリューム満点のコールド・サンドイッチで我慢した。
しかし、男性の話すフランス語って何故にあんなに色っぽいんだろう。「メルシ」と言われただけでウットリしてしまう…。
紺碧海岸という呼び名がピッタリのニース遠景。
バルセロナから丸一日かかって辿り着いたニースは、本当にイメージ通りのリゾートだった。
ニースといえば『プライスレス』というフランスのラブ・コメ映画に出てくるリッチマンズ・ワールド。
が、新婚旅行で高級ホテルに泊まる訳でもなく、男友達とのバカンスでカジノに繰り出すわけでもないバックパッカー同然のお一人様のワタシがニースで観光できる場所などないので、当初の目的どおり青い海を眺めてぼーっとするのみ?
せっかくなので、半日ツアーでモナコまで足を延ばしてみた。なんとツアー客は私一人。見習いを含む二人のガイドさんの付き添いで、ほとんどプライベート・ツアー状態。ラッキー
王宮も含め、モナコのどこもかしこも「リッチ」という言葉しか浮かばない小綺麗な街の後は、フランスの有名香水メーカー、フラゴナールの本社を見学し、最後は鷲ノ巣村と呼ばれる断崖絶壁の上にある小さな村エズを散策してニースへ戻る。半日にしてはなかなか充実したツアーだった。
右:中央広場の奥にどっしりと建つロイヤル・カジノ。世界のギャンブラーとリッチ・ピープルが集まる場所ですね
ツアーから戻ると、ちょうど朝市が閉まる頃。
2月に行われるフラワー・フェスティバルが有名なニースだけあって、朝市でも色とりどりの花が並んでいた。どのテントも、ただの朝市とは思えないセンスの良さで花の美しさが際立つようにディスプレイされていた。
花だけでなく、新鮮なイチゴなどのフルーツから、匂いに誘われてしまうパン屋さん、キッシュやパイを売っているテントなど、歩いているだけでウキウキしてくる。 残念ながらほとんどが店じまいを始めていて、食べ歩きできなかったのは、ちょっと心残り。 |
海岸にはトップレスの女性まで出没し始める陽気。せっかくなので海を眺められる砂浜のカフェに入ったのはいいが、週末の大混雑。注文までに15分、遅いランチにありついたのは、なんと座ってから40分後だった…!
待ちくたびれて溜息連発の私と目が合った隣りのテーブルに座っていた子供連れのパパは肩をすくめ、「ここはフランスだから」と英語で言って苦笑いしていた。気長に待つのがフランス流らしい。
私のテーブル担当だったアシュトン・カッチャーをよりワイルドにしたようなお兄さんは「あと10分くらいで出て来るから」とか「あと5分待って」と、注文した料理が出てくるまで何度か言いに寄ってくれ「ボナ・ペティ!(召し上がれ)」と待ち焦がれたスパゲティ・ラグーソースを出してくれた後も、通りかかるたびに「ビアン(美味しい)?」と訊いてくれたりしたし、お会計の時もすぐに来てくれた。
彼らは彼らなりに一生懸命やっているようなので、ヨーロッパ流ののんびりした接客にアンビリーバボー!とかなりイラついたけれど、お兄さんの笑顔に免じて許してあげることにした。 右:遅いランチにありついた砂浜のカフェ |
何より暖かい日差しを浴びて海を眺めているだけで、余裕のあるゆったりした気分になれることがこそが、ニースの魔法なのかもしれない。とはいえ、やはり海辺に高級ホテルの並ぶニースは、オシャレをして男性に腕を取ってもらい訪れるのが似合う街だった。
その夜、時計の針を1時間早めてサマータイムが始まった。
「旅人はなぜパリに魅せられるのか
Why people fall in love with Paris?」
もうすぐ3月が終るという雨模様の朝、私はニースからパリへ向かうTGVに乗っていた。約6時間の鉄道旅に心が浮き立たないはずはない。
たとえTGV車内の売店へと続く長蛇の列に並ぼうとも。
長〜い列に並んでから30分かかってやっとたどり着いた売店では、白シャツの胸をはだけたラテン系、ガエル・ガルシア・ベルナルそっくりのお兄さんが1人で切り盛りしていたので、どおりで時間がかかる訳だ、と納得。
ヨーロッパ人にしては手際よく、しかしやはりバサッ、ドサッと乱暴にドリンクを入れたりバーガーをチンしている忙しそうなお兄さんに「ペーパーバッグ、シルヴ・プレ」と、英語と慣れないフランス語ごちゃ混ぜでお願いしたら、ニコッと鮮やかにウィンクして私のホットコーヒーとサラダを紙袋に入れてくれた。その色気に思わず、おぉ、とよろめきそうになりながら遠く離れた自席へと戻る。皆背が高く、TGVの天井スレスレに歩いている欧米人。かっこいい…。
のどかな穀倉地帯をひたすら北上したTGVは夕刻、全ての旅人を惹きつける華の都パリの玄関口、リヨン駅の巨大なアーチの下へと滑り込んだ。
パリの何がそんなに旅人を惹きつけてやまないのか。パリに魅せられた旅人をテーマにした多くの映画が作られていることを考えると、パリの持つ洗練された大人の雰囲気が、何か起こるような予感を与えるからではないだろうか。幸か不幸か私には、その何かが起こったことはないのだが…
まずは、ずっと訪れたいと思っていたフォンテーヌブロー宮殿へ、パリからの半日ツアーに参加。
バルビゾン村の可愛らしいイン。ゴシック・ホラーの映画に出てきそうな趣のある旅籠だ。
最初にミレーを始めとする画家たちの住んだ村、バルビゾンで短時間の散策。高級リゾート、ニースの後だったので、時が止まったようなのどかな農村風景に癒される。本当に小さな村なので、個人的には1泊して画家たちが歩いた森の中を私もゆっくり散策してみたかった。メインストリート沿いに並ぶ趣のある古いお家がたまらなく可愛らしかった。
一般的に日本人女性にとってパリといえばブランド・ショッピングかスイーツ・ショップ巡りか、というのが本音だろう。悲しいかな、歴史と芸術は二の次、それが昨今の現実だ。
ブランド・ショッピングには興味がないし、スイーツ・ショップは今回巡礼前ということで似非バック・パッカーに徹していることもあり、カジュアルすぎる格好で入れるお店は限られてくるので、入場料のかからないパリの街並みをひたすら自分の足で見て回る、という選択肢しか私には残されていなかった。
そういえばパリは4回目だが、一人でゆっくり気ままに街を歩いたことはなかった。イタリアであんなにツラくてイタイ独り歩きだったが、個人主義の徹底したフランスではおひとり様が比較的多いので、あまり肩身の狭さを感じない。
一人バゲットを齧りながら街を闊歩するオシャレなパリジェンヌの多いこと。嬉しいぞ!
フォンテーヌブロー宮殿の馬蹄形階段。一時は流刑先のコルシカから戻って政権を奪還したナポレオンだったが、部下たちを前に結局ここで、最後の演説をすることになった有名な階段。 フォンテーヌブロー宮殿は敷地も広く、城内もとても豪華。歴史に興味のある人には、ナポレオンとジョゼフィーヌの恋物語に思いを馳せる最適の場所といえるかもしれない。 |
驚いたのは、スタバやマックがあちこちに出現していたことだ。10年前、パリにスタバなどあっただろうか。独自のカフェ文化を持つパリにも、アメリカンスタイルは深く浸透しているようだ。一人旅には、落ち着いて入れるスタバがあるのは嬉しいことだが、パリのスタバはバルセロナより0,20ユーロ高い(最少サイズのキャラメル・マキアートが3,70ユーロ!)だけでなく、味が薄い…。
パリの街もニューヨークに劣らず数々の映画の舞台になってきただけあってフォトジェニックな風景に溢れ、デジカメを休ませる暇がなかった。『勝手にしやがれ』の若い二人が歩いたシャンゼリゼをぶらつき、カトリーヌ・ドヌーヴが宝石店主を演じたヴァンドーム広場に佇み、怪人の住むオペラ座を見上げ、『ダ・ヴィンチ・コード』で一躍名を知られたピラミッドのあるルーブル前広場を横切り、恋人たちが語らうポン・ヌフ橋を眺め、のだめがパンツ丸出しで池に落ちたリュクサンブール公園まで足を延ばし、つまりはジェイソン・ボーンが暴れまくったパリの街をフラフラしていた訳である。こんなに無意味で、且つ楽しい時間の過ごし方があろうか!(笑)
結局、どの街でも目的地を決めずにブラブラ歩きをすると、公園に行き着いてしまう。 右は3回目のパレ・ロワイヤル。フランス革命時に若き革命家たちが激論を闘わせた場所だ。レストランやカフェを始め様々なお店の入ったアーケードで囲まれたこじんまりした庭園で、ルーブル美術館からも近いのでパリを訪れるたびに足を運んでしまう。何よりもツーリストが少ないのがいい。 |
どれだけ歩いても飽きないこと、そしてどこにでもカフェがあるのもまた、パリの街の魅力ではあるのだが、ついつい何度も喉を潤しに寄っては毎回コーヒー代が4〜5ユーロもかかる(立ち飲みだけなら半額ですむけれど)のは、貧乏旅人にとっては悩ましいことだ…。
だが、カフェのテーブルに座って街行く人々を眺めること自体、パリを楽しむひとつの方法である以上、私は毎回居心地の良いカフェを探して彷徨うのだろうな、と思う。
次はオシャレをして「アール・ヌーボー建築とパッサージュ巡り」をテーマにパリを歩こう。その前にフランス語を勉強して、レストランで注文できる程度の語学力を身につけ、さらに『アメリ』や『ダ・ヴィンチ・コード』などパリを舞台にした映画も見直して….。もちろん、美味しいスイーツを頬張ることも忘れずに
★パリの後一旦バルセロナへ戻り、4月1日から始めた巡礼の記事はこちらへ。
★そして3年後、待望のパリ旅の記事はこちらへ。
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確かにカフェオレはフランス語でカフェラテはイタリア語。どちらも「ミルク入りのコーヒー」という意味なんですが、厳密には、ラテは2:8のエスプレッソとスチームミルク、カフェオレは5:5のドリップコーヒーと普通のミルクを使うという違いがあるようです。コーヒーの世界、奥深いですよね〜。
F1モナコグランプリの中継で見た景色ですね〜。行ってみたいものです(^^)