2021年01月12日
NTTが世界のIT業界で再び華を咲かせる予感。
今回は、日経記事『ドコモ、NTTコム吸収で6Gに先手 巨大ITに対抗』について取り上げてみようと思います
記事の概要としては、NTTの完全子会社化されたNTTドコモがNTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアを子会社化し、新たなグループをつくる方針というものになります。
NTTは、総務省からの携帯料金値下げ圧力に対応するため、グループ会社であったNTTドコモの株式を4.3兆円の資金で買い集めることによって、2020年12月25日をもって、NTTドコモをNTT本体の完全子会社化としました。
これにより、NTTドコモは、昨年末に月額2,980円で20GBのプランを提示するなど、早速KDDI(au)やソフトバンクに対抗してきているような状況です
しかしながら、NTTドコモの完全子会社化による、NTTの再編戦略は、何も総務省から要求された個人向けの携帯料金値下げだけに留まらないようです
それを示しているのが、今回のNTTドコモによるNTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアの子会社化です。
これによって、法人向けが弱かったNTTドコモの補強をしたり(NTTコミュニケーションズが大企業など法人顧客が強く、無線と固定通信を融合した新サービスの提供で相乗効果を図る)、今までそれぞれ別々に行ってきた通信インフラなどへの投資を一元化することで数千億円規模で費用を削減したりすることを想定しています
そして、特筆すべきは、この子会社化により投資余力が生まれたNTTドコモは、新たなる光通信技術への研究開発に力を入れることが出来るということが挙げられます
5Gの次に来ると言われる、6G規格では、更なる消費電力の低減が必要とされているため、NTTが手掛ける「IWON(アイオン)」と呼ばれる光通信技術の実用化が喫緊の課題となっている状況です
(IWONを利用した回路基板が実現すれば、消費電力が従来の100分の1にまで抑えることが出来るようです)
世界全体を見渡すと、アメリカIT企業大手のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの総称。4社の頭文字をとってGAFAと呼ばれる。)も通信分野への参入に力を入れており、売上高に占める研究開発費の割合として10%近くが投入される中、NTTは2%近くとその差が歴然としているような状況です
現在GAFAは、世界を担うIT企業と言って過言ではない中、このままの流れで行けば、5Gや来るべき6Gの規格もアメリカが主導権を握っていくことが予想されます
その中で、今回のNTTグループの組織再編は、日本企業の中で唯一この流れに抗うことのできるチャンスなのかもしれないとも考えています
1990年代には世界時価総額ランキングの上位に顔を出していたNTT
今やその影もなく凋落してしまった感じも否めない中、足元の再編の動きは、新たなる時代の幕開けを予感させますね
このブログを応援していただける方は、下の「金融・投資人気ブログランキング」バナーをクリックしてもらえると嬉しいです
金融・投資ランキング
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10460736
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック