2019年03月24日
スペイン巡礼㉜ 36日目:靴が壊れる!
Pilgrimage in Spain ㉜ Day36:Shoes were broken!【5.2011】
5月6日(巡礼36日目) Portomarin ポルトマリン 〜 Palas de Rei パラス・デ・レイ (22km)
「山の中で突然靴が壊れるアクシデント Accident which my shoues were broken suddenly in the mountain」
肩も足も、そして精神的にも限界に近付いている。
ガイドブックによると22キロしかなかったのに、グロリアと歩いたイラゴ峠よりもつらかった。
山道のアップダウンが多かったからだろうか。背中の荷物がこんなに重く感じたのは初めてだし、(歩き始めた時より軽くなっているはずなのに、日に日に重さが増している気がする)今日はなんと山中で靴が壊れるというアクシデントに見舞われる。
足を包んでいる部分から靴底のゴム部分が3分の2近く剥がれてしまっている。足をちゃんと上げずに引きずるように歩くせいだろう。こんな山中でこのような状態ではまともに歩けない。右足を前に出すたびにペロンと靴底部分が下に垂れ下がり、その分足を前に出すときに高く上げなければならないので腰に負担がかかるし、何より足が地面につくたびにこけそうになり、危険だ。
固定させるために縛り付ける紐になるようなものも持っていない。サンティアゴまであと4日、という時にこれはないでしょ、と途方に暮れて、またしても絶望感に打ちひしがれ、涙がこみあげてきた私の目に「BAR」という矢印付きの看板が飛び込んできた。
やった、こんな集落も何もない山中にバルがあるなんて奇跡だ!と、看板の矢印に向かって歩き出す。
その道は巡礼路を外れていたので、この先何キロも歩かされるんじゃないだろうな、だとしたらまた余計な距離を歩かなきゃならないことになる…という私の不安をよそに少し林を回り込んだ所に大きな家が現れた。
藁にもすがる思いでバルに飛び込むと、カウンターにいたオジサンに靴が壊れたのだが留める方法はないかと聞いてみる。迷惑そうな顔をしながらも事情を察したオジサンはどこからかボンドを持ってきて私の靴に応急処置を施してくれた。
ああ、これでちゃんとくっついてくれるといいのだけれど…とバックパックを重石にして靴に載せ、オジサンへのお礼がてらコーヒーを飲みながらしばし待つ。
それにしてもその後しばらくは何もない山道が続いたので本当にラッキーだった。靴の壊れるのが少し遅れていたら、次の町まで何キロもひどい状態で歩かなければならなかった。今日も奇跡に感謝。
「真新しい公営アルベルゲで落ち込む Depressed in brand-new public albergue 」
そんなこんなで靴を気にしながら歩き続け、余計な神経を使ったので疲れ果て比較的大きな町、パラス・デ・レイでスニーカーを買おうと思っていたのだが中心地までのあと一キロがどうしても歩けず、町の入り口のアルベルゲに入ってしまった。
今日一日、先にバルに着いていたベックミーとウーサンに追いついては彼らが先に発ち、また追いかける、という形で歩いていた二人とも今夜は別の宿。
一昨日ピーチジュースをご馳走してくれた陽気なオジサン達4人組と、サリアで同室だったロンドン在住のスペイン人女性アルモ、そして道々頻繁に出会うたびに「コメスタ?(元気)」と聞いてくれたスペイン人女性のマリア・ルイサが同じ宿だった。
しかも鼾がうるさそうなオジサンたちとは離れたベッドがいいな、と思っていたのになぜか見事にすぐ隣りのベッドになってしまい、予想通りその夜は彼らの盛大な鼾で眠れなかった、トホホ…。
朝荷物をサービス業者に預け、小さなリュックサックだけで歩いている(夕方までに次の宿に荷物が届いている、という訳だ)スペイン人のオバサン4人組が「ここはとっても良いアルベルゲよ」と言っていたし、新しそうだったので期待して入ったのだが、その期待は見事に裏切られた。
キッチンで紅茶でも、と思ったらコップや食器が一切なく、シンクとコンロがあるのみ。鍋を持ち歩いている人がいるとでもいうのか!と大声で罵倒したくなった。
しかもシャワーは個室ではなく、隣りとの仕切扉しかないオープンタイプで10秒プッシュのイライラ型。(写真↓左)真新しい公営アルベルゲ(写真↓右)ほどプライベート空間がなくなって簡素化されている気がする…。
夕方から土砂降りの雨が降り続いていて街への散策に行けないためか、意気投合したらしいスペイン人オジサン4人組とオバサンの4人組がカードゲームに興じる嬌声がアルベルゲ中に響き渡り、うるさくて寝てもいられない。
仕方なくアルベルゲから100メートルほど先のレストランで時間をつぶす。そこではマリア・ルイサが一人で豪勢な食事をしていたが、私はコーヒーと菓子パンだけでそんなに長く粘るわけにはいかないので、イヤイヤながら雨の中宿に戻ると、わりと一人を好むらしいマリア・ルイサもすぐに戻ってきて手持ちぶさたっぽく外のベンチで恨めしそうに雨の空を見上げていた。彼女も私と同じであまり社交的ではないらしい。
良くないアルベルゲに当たると、ストレスからかそれとも寒さのせいか、手の指の麻痺が頻繁に起こり、この日は雨も手伝ってことさらみじめに感じた。
ベックミーとウーサンは町中の快適なアルベルゲで今日も美味しいお料理を作って食べているのかなぁ、と二人と別の宿になってしまったことに、珍しく寂しさを感じた日だった。
5月6日(巡礼36日目) Portomarin ポルトマリン 〜 Palas de Rei パラス・デ・レイ (22km)
「山の中で突然靴が壊れるアクシデント Accident which my shoues were broken suddenly in the mountain」
肩も足も、そして精神的にも限界に近付いている。
ガイドブックによると22キロしかなかったのに、グロリアと歩いたイラゴ峠よりもつらかった。
山道のアップダウンが多かったからだろうか。背中の荷物がこんなに重く感じたのは初めてだし、(歩き始めた時より軽くなっているはずなのに、日に日に重さが増している気がする)今日はなんと山中で靴が壊れるというアクシデントに見舞われる。
足を包んでいる部分から靴底のゴム部分が3分の2近く剥がれてしまっている。足をちゃんと上げずに引きずるように歩くせいだろう。こんな山中でこのような状態ではまともに歩けない。右足を前に出すたびにペロンと靴底部分が下に垂れ下がり、その分足を前に出すときに高く上げなければならないので腰に負担がかかるし、何より足が地面につくたびにこけそうになり、危険だ。
固定させるために縛り付ける紐になるようなものも持っていない。サンティアゴまであと4日、という時にこれはないでしょ、と途方に暮れて、またしても絶望感に打ちひしがれ、涙がこみあげてきた私の目に「BAR」という矢印付きの看板が飛び込んできた。
やった、こんな集落も何もない山中にバルがあるなんて奇跡だ!と、看板の矢印に向かって歩き出す。
その道は巡礼路を外れていたので、この先何キロも歩かされるんじゃないだろうな、だとしたらまた余計な距離を歩かなきゃならないことになる…という私の不安をよそに少し林を回り込んだ所に大きな家が現れた。
藁にもすがる思いでバルに飛び込むと、カウンターにいたオジサンに靴が壊れたのだが留める方法はないかと聞いてみる。迷惑そうな顔をしながらも事情を察したオジサンはどこからかボンドを持ってきて私の靴に応急処置を施してくれた。
ああ、これでちゃんとくっついてくれるといいのだけれど…とバックパックを重石にして靴に載せ、オジサンへのお礼がてらコーヒーを飲みながらしばし待つ。
それにしてもその後しばらくは何もない山道が続いたので本当にラッキーだった。靴の壊れるのが少し遅れていたら、次の町まで何キロもひどい状態で歩かなければならなかった。今日も奇跡に感謝。
「真新しい公営アルベルゲで落ち込む Depressed in brand-new public albergue 」
そんなこんなで靴を気にしながら歩き続け、余計な神経を使ったので疲れ果て比較的大きな町、パラス・デ・レイでスニーカーを買おうと思っていたのだが中心地までのあと一キロがどうしても歩けず、町の入り口のアルベルゲに入ってしまった。
今日一日、先にバルに着いていたベックミーとウーサンに追いついては彼らが先に発ち、また追いかける、という形で歩いていた二人とも今夜は別の宿。
一昨日ピーチジュースをご馳走してくれた陽気なオジサン達4人組と、サリアで同室だったロンドン在住のスペイン人女性アルモ、そして道々頻繁に出会うたびに「コメスタ?(元気)」と聞いてくれたスペイン人女性のマリア・ルイサが同じ宿だった。
しかも鼾がうるさそうなオジサンたちとは離れたベッドがいいな、と思っていたのになぜか見事にすぐ隣りのベッドになってしまい、予想通りその夜は彼らの盛大な鼾で眠れなかった、トホホ…。
朝荷物をサービス業者に預け、小さなリュックサックだけで歩いている(夕方までに次の宿に荷物が届いている、という訳だ)スペイン人のオバサン4人組が「ここはとっても良いアルベルゲよ」と言っていたし、新しそうだったので期待して入ったのだが、その期待は見事に裏切られた。
キッチンで紅茶でも、と思ったらコップや食器が一切なく、シンクとコンロがあるのみ。鍋を持ち歩いている人がいるとでもいうのか!と大声で罵倒したくなった。
しかもシャワーは個室ではなく、隣りとの仕切扉しかないオープンタイプで10秒プッシュのイライラ型。(写真↓左)真新しい公営アルベルゲ(写真↓右)ほどプライベート空間がなくなって簡素化されている気がする…。
夕方から土砂降りの雨が降り続いていて街への散策に行けないためか、意気投合したらしいスペイン人オジサン4人組とオバサンの4人組がカードゲームに興じる嬌声がアルベルゲ中に響き渡り、うるさくて寝てもいられない。
仕方なくアルベルゲから100メートルほど先のレストランで時間をつぶす。そこではマリア・ルイサが一人で豪勢な食事をしていたが、私はコーヒーと菓子パンだけでそんなに長く粘るわけにはいかないので、イヤイヤながら雨の中宿に戻ると、わりと一人を好むらしいマリア・ルイサもすぐに戻ってきて手持ちぶさたっぽく外のベンチで恨めしそうに雨の空を見上げていた。彼女も私と同じであまり社交的ではないらしい。
良くないアルベルゲに当たると、ストレスからかそれとも寒さのせいか、手の指の麻痺が頻繁に起こり、この日は雨も手伝ってことさらみじめに感じた。
ベックミーとウーサンは町中の快適なアルベルゲで今日も美味しいお料理を作って食べているのかなぁ、と二人と別の宿になってしまったことに、珍しく寂しさを感じた日だった。
タグ:パラスデレイ
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