2023年04月28日
人生を変える映画C 「巡礼」篇
人生を変える映画の第4弾は、巡礼です。
■全行程ガイドの付いたツアーに参加してスペインの聖地を目指す人々の群像劇コメディ
【見どころ】
◉美しい南フランスと北スペインの風景
野を越え山を越え、街を通り過ぎながら聖地を目指す巡礼の旅。美しく雄大な景色の中で、心を洗われていく巡礼者たち。
◉個性的な参加者たち
自分ひとりのペースで進みたいが、ツアーではそうもいかないのが集団行動のつらいところ。そんな彼らは時に喧嘩し根をあげ、諦めかけながらも歩き続ける。人生の壁にぶち当たって必死で越えようともがく9人の姿は笑いを誘うが、人間くさいリアルなその姿に、追体験したくなる。
◉実際の宿泊箇所が登場
レオンのパラドール(歴史的建築物を改装した高級ホテル)や、サンティアゴ・デ・コンポステラまであと5キロの、モンデ・ド・ゴゾにある800人収容可能な巡礼路最大の巨大アルベルゲなど、ぜひ泊まりたい宿泊箇所が網羅されているので、巡礼開始前には絶対に見ておきたい作品。
【人生が変わったポイント】
「誰もがいろんな事情を抱えながら生きている。つらいのは自分だけじゃない」ということに気づくグループでの巡礼旅。共に歩くことで、きょうだいの絆を取り戻したこと。
■なぜ人はカミーノを歩くのか。その理由にフォーカスした、人生を考える映画
【見どころ】
◉やっぱり、美しい北スペインの風景
スペイン北部を東から西へ横断する「フランス人の道」の癒やしの風景に、きっと「こんな風景の中をゆっくり歩いてみたい」と思うだろう。
またスペイン巡礼を実際に体験した人は「ああ、あそこでこんなことがあんなことがあった」と懐かしく思い出すこと間違いなし。
◉演じるのは実の親子
主演は『地獄の黙示録』のマーティン・シーン。監督は彼の実の息子であり、俳優でもある『マイティ・ダックス』シリーズのエミリオ・エステベス。息子役で数シーン出演している。
【人生が変わったポイント】
カミーノで出会った人々との関わりを通して、息子の死という消化できずにいた問題と向き合うことができた。
アメリカにはトリプル・クラウンと呼ばれる3つの長距離ハイキングコースがある。
ハイキングとはいえ、重い荷物を背負っての長距離ウォークは自分との戦いの連続であり、巡礼に通じるものがあるといえる。
・パシフィック・クレスト・トレイル(Pacific Crest Trail)
メキシコ国境からカナダ国境までアメリカ西海岸を南北に縦走する総延長4000キロのルート。
・アパラチアン・トレイル(Appalachian Trail)
アパラチア山脈に沿ってアメリカ東部のジョージア州からメイン州にかけての14州にまたがる約3,500kmのルート。
・コンチネンタル・ディバイド・トレイル(Continental Divide Trail)
メキシコ〜カナダ間の約5000キロに及ぶロッキー山脈に沿ったルート。
ここでは、パシフィック・クレスト・トレイルと、アパラチアン・トレイルに挑戦するふたつの映画を紹介する。
■たった一人で3カ月間、砂漠と山道のPCTを踏破した女性の感動の実話
【見どころ】
◉実話
人生の再出発のため1600キロに及ぶPCTを踏破した実在の女性シェリル・ストレイドの自叙伝を映画化。オスカー女優のリース・ウィザースプーンが製作・主演をこなし、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。
◉過酷な道程
比較的安全な行程のカミーノとは違い、PCTはいくつも山脈を越え、雪崩や熊に遭遇したり水を確保できない状況に陥ったりもする過酷なトレイル。そんな厳しい自然の中を、トレッキングの経験もほとんどないド素人の彼女がどう一人で歩ききったのかは、まさにこの映画の見どころ。
◉旅の醍醐味
といえばやはり人との出会い。旅での出会いはまさに一期一会。そして出会いに偶然はない。天から与えられた出会いをどうチャンスに繋げるか、それはその人次第。
【人生が変わったポイント】
絶対無理だと言われても諦めなかった彼女の勇気と決意。これに尽きる。
■実話を元にシニア男性2人の旅を描いた、大人のための人生応援ムービー
【見どころ】
◉名優ロバート・レッドフォードとニック・ノルティの共演!
老境に達した足元の覚束ない二人に、確かに妻のエマ・トンプソンでなくとも、「無理に決まってるわ」と思ってしまう。この2大俳優が、歳をとってから4千キロのアパラチアン・トレイルに挑戦する昔の優等生と悪ガキの幼馴染を演じるなんて、それだけで見甲斐があります。
◉ジジイ2人の珍道中
ふたりが笑えないリアルな冗談を言い合いながらトレイルの半分近くを踏破するも、やっぱり崖から落ちそうになり九死に一生を得て、あっさり断念。でも、「それでもいいじゃん、全然」と思える清々しさがある。
◉遥か彼方まで緑が連なる谷の景色
実際に苦労して歩いた人たちにとっては、その大自然の絶景は格別だろう。ふたりの感動が伝わってくる。
【心に響く言葉】
「酒で埋めてた穴がぽっかり空いたままなんだ」 by カッツ
自分が「好きなこと」で埋めていた穴が空いたとき、一体何がその穴を埋めるのか、考えてしまう。
【人生が変わったポイント】
無理だと言われても、したいことに挑戦したこと。
たとえ完結できなくても、挑んで体験したことに意義があるし、古い友人と歩いたからこそ、見えたものがあるはずだ。
最後は、オーストラリアの砂漠横断。
こちらも巡礼ではないが、自分の中に何かを探し求める旅はやはり巡礼に通じものがあるだろう。
■オーストラリア砂漠3000キロをたった1人で踏破した24歳の女性の実話を映画化したロードムービー
【見どころ】
◉実話
これも長距離(2000マイルは約3000キロ)を7カ月かけて一人で歩いた女性の実話。『わたしに会うまでの1600キロ』と違う点は、主に砂漠の横断ということと、周到な準備をしたこと。
◉「ただ、そうしたいだけ」という心理
何かを達成したいという大きな野望や目的などはなく、ただ駆り立てられて始まった旅。彼女のもどかしい思いが伝わってくる。
◉人は何に飢えているのか
やたらとしゃべりたがる都会の現代人を嫌い、一人でもまったく寂しさを感じなかった彼女が、相棒の犬が死んで初めて孤独を感じる。人は人間の温もりではなく、コミュニケーションに飢えているのかもしれない。
【心に響く言葉】
「どこへ行っても居場所のない者がいる。私もそうだった。
Some nomads at home everywhere. Others are at home nowhere, and I was one of those. 」
冒頭のこのセリフは、実際にこの旅をしたロビン・デヴィッドソンの言葉。
だから彼女は、居場所を探し求めて歩き始めたとも言える。私自身もそうだが、居場所を見つけられない人間は、自ずと旅に出ることになるらしい。
【人生が変わったポイント】
自分を信じ続けたこと。
さすがに3000キロというのはカミーノの約4倍だし、しかも歩いたのはオーストラリアの広大な砂漠。気温の変化や水の確保の難しさなど自然環境を考えると、大人の男性にだって危険な旅だ。誰もが無理だと言ったが、彼女は多分最初からできることを知っていた。自分がそのために選ばれた人間だということも。
彼女は歩くことで何かを探し求めた。まさに「求めよ、さらば与えられん」。
それこそが人生を変える鍵かもしれない。
●●● スペイン巡礼 ●●●
巡礼といえば、キリスト教3大聖地のひとつ、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼 (カミーノと呼ばれる)が有名。 コロナ禍以前は年間約35万人が歩いていたと言われるほどポピュラーになったこのカミーノを描いた映画が、いくつか作られています。 まずはその中から、巡礼者が歩く前に必ず見ると言われている代表的な2作品をご紹介。 |
■全行程ガイドの付いたツアーに参加してスペインの聖地を目指す人々の群像劇コメディ
『サン・ジャックへの道 SAINT-JACQUES...LA MECQUE』 (2005年/112分/フランス) ♪人生って、捨てたもんじゃない♪ 【Story】 仲の悪い三人兄弟が遺産をもらうため、亡き母の遺言通りフランスからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの1,500キロを歩くことに。ガイドを含め訳アリ9人の捧腹絶倒巡礼ツアーが始まった。果たして一人も欠けることなく目的地までたどり着けるのか。 |
【見どころ】
◉美しい南フランスと北スペインの風景
野を越え山を越え、街を通り過ぎながら聖地を目指す巡礼の旅。美しく雄大な景色の中で、心を洗われていく巡礼者たち。
◉個性的な参加者たち
自分ひとりのペースで進みたいが、ツアーではそうもいかないのが集団行動のつらいところ。そんな彼らは時に喧嘩し根をあげ、諦めかけながらも歩き続ける。人生の壁にぶち当たって必死で越えようともがく9人の姿は笑いを誘うが、人間くさいリアルなその姿に、追体験したくなる。
◉実際の宿泊箇所が登場
レオンのパラドール(歴史的建築物を改装した高級ホテル)や、サンティアゴ・デ・コンポステラまであと5キロの、モンデ・ド・ゴゾにある800人収容可能な巡礼路最大の巨大アルベルゲなど、ぜひ泊まりたい宿泊箇所が網羅されているので、巡礼開始前には絶対に見ておきたい作品。
【人生が変わったポイント】
「誰もがいろんな事情を抱えながら生きている。つらいのは自分だけじゃない」ということに気づくグループでの巡礼旅。共に歩くことで、きょうだいの絆を取り戻したこと。
■なぜ人はカミーノを歩くのか。その理由にフォーカスした、人生を考える映画
『星の旅人たち The way』 (2010年/128分/アメリカ) ♪さあ、人生の旅に出かけよう!♪ 【Story】 疎遠だった息子が単独での巡礼開始後すぐに亡くなったとの報を受けたアメリカ人のトム(マーティン・シーン)は、息子が歩こうとしていたサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの約800キロの道のりを息子の遺灰と共に歩こうと決意。道中知り合った仲間と歩く中で、頑なだった心を開いていく。 |
【見どころ】
◉やっぱり、美しい北スペインの風景
スペイン北部を東から西へ横断する「フランス人の道」の癒やしの風景に、きっと「こんな風景の中をゆっくり歩いてみたい」と思うだろう。
またスペイン巡礼を実際に体験した人は「ああ、あそこでこんなことがあんなことがあった」と懐かしく思い出すこと間違いなし。
◉演じるのは実の親子
主演は『地獄の黙示録』のマーティン・シーン。監督は彼の実の息子であり、俳優でもある『マイティ・ダックス』シリーズのエミリオ・エステベス。息子役で数シーン出演している。
【人生が変わったポイント】
カミーノで出会った人々との関わりを通して、息子の死という消化できずにいた問題と向き合うことができた。
●●● アメリカ三大長距離自然歩道 National Scenic Trails ●●●
アメリカにはトリプル・クラウンと呼ばれる3つの長距離ハイキングコースがある。
ハイキングとはいえ、重い荷物を背負っての長距離ウォークは自分との戦いの連続であり、巡礼に通じるものがあるといえる。
・パシフィック・クレスト・トレイル(Pacific Crest Trail)
メキシコ国境からカナダ国境までアメリカ西海岸を南北に縦走する総延長4000キロのルート。
・アパラチアン・トレイル(Appalachian Trail)
アパラチア山脈に沿ってアメリカ東部のジョージア州からメイン州にかけての14州にまたがる約3,500kmのルート。
・コンチネンタル・ディバイド・トレイル(Continental Divide Trail)
メキシコ〜カナダ間の約5000キロに及ぶロッキー山脈に沿ったルート。
ここでは、パシフィック・クレスト・トレイルと、アパラチアン・トレイルに挑戦するふたつの映画を紹介する。
■たった一人で3カ月間、砂漠と山道のPCTを踏破した女性の感動の実話
『わたしに会うまでの1600キロ Wild』 (2014年製作/116分/R15+/アメリカ) ♪何度もやめようと思った。でも歩き続けた。 人生とおんなじだ。♪ 【Story】 薬と男に溺れて結婚生活を破綻させたシェリル。彼女は自分を取り戻して人生を一からやり直すために、一人でパシフィック・クレスト・トレイル(通称PCT)の1600キロを歩く旅に出る。極寒の雪山や酷暑の砂漠に行く手を阻まれ、命の危険にさらされながらも、その過酷な道程の中で自分と向き合っていく。 |
◉実話
人生の再出発のため1600キロに及ぶPCTを踏破した実在の女性シェリル・ストレイドの自叙伝を映画化。オスカー女優のリース・ウィザースプーンが製作・主演をこなし、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。
◉過酷な道程
比較的安全な行程のカミーノとは違い、PCTはいくつも山脈を越え、雪崩や熊に遭遇したり水を確保できない状況に陥ったりもする過酷なトレイル。そんな厳しい自然の中を、トレッキングの経験もほとんどないド素人の彼女がどう一人で歩ききったのかは、まさにこの映画の見どころ。
◉旅の醍醐味
といえばやはり人との出会い。旅での出会いはまさに一期一会。そして出会いに偶然はない。天から与えられた出会いをどうチャンスに繋げるか、それはその人次第。
【人生が変わったポイント】
絶対無理だと言われても諦めなかった彼女の勇気と決意。これに尽きる。
■実話を元にシニア男性2人の旅を描いた、大人のための人生応援ムービー
『ロングトレイル! A Walk in the Woods』 (2015年製作/104分/PG12/アメリカ) ♪再会の3500キロ、共と森を歩く♪ 【Story】 かつて紀行作家として世界各地を旅したビル(ロバート・レッドフォード)。今は家族と穏やかな毎日を送っているが、そんな日常に物足りなさを感じ、全長3500kmにおよぶ アパラチアン・トレイルを旅することを思いつく。破天荒な友人カッツ(ニック・ノルティ)と共に出発したものの、次々と予想外のハプニングに襲われる。 |
【見どころ】
◉名優ロバート・レッドフォードとニック・ノルティの共演!
老境に達した足元の覚束ない二人に、確かに妻のエマ・トンプソンでなくとも、「無理に決まってるわ」と思ってしまう。この2大俳優が、歳をとってから4千キロのアパラチアン・トレイルに挑戦する昔の優等生と悪ガキの幼馴染を演じるなんて、それだけで見甲斐があります。
◉ジジイ2人の珍道中
ふたりが笑えないリアルな冗談を言い合いながらトレイルの半分近くを踏破するも、やっぱり崖から落ちそうになり九死に一生を得て、あっさり断念。でも、「それでもいいじゃん、全然」と思える清々しさがある。
◉遥か彼方まで緑が連なる谷の景色
実際に苦労して歩いた人たちにとっては、その大自然の絶景は格別だろう。ふたりの感動が伝わってくる。
【心に響く言葉】
「酒で埋めてた穴がぽっかり空いたままなんだ」 by カッツ
自分が「好きなこと」で埋めていた穴が空いたとき、一体何がその穴を埋めるのか、考えてしまう。
【人生が変わったポイント】
無理だと言われても、したいことに挑戦したこと。
たとえ完結できなくても、挑んで体験したことに意義があるし、古い友人と歩いたからこそ、見えたものがあるはずだ。
●●● 砂漠の横断 ●●●
最後は、オーストラリアの砂漠横断。
こちらも巡礼ではないが、自分の中に何かを探し求める旅はやはり巡礼に通じものがあるだろう。
■オーストラリア砂漠3000キロをたった1人で踏破した24歳の女性の実話を映画化したロードムービー
『奇跡の2000マイル Tracks』 (2013年製作/112分/オーストラリア) ♪一歩踏み出せば、世界はもっと輝く♪ 【Story】 人生に変化を求め、都会からオーストラリア中央部の町アリス・スプリングスにやってきた女性ロビン(ミア・ワシコウスカ)。パブで働きながらラクダの調教を学び、旅の準備を整えた彼女は、4頭のラクダと愛犬とともに砂漠地帯を踏破しインド洋を目指す旅へと出発する。 |
【見どころ】
◉実話
これも長距離(2000マイルは約3000キロ)を7カ月かけて一人で歩いた女性の実話。『わたしに会うまでの1600キロ』と違う点は、主に砂漠の横断ということと、周到な準備をしたこと。
◉「ただ、そうしたいだけ」という心理
何かを達成したいという大きな野望や目的などはなく、ただ駆り立てられて始まった旅。彼女のもどかしい思いが伝わってくる。
◉人は何に飢えているのか
やたらとしゃべりたがる都会の現代人を嫌い、一人でもまったく寂しさを感じなかった彼女が、相棒の犬が死んで初めて孤独を感じる。人は人間の温もりではなく、コミュニケーションに飢えているのかもしれない。
【心に響く言葉】
「どこへ行っても居場所のない者がいる。私もそうだった。
Some nomads at home everywhere. Others are at home nowhere, and I was one of those. 」
冒頭のこのセリフは、実際にこの旅をしたロビン・デヴィッドソンの言葉。
だから彼女は、居場所を探し求めて歩き始めたとも言える。私自身もそうだが、居場所を見つけられない人間は、自ずと旅に出ることになるらしい。
【人生が変わったポイント】
自分を信じ続けたこと。
さすがに3000キロというのはカミーノの約4倍だし、しかも歩いたのはオーストラリアの広大な砂漠。気温の変化や水の確保の難しさなど自然環境を考えると、大人の男性にだって危険な旅だ。誰もが無理だと言ったが、彼女は多分最初からできることを知っていた。自分がそのために選ばれた人間だということも。
彼女は歩くことで何かを探し求めた。まさに「求めよ、さらば与えられん」。
それこそが人生を変える鍵かもしれない。
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