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2018年07月03日

映画で旅するモロッコ Morocco in Cinema

モロッコ旅を計画中の方のために、モロッコが舞台の映画を集めてみました。

モロッコを舞台にした映画といえば…なんといってもダンディなボギーの代表作。
 
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『カサブランカ Casablanca』
(1942/米)マイケル・カーティス監督

ハンフリー・ボガードの ❝ 君の瞳に乾杯 ❞ という名台詞と共にイングリッド・バーグマンのはかない美しさが心に残る名作。

とはいえ、そのほとんどがアメリカのスタジオで撮影されたのは有名な話。
人妻となった昔の恋人と再会した孤独な男が、再び燃え上がった恋の炎に身を焦がす、というシチュエーションは時代を超えて描かれ続けているので、ロマンチックすぎる演出を除けば今見ても古さを感じない。

戦争の足音が近づくモロッコを舞台にしているところがまた、結ばれない運命の二人の悲恋を強調していて胸に迫る。


「カサブランカ」と並んで思い出すのがこちら、ディートリッヒの代表作。

『モロッコ Morocco』(1930/米)
 ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督

グレゴリー・ペック演じるモロッコ駐屯の若いアメリカ人兵士トムは、女性に本気になれない遊び人。ところがキャバレーの歌姫エイミー(マレーネ・ディートリッヒ)に出会い、男を鼻にもひっかけない彼女の態度に興味を覚え、やがて惹かれていく。
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しかし彼女に溺れることを恐れたトムは、彼女の元を去る。
その後様々な人々を巻き込み、すれ違いを経て、二人は真実の愛に目覚めていくが、運命は簡単に彼らを認めようとはしなかった…。

タキシードをまとい、煙草片手の妖艶なディートリッヒが、鮮烈な印象を残す。
そしてラスト、一心不乱に愛する男を追っていく「女」、ディートリッヒの姿に少し涙…。


現代の映画で印象に残るのは、奔放な女性が子連れでモロッコを旅するこの映画。

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『グッバイ・モロッコ
   Hideous Kinky』

(1998/英=仏)ギリーズ・マッキノン監督

二人の娘を連れてマラケシュへやってきたシングル・マザー、ジュリア(ケイト・ウィンスレット)。親切なモロッコ人のビラルと恋に落ちたジュリアだったが…。
原作はフロイトの孫娘、エスター・フロイトの自伝的小説『Hedious Kinky』。
普通の暮らしを望む娘、カルチャー・ギャップ、お金の問題など、様々な困難に立ち向かいながら、異国モロッコの地で温かい人々の助けを借りて自分を取り戻していくジュリアの姿に、海外を放浪する自分の姿を重ねてしまうのは私だけではないだろう。

欧米人特有のわがままさ(自由奔放さ?)を持ったジュリアは、素敵な出会いの運に幾度も助けられる訳だが、人に頼りすぎではいないかい?と感じることもしばしば。
それでも、二人の幼い子供連れでモロッコを旅すること自体バイタリティがいるので、尊敬してしまうのだけど…。


変わったところで、こちらのサスペンスはいかが?

『われらが背きし者 Our Kind of Traitor』
(2016/英)スザンナ・ホワイト監督

全編モロッコが舞台という訳ではありませんが、モロッコで出会ったマフィアと親しくなったことから、国際的陰謀に巻き込まれてしまう大学教授のスリリングな日々を描いた、スパイ映画です。

マラケシュ、ロンドン、パリ、フレンチ・アルプスと世界(この場合ヨーロッパ)を股にかけて活躍するところがスパイ映画の醍醐味。
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オビ・ワンことユアン・マクレガーがここでは、血で血を洗うロシア・マフィアの抗争に巻き込まれながらも聡明な妻の協力を得て、人命救助に命を懸けちゃう正義の人、気の弱い一般人の大学教授を熱演。

人情に篤いロシア・マフィア役で『マンマ・ミーア!』のステラン・スカルスガルドも出ています。
大胆不敵なオビ・ワンもいいけどこの「フツーの人」、ユアンもなかなか。
こういうインテリっぽい髪形の男性にヨワいんだよね〜、私(*^▽^*)


★モロッコらしさを感じられる映画としてのイチオシ。

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『風とライオン The Wind and The Lion』
(1975/米)ジョン・ミリアス監督

007シリーズのショーン・コネリーが演じるのはリフ族の首長ライズリ。

彼はモロッコへの欧米列強国の侵入を止めるため、アメリカ人母子を誘拐しアメリカとの交渉を画策する。彼に誘拐されたアメリカ人女性イーデンは気の強い女性だが、根っからのベルベル人であるライズリに反発しながらも、彼の潔さに惹かれていく。

権謀術数渦巻く1900年代初頭のアフリカ情勢を、壮大な砂漠を舞台に描くロマン大作。

まだ頭髪の残っているショーン・コネリーがベルベル人(マグレブ地方の先住民族)を演じても違和感がない。顔が濃いんだなぁ…。冒頭砂浜を駆け抜ける勇壮な騎馬軍団が、モロッコが古くは騎馬民族であるベルベル人の国であったことを思い出させる。

派手な戦闘シーンはちょっとやりすぎ?な感じもあるが舞い上がる砂塵、果てしなく続く砂漠、砂漠の中の堅固な城など、モロッコを感じさせてくれる最高の映画ではないだろうか。

モロッコ支配を狙うヨーロッパ列強各国とアメリカの関係などは少々わかりづらいが、陰謀渦巻く男たちの世界で神とのつながりを求め、自身の中での善と悪がはっきりしているライズリは、確かに野蛮ではあるが清々しい感じがする。

イーデンの二人の子供たちはすぐに彼らに魅了され、砂漠での生活に馴染んでいく。そして初めこそ自分たちを誘拐したライズリの意図が理解できず反発する彼女も、彼の率直さや純粋さに徐々に心を開いていく。

一方アメリカのルーズベルト大統領は、したたかにアメリカの利益を計算しながらもライズリに対し、憧れに近い尊敬の念を抱く。ホワイトハウスを中心に動くルーズベルト大統領は現代文明社会を象徴していて、アフリカ大陸にある砂漠の国モロッコとの対比が鮮明。

ライオンのように雄々しいライズリと風のように自由に世界を操るルーズベルト、対照的な二人の男の生き様にロマンを感じる。

砂漠でのシーンがモロッコの渇いた大地を想起させる、歴史スペクタクル大作。
映画館で見たかったなぁ。


他にはブラッド・ピットの『バベル』、古いところで『モロッコ慕情』、『サバイビング・モロッコ』などもありますね。
モロッコが舞台ではないけれど、モロッコでロケが行われた映画ならたくさんあります。
「アラビアのロレンス」
「シェルタリング・スカイ」
「セックス・アンド・ザ・シティ2 ザ・ムービー」
「マミー」などなど。

モロッコ旅を計画中の皆様、ぜひ行く前にモロッコに関する映画を見て、想像を膨らませてみてはいかがでしょうか?
ロケ地を巡ってみるのも、旅の楽しみのひとつですよね(^_-)-☆
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