午後1時を過ぎ、お腹も空いたので食堂車へ昼食に。この食事が今回の旅で食堂車で食べる計6回の食事の最後になります。今回は今朝
出会った日本人の旅仲間と一緒に。昨日の昼食べたチャウダーがあまりにも美味しかったのでリピートしました。彼女にも薦めます。テーブルの向かいには若者が二人。サンフランシスコに戻るところだそう。やはり時期的に帰省のUターンが多いです。向かいの席の若者に旅はどう?と聞かれ、列車での長距離旅行は初めてだけど景色がとても素晴らしかったと話していて、ふと窓の外を見ると雪化粧をした見渡す限りの針葉樹の中に巨大な湖が現れました。写真だとあまり大したことなさそうに見えかもしれませんが、実際には圧巻でした。
これはドナー湖(Donner Lake)というのですが、その名前の由来は、かつて大開拓時代にカトリックのクリスチャンとしての自由を求めてミズーリ州からにカリフォルニアに移住するために旅をしていた87人のドナーパーティ(Donner Party)という、ドナーさんを中心としたグループから来ています。彼らはちょうどここで冬を迎えてしまったがために深い雪のせいで身動きが取れなくなってしまったそうです。その末路は悲惨なもので、食料も底をつき共食いをして生き延びた者が救助された時には人数は約半数の48人になっていたそうです。怖いですね・・・
そんな曰く付きの場所ですが、まったくそんなおどろおどろしさは感じさせません。むしろ自然の偉大さに感動です。来てみるまであまり注目していなかった地点ですが、ここはこの路線のなかでもベスト景観スポットの一つだと思いました。スキーのシュプールもちらほら見られます。
カリフォルニア・ゼファー号はこの湖を囲むような山の頂上付近をぐるっとU字に走ります。
食事の方はというと、デザートは何にするか考えようとする前にウェイトレスにもうアイスクリームしか残ってないと宣告されてしまいました。しかもアイスもバニラは売り切れ、チョコ味に。あの
エクレアをもう一度食べたかったのに〜。残念ですが、ビジネスを考えると終点には出来るだけ在庫をさばいて到着したいでしょうから仕方ないですね。皆さんもアムトラックで旅行される時は食べたいものはお早めに押さえた方がいいですよ〜。
このわずかのランチタイムが終わる頃には外の景色はすっかり変わりました。雪景色の中チャウダーを頬張っていたのに、チョコアイスとコーヒーをいただく頃にふと外を見ると雪がすっかり無くなって、赤や黄緑の世界が広がっています。旅仲間も私もびっくり!いったいいつの間に。