2021年01月19日
「産業のコメ」として引っ張りだこの半導体業界
今回は、日経記事『広がる「産業のコメ」騒動 自動車に半導体不足の逆風』について取り上げてみようと思います
記事の概要としては、様々な分野において半導体が重要視されてきており、さながらかつての米騒動のような様相を呈し始めている、というものになります。
自動車メーカーは、自社製品を製造するにあたり、車の制御に欠かせない「マイコン」と呼ばれる半導体の確保が必須ですが、足元は半導体の供給不足により、生産調整を余儀なくされるなど苦境に立たされている状況です
半導体供給不足となっている背景としては、自動車業界以外にも半導体需要が著しく拡大していることが挙げられます。
例えば、昨今のコロナウィルス感染拡大に伴い、巣ごもりやテレワークなどでパソコンなどの需要が拡大したことで、消費者向け機器で使う半導体の注文が増加しました。
また、『NTTが世界のIT業界で再び華を咲かせる予感。』の記事にも記載した通り、足元では5Gや、さらにその先を見据えた高速通信規格の導入が進められており、それに対応しうる半導体の需要も高まっています
更には、今回のコロナ禍を機に、欧州各国などを中心に、気候変動に関連する分野への産業支援が強まった影響により、洋上風力発電装置などに用いられる半導体についても需要が高まっている状態です
(しかもこれは、公的機関を相手にした商売となるため、半導体メーカーにとっては、長期安定受注と高利益販売が見込める案件になります)
気候変動に関連する分野への注力の流れは、他業界に限らず車業界にも起きており、例えば、日本においても2030年代半ばまでに新車販売の全てを電動車とする方針が検討されています。
そして、電気自動車(EV)は、その構造から半導体を使う量も多く、ガソリン車の約2倍ほど使うなど、自動車業界自身でも半導体需要を押し上げる要因となっています。
このように、今や各産業分野において必需品となってきている半導体ですが、増産体制はそう簡単ではないようで、しばらく供給がタイトな状況が続き、それと同時に半導体メーカーが価格を釣り上げることが出来る余地が生まれているような状況です
(この状況が、かつての米不足において米問屋が売価を釣り上げ、民衆の暴動を引き起こすきっかけになった米騒動に状況が似ているというのが引用記事の筆者の意見のようです。)
現代においては、かつての米騒動における米問屋のようなことをやると、民衆が暴動を起こすまでもなく淘汰されるだけの世界環境が整っているとは思いますが、これだけ各種産業分野において重要視されており、官民ともに需要がある半導体業界は、今後の動向に注目する必要がありそうですね
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