2020年06月07日
チャート分析に役立つ3つのラインの引き方
「チャートの分析方法」第二回の今回はチャート分析に役立つ「トレンドライン、サポートライン、レジスタンスラインの引き方」についてご説明します。
前回のコラムでご説明したローソク足のチャートから一本線を引くだけで相場の流れが読みやすくなる効果的な方法なので、是非習得してもらえればと思います
(なお、今回はトレンドラインに類似する、回帰トレンドについても併せてご説明いたします。)
トレンドラインの引き方
トレンドラインとは、上昇相場の場合は、ローソク足チャートの安値同士を、下落相場の場合は高値同士を直線で結ぶことにより、相場の流れ(トレンド)を可視化することが出来る分析方法です。
トレンドラインを用いることで、買い時(上昇相場での最安値)、売り時(下落相場での最高値)の他、相場の流れの転換点を推測することが出来ます
上図は、米ドル/円の日足チャートに上昇相場のトレンドライン(赤線)、下落相場のトレンドライン(青線)を記入してみたものです。
こちらをご覧いただければ、下落相場の場合、青線に触れた後、価格が下落していき、上昇相場の場合は赤線に触れた後、価格が上昇していく様子が分かるかと思います。
すなわち、このラインを引いておくことで、現在価格が赤ラインに触れそうになった際には買い注文を、青ラインに触れそうになったら売り注文を入れれば利益を得られる可能性が高いことを示しています
また、赤ラインを下抜けたり、青ラインを上抜けたりするとその後のトレンドが変化していることから、トレンドの転換点を見極めることが出来ます。
これにより、トレンドラインより一定以上、想定の方向と逆に価格が進めば、損失の少ないうちに、新規注文を決済してしまう判断をすることが出来ます。
(これを損切りまたはロスカットといいます)
サポートライン・レジスタンスラインの引き方
レジスタンスライン(上値抵抗線)とは、過去のチャートにおける同値付近で反発下落しているポイント同士が通るように水平線を引いたものです。
上図の青実線がレジスタンスラインの一例になります。
このラインに到達すると反発下落する可能性が高く、このラインを抜けて上昇すると、上昇トレンドへの転換となる可能性が高いです。
逆にサポートライン(下値支持線)とは、過去のチャートにおける同値付近で反発上昇しているポイント同士が通るように水平線を引いたものです。
上図の赤実線がサポートラインの一例になります。
このラインに到達すると反発上昇する可能性が高く、このラインを抜けて下落すると、下落トレンドへの転換となる可能性が高いです。
ちなみに、サポートラインとレジスタンスラインが同じ線になることもしばしばあります。
例えば、サポートラインの例として示した図において、左側においてはサポートラインとして機能していますが、右側の方ではレジスタンスラインとして機能しているとも言えます。
また、下落トレンドのトレンドラインとサポートラインが交わった後では、急激な下落が、上昇トレンドのトレンドラインとレジスタンスラインが交わった後では、急激な上昇が起こる可能性が高いとも言われています。
このように、レジスタンスライン、サポートラインは、トレンドラインと同じように、チャートが反発する点やトレンドの変換点を予測するのに有用です。
回帰トレンドの使い方
回帰トレンドとは、簡単に言うと一定期間内における値動きの中心となるように引いた直線のことです。
具体的に言うと、日足チャートにおける期間100の回帰トレンドの場合、直近から100日前までの100点の終値から、回帰トレンドに対し垂直に線を引いた場合に、その線の長さの合計が他の方法で引いた直線の場合と比較して最も小さくなるようになっています。
(余計ややこしくなってたらすみません)
上図は、5/10時点の米ドル/円日足チャートに期間100日で回帰トレンドを引いたものです。
(回帰トレンドは5本ある線のうちの中央の緑の破線になります。)
回帰トレンドにより、一見トレンドがあるか分からないような場合でも、一定期間内のデータからみたトレンドの方向性(右肩上がりの線なら上昇トレンド、右肩下がりなら下落トレンド)とトレンドの強さ(傾きの大きさが大きいほど強いトレンド)を把握することができます
また、回帰トレンド分析は一般的に中心となる回帰トレンドの他に、指定期間中の終値の標準偏差(σ)を基に、回帰トレンドから上下に1σ、2σずつ離れた直線も引き、中心と合わせて5本の線で利用します。
(上図の中の赤破線が回帰トレンド±1σ、青破線が回帰トレンド±2σのラインになります。)
ちなみに標準偏差(σ)というのは、算出方法はややこしいので省略しますが、あるデータ集団において、ばらつき具合を示す指標となっており、そのデータ集団のデータが「平均値±σの間」に約68%、「平均値±2σの間」に約95%入るように算出されています。
(厳密にいえば「データ集団が正規分布に従っていること」などの条件がありますが、ざっくりとした理解では、上記の通りで問題ないかと思います。)
つまり、回帰トレンド+2σを上回ったり、回帰トレンド-2σを下回るという確率は、指定期間から推測されるトレンドの中では5%程度しかないレアケースであり、高い確率で回帰トレンドの値まで戻るだろう、と予測することが出来ます。
この性質を用いることで、チャートが反発するポイント、すなわち新規注文や決済注文を入れるべきポイントを見極めることできます。
具体的には、回帰トレンドが上昇トレンド(右肩上がりの直線)の中、ローソク足が「回帰トレンド-2σ」のラインに触れた場合は、買いを入れるポイント、回帰トレンドが下落トレンド(右肩下がりの直線)の中、ローソク足が「回帰トレンド+2σ」のラインに触れた場合は、売りを入れるポイントということが出来ます。
なお、これはトレンドラインやサポートライン、レジスタンスラインなどとは異なり、人の手で引くのは、ほぼ不可能なため、回帰トレンドの設定ができるチャート分析システムを持っている証券会社の利用が必須となります
(DMM FXでは今回紹介した回帰トレンドの設定に対応しています。)
まとめ
今回は、トレンドの方向性やチャートが反発するタイミング、トレンドの転換点を予想するのに役立つ「トレンドライン」「レジスタンスライン」「サポートライン」「回帰トレンド」についてご紹介しました
これらのツールの他に、トレンドの流れや転換点を予測するツールとして「移動平均線」があり、次回のFXコラムにてご紹介する予定ですので、そちらと合わせてトレードにチャレンジしてみてください
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