2023年08月11日
人生を変える映画D「帰郷」篇
人生を変える映画の最後、第5弾は「帰郷」篇です。
久々に帰った故郷で、もしくは故郷へ戻る旅の途中で人生を変える出来事に出会う登場人物たち。
コメディからシリアスものまで、以下4作をご紹介します。
■ 飛行機、ドライブ、音楽と旅の要素が詰まっているほのぼのコメディ
キルスティン・ダンスト演じるヒロインがとにかく魅力的!
オーリー曰く「コメディ特有の間のとり方を勉強した」甲斐あって、結構笑えます。彼が飛行機の中で出会うフライトアテンダントのクレアは、明るくキュートで理想的な女の子。彼女のポジティブさと健気さが、自殺までしようとしていたドリューの心を癒やしていくのを見ると、「ああ、私も癒やされたい!」と思うでしょう。
フツーのダメ男、オーリーも意外といいよ?
オーランド・ブルームといえば、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの長い銀髪をなびかせるエルフ、レゴラス、もしくは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのウィル役が印象的な美男俳優。他にもブラッド・ピット共演の『トロイ』や『キングダム・オブ・ヘブン』などコスチューム系のイメージが強いが、数少ない現代モノ出演作の中では、これは珠玉の一作。ぜひ「カッコよすぎないフツーの青年」オーリーを堪能して。
■ 抱腹絶倒!人生讃歌的スペイン産ロード・ムービー
これがリアルな人生ってヤツでしょ
「アホすぎる〜」と笑える珍道中と、故郷で起こすすったもんだの数々。みんなどうしようもない大人達なのに愛すべき奴らで、大笑いさせられながらも「みんな一生懸命生きてるんだよね〜」と思わせてくれる。
今を生きる人々、スペイン人の人生哲学
スペイン映画はこういう人生讃歌的なものが多くて好きだ。スペイン人は、「人生とは本来滑稽で恥ずかしいものだから今を楽しむことが全て」ということをよく知っているのだろう。
日本人にも共感できる間(ま)だったり、無意識の行動だったり、本人は真剣なのだが周囲から見るとその言動が滑稽に映るという種類の、ヒューマンな笑いに満ちている。
■ 母と娘、その関係はいつだって危うく、しかも深い絆で結ばれている
物語に隠されたいくつかの悲劇と秘密
『オール・アバウト・マイ・マザー』、『トーク・トゥ・ハー』に続く、スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督による女性讃歌3部作の最終章。母娘で同じ悲劇に見舞われるという尋常ならざるストーリーの中に、祖母、母、娘と3代に渡る秘密が隠されていて胸を打つ。
スペインの至宝、ペネロペ・クルス
レストランで”ボルベール”を歌うペネロペ・クルスは鳥肌が立つほど素晴らしい。歌は吹き替えだが、娘を見つめる母の映像と共に、濃密な人生の悲哀を感じさせる心に残る名シーンだ。この役で、ペネロペ・クルスはアカデミー主演女優賞に初ノミネートされた。
今を生きる女性たちへの讃歌
誰もが何かを抱え、胸に秘めて必死に生きていることを教えてくれる。近所との何気ない会話、生前の母の匂いに関する記憶。ウケ狙いではなく、ストーリーの中から自然にわき出てくる、どこまでも真面目だからこその滑稽さがそこにある。女ばかりの異色作ながら、母と娘の悲しい運命に負けず懸命に生きる女たちの、やはり讃歌なのだなあ、としみじみ思う。
■ 絶望の淵から少しずつ這い上がろうとあがく男の真摯な姿に心打たれる
悲しすぎる壮絶な過去
不運な人の人生というのは、何故こうも耐えられないほどの苦しみに満ちているのだろう。リーの抱える過去の過ちは、救いがたいほどに悲しいものだ。甥の後見人になっても自分を責め続けたリーが、あんなつらい過去のある、別れた妻と会ってしまうマンチェスター・バイ・ザ・シーの町で暮らせないのは当然だ。
実際に起こりうるかもしれないというリアリティ
物語は無理のない展開で、そこはかとない絶望感や暗さを秘めながらも、リーの前向きな気持ちで終わる。結末は無理矢理のハッピーエンドにならないところが逆にとてもリアルだと思った。現実はサクセス・ストーリーのように簡単にはいかないのだ。だからこそ、そこに救いがある気がする。
★「人生を変える映画@ 違う場所に住んでみる篇」はこちらへ。
久々に帰った故郷で、もしくは故郷へ戻る旅の途中で人生を変える出来事に出会う登場人物たち。
コメディからシリアスものまで、以下4作をご紹介します。
■ ダメ男を演じるイケメン俳優オーランド・ブルームのおとぼけ感に癒やされる 『エリザベス・タウン』 ■ 男3人の珍道中に大笑いして、最後はちょっと涙… 『マルティナの住む街』 ■ 母と娘、繰り返される悲劇の中でも、逞しく前向きに生きる女たち 『ボルベール 帰郷』 ■ 絶望的な人生を生きながらも帰郷を機に過去と 向き合い、少しずつ変わっていく男 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』 |
■ 飛行機、ドライブ、音楽と旅の要素が詰まっているほのぼのコメディ
『エリザベス・タウン Elizabeth town』 (2005年/123分/アメリカ) ♪全てを失った僕を、待っている場所があった♪ 【Story】 突然の解雇、恋人との破局、父の死。生きる力を失くしたまま、父の故郷エリザベスタウンへと向かうドリュー(オーランド・ブルーム)。親族たちとの触れ合いを通して知る亡き父の素顔、母との再会、そして新しいロマンス。小さな町で過ごすうち、傷ついた彼の心も癒やされていく。 |
オーリー曰く「コメディ特有の間のとり方を勉強した」甲斐あって、結構笑えます。彼が飛行機の中で出会うフライトアテンダントのクレアは、明るくキュートで理想的な女の子。彼女のポジティブさと健気さが、自殺までしようとしていたドリューの心を癒やしていくのを見ると、「ああ、私も癒やされたい!」と思うでしょう。
フツーのダメ男、オーリーも意外といいよ?
オーランド・ブルームといえば、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの長い銀髪をなびかせるエルフ、レゴラス、もしくは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのウィル役が印象的な美男俳優。他にもブラッド・ピット共演の『トロイ』や『キングダム・オブ・ヘブン』などコスチューム系のイメージが強いが、数少ない現代モノ出演作の中では、これは珠玉の一作。ぜひ「カッコよすぎないフツーの青年」オーリーを堪能して。
■ 抱腹絶倒!人生讃歌的スペイン産ロード・ムービー
『マルティナの住む街 Primos』 (2012年/98分/スペイン) ♪もう、君を泣かせない(ハズ…)♪ 【Story】 結婚式当日の婚約破棄という悲劇に見舞われたディエゴは、悪友と3人で幸せだった思い出を求めて青春時代を過ごした村へ帰ることにする。珍道中の末に帰り着いた故郷で、ほろ苦い思い出のある昔の恋人マルティナと再会し…。 |
「アホすぎる〜」と笑える珍道中と、故郷で起こすすったもんだの数々。みんなどうしようもない大人達なのに愛すべき奴らで、大笑いさせられながらも「みんな一生懸命生きてるんだよね〜」と思わせてくれる。
今を生きる人々、スペイン人の人生哲学
スペイン映画はこういう人生讃歌的なものが多くて好きだ。スペイン人は、「人生とは本来滑稽で恥ずかしいものだから今を楽しむことが全て」ということをよく知っているのだろう。
日本人にも共感できる間(ま)だったり、無意識の行動だったり、本人は真剣なのだが周囲から見るとその言動が滑稽に映るという種類の、ヒューマンな笑いに満ちている。
■ 母と娘、その関係はいつだって危うく、しかも深い絆で結ばれている
『ボルベール 帰郷 VOLVER』 (2007年/121分/スペイン) ♪人生は滑稽なもの。それでも女は明るく逞しく生きていく♪ 【Story】 失業中の夫の代わりに一家を支えるライムンダ(ペネロペ・クルス)。娘パウラが義父を刺殺してしまった夜、故郷に住む伯母の訃報が届く。死体を隠そうと悪戦苦闘するライムンダを残し、故郷ラ・マンチャで葬儀を済ませた姉ソーレは、死んだはずの母を見たという近所の噂を聞く。 |
『オール・アバウト・マイ・マザー』、『トーク・トゥ・ハー』に続く、スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督による女性讃歌3部作の最終章。母娘で同じ悲劇に見舞われるという尋常ならざるストーリーの中に、祖母、母、娘と3代に渡る秘密が隠されていて胸を打つ。
スペインの至宝、ペネロペ・クルス
レストランで”ボルベール”を歌うペネロペ・クルスは鳥肌が立つほど素晴らしい。歌は吹き替えだが、娘を見つめる母の映像と共に、濃密な人生の悲哀を感じさせる心に残る名シーンだ。この役で、ペネロペ・クルスはアカデミー主演女優賞に初ノミネートされた。
今を生きる女性たちへの讃歌
誰もが何かを抱え、胸に秘めて必死に生きていることを教えてくれる。近所との何気ない会話、生前の母の匂いに関する記憶。ウケ狙いではなく、ストーリーの中から自然にわき出てくる、どこまでも真面目だからこその滑稽さがそこにある。女ばかりの異色作ながら、母と娘の悲しい運命に負けず懸命に生きる女たちの、やはり讃歌なのだなあ、としみじみ思う。
■ 絶望の淵から少しずつ這い上がろうとあがく男の真摯な姿に心打たれる
『マンチェスター・バイ・ザ・シー Manchester by the sea』 (2016年/137分/アメリカ) ♪癒えない傷も、忘れられない痛みも。 その心ごと、生きていく。♪ 【Story】 アメリカ、ボストン郊外で便利屋として生計を立てるリー(ケイシー・アフレック)は、兄の訃報を受けて故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻る。遺言で兄の16歳の息子パトリックの後見人を任されたリーだったが、故郷の町に留まることは彼にとって忘れられない過去の悲劇と向き合うことでもあった。 |
不運な人の人生というのは、何故こうも耐えられないほどの苦しみに満ちているのだろう。リーの抱える過去の過ちは、救いがたいほどに悲しいものだ。甥の後見人になっても自分を責め続けたリーが、あんなつらい過去のある、別れた妻と会ってしまうマンチェスター・バイ・ザ・シーの町で暮らせないのは当然だ。
実際に起こりうるかもしれないというリアリティ
物語は無理のない展開で、そこはかとない絶望感や暗さを秘めながらも、リーの前向きな気持ちで終わる。結末は無理矢理のハッピーエンドにならないところが逆にとてもリアルだと思った。現実はサクセス・ストーリーのように簡単にはいかないのだ。だからこそ、そこに救いがある気がする。
★「人生を変える映画@ 違う場所に住んでみる篇」はこちらへ。
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